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感情と思考のあいだに、ワンクッションを

「もうしんどい。」

「どうすればいいんだろう。」

そんなふうに悩んでしまうときがある。苦しいと思って、つらくなってしまうときもある。

そういうとき、あなたはどうするだろうか?

話を聞いていると、どうすればいいんだろうと思っているだけで、本当にどうすればよくなるかの方法や対策を考えるまでをできている人は少なかったりする。

だから「どうすればいいんだろう」って漠然と思い浮かべているだけでなく、「これを試してみよう」「もっとよくするにはあの方法もいいかもしれない」と具体的に考えていくことでしか、その悩みはけっしてなくなってはくれないんだ。

でもそれができないから困ってる

きっと悩んでいる人はこう思うんじゃないかなと思う。

考えたいけど、考えられない。考えてはみるけど、思いつかない。本当にこれでいいのかわからない。から、動けない。

そのうちにまたどうしようもなくなって、ぐるぐるとしてしまう。

動きたいけど、動けない。変わりたいけど、また結局変われない。しがいに気持ちは折れてしまう。気持ちはよくわかる。昔の僕もそうだったからだ。

だから、まず考えられる自分になる必要があると思う。

そのために、”感情と思考のあいだにワンクッションを挟む”という感覚を持ってみることが大事だと思うんだ。

感情と思考のあいだにワンクッションを

といっても、きっとよくわからない。

僕らには感情があって、それを感じて、どうするか思考して、行動している。

「刺激」と「反応」を思い出してほしい。

今朝僕は「今日は寒いから(刺激)、長袖を着よう(反応)」と思った。

感覚器官(刺激)→感覚器官(伝達)→脊髄(伝達)→大脳(命令)→脊椎(伝達)→運動器官(伝達)→筋肉(反応)

こうして最近まで半袖を着ていたけど、長袖を着ようと思って、長袖を着た。

この感覚を、ちゃんと感じるんだ。刺激(寒い)を感じたときに、いったん、ちゃんと感じる。刺激と同じように感情が動いたときに、反応する前に、思考する前に、ちゃんとワンクッションを挟む。

「お、今寒いって感じてるな私」って。「刺激受けてるなー」って。「感情が動いてるんだな」って。

それから、選ぶんだ。反応を選ぶ。どうするのがいいのか思考するんだ。

寒くならないように、その方法を考えてる。

今は肌寒いけど、日中はまだちょっと暑くなるかもしれないな。半袖の上から長袖シャツを着ようかな。でもロンT1枚でもいい気がするな。

結局僕はジーンズを履いて、半袖白Tを着て、その上からシャンブレーシャツを羽織った。家を出る前はボタンを締めて、今はボタンは開いて文章を書いている。

一瞬の出来事じゃない

カッとなって、とか。感情を抑えられなかったという人がいる。

たしかにそういうときもあるのかもしれない。

でもそれすら、一瞬のうちに普段から慣れている反応を選んでいるだけなんだと思う。

僕らはちゃんと言葉が使えて、言葉で伝えることができる。それなのに感情のままに、自分の思い通りになるように、怒りという感情に、怒ると思考して、怒鳴っているにすぎないと思う。安直な、楽なコミュニケーションの方法を選んでいるんだ。

それ以外の方法を知らない。どこかでそれ以外の方法を考えることをやめてしまったんだ。

さっきのシャツの例を思い出してみる。

寒いなって思って、僕らはたいてい半袖の上に羽織るか。長袖一枚にするか。それとももっと厚手の上着が必要か。だいたいわかる。

慣れているから。もう何年もそんなことを繰り返してきて、肌で感じて、経験から快適な状態がだいたい分かるようになっている。

そこまで考えずとも、一瞬で判断できる。

同じだ。怒るのも一瞬で決めている。

でもシャツを選ぶという一瞬の出来事だって、ちゃんとクッションを挟めた。寒いなって、ただ感じて、感じてるなーって感じて。それから選ぶことができた。

だから一瞬の出来事も、一瞬で思考しないようにできる。

僕は怒らなくなった。シャツを着るという慣れていることから、かんたんなことから、そうやってクッションを挟む練習を繰り返したから。

クッションを挟むことで、怒らなくなることだってできたから、悩むことだってなくすことができる。

僕らはちゃんと反応を選べる、どう思考するかを決められる

悩むときも、同じ。

悩やんでしまいそうな気持ち(刺激、感情)をちゃんと感じる。落ち込む(反応、思考)前に、ただ感じる。

仕事で怒られたとき。うわ、嫌だなって感じてるなーって。

家事をする前、めんどくさいなーって感じてるなーって。

そこにちゃんとワンクッションを挟む。

ここで落ち込むという反応を選べば、僕らは落ち込める。悩むって感情を選べば、悩んでぐるぐるとしてしまう。

「刺激と反応の間にはスペースがある」
『7つの習慣』より

有名な自己啓発本「7つの習慣」に記載されていたフレーズ、考え方だ。

スペースがあるんだ、刺激と反応の間に。感情と思考の間に。だからクッションを挟むことを僕たちは選ぶことができる。

知ったから、選ぶことができる。自分でどう反応するか、どう思考するかを決められるんだ。

だから僕はいったん怒らないし、いったん焦らないし、いったん悩まない。

クッションを挟むことができるようになったから。

クッションはやわらかいから、ちゃんと受け止めてくれる。ぽっ、ってなれる。

それから考えるんだ。どの行動を選びたいかなって。どうすればもっとよくできるかなって。

すぐにはできるようにはならない。だからこれまで悩み続けてきたんだから。

でも僕らにはそれができるよ。

ちゃんと感じて、ちゃんと選んで、ちゃんと決めよう。

できる、できる。まだできないだけ。


悩み続けるあなたへ

いったん悩まないを選ぶ物書きより

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