#さなコンに応募したお話
日本SF作家クラブの小さな小説コンテストというのがありました。
当時、新しい小説教室に通い始めて、はじめてショートショートじゃなく短編小説を書いてみましょう、テーマはなんでもいいです、6月くらいまでに、と言われていて、締め切りが迫っているところに、このコンテストを見つけました。
小説の書き出しだけが決まっていて、あとは自由でした。
朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。
おもしろそうだ、試しに書いてみよう、応募して、そして小説教室にも出してみよう、と思い、最終的に「世界の終わりとペンギンたち」とタイトルをつけた作品をひとつ書きました。世界は終わるけど、絶望的にはしたくなくて、そこは少しだけこだわりました。
ぎりぎりに応募して、それから小説教室にも出して、同じクラスの方々から合評をいただきました。いろんな意見があって、肯定的な感想はひたすらありがたく、そして批評やダメ出しにも全部「そうなんですよね!!」ってうなずきまくるような、とても勉強になる合評で、いろんな感想をいただけたのがとても嬉しくて、わーめっちゃ楽しいわ小説書くの、って思って。それだけでめっちゃ満足してたんです。
pixivにあげた時もちょっとずつ閲覧回数があがっていってて、でも知り合い誰もいないし初めて投稿したのもあって閲覧も微々たるもので、わあ、何人か読んでくれている、ありがたいなあ、ってくらいの感想で過ごしていました。
一次選考を通過したというのがわかって、およそ1000作品から250作品くらい?まで選ばれて、よかった、とりあえず小説のテイにはなっていたのだな、と思い、それでまた閲覧回数が少し増えて、あーよかった、くらいの感じで見ていました。
次に、最終選考のお知らせがありました。何気なく見てみたら、私のタイトルが残っていました。
これにはさすがに驚きました。「たった40作品に!?」残していただけたのです。
めっちゃ喜んで小説教室のクラスの方々にお伝えして、喜んでもらえて、とても嬉しかった。
でも、ここまでだと思っていました。もし、何かいただけたら奇跡だし、そんな甘い世界じゃないって。
結果、最終選考まででした。
SFは読む方ですので、私の世界観が全然できてないってのは最初からわかってました。圧倒的に足りないのは他の世界を構築する力。私の書いたものにはSF的なものが欠けていたし、じゃあSF要素を排除して人間ドラマにするにもツメが甘すぎた。
でも、本当に励みになったのです。なんせ初めて書いたんですから。プロの方に読んでもらえました。すごいことです。
次の目標は、もっとSFを書こう、ってことです。
そして、一次選考を通過した作品全部に、フィードバックコメントをつけてくださっていました。250作品以上にコメントいただけてる!すごいコンテストです。
私のにも、こんな感じで。とても嬉しかったです。
終末に直面した人の心の機微が巧みに描かれています。終わりの日々、自分のすべきことを全うしようとする人々の心のリアリティ。素晴らしかったです。/緊迫する状況から生まれた情景を巧みに取り込みつつ、様々な考えの人たちのそれ ぞれの立場を、さりげない描写と会話で描いています。叫びも慟哭もないのに胸に迫るドラマは見事でした。
選考いただいた方々、読んでいただいた方々、本当にありがとうございました。