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「メグとばけもの」パッケージ版、作ってみました

Odencat代表からのごあいさつ

どうも、OdencatのDaigoです。

Odencatがどういう会社かというと、社長である自分の好きなゲームを作って、なんとかサバイブしているインディー系のゲーム会社となります。なぜサバイブしているのか…それは創作への愛がある一方、ビジネスチャンスも逃さない必死さがあるからかもしれません。結局運の要素は多いのですが、打席に立たないとそもそもその運もつかめないよな、なんて思っているわけです。

さて、ゲームはダウンロードで販売するというのが当たり前の昨今ですが、特に日本ではまだまだ物理ゲームソフトが売れるようです。中古で売ることもできたり、プレゼントにもしやすいし、コレクターアイテムとしての魅力もあったりと、ビジネスとして検討するべき価値のあるものとなります。なにより、開発者としてはやってみたいのがパッケージ版です。

パッケージ版自体はじつははじめてではない

実は去年、北米にて「くまのレストラン+フィッシングパラダイス」を販売しています。

日本では流通していませんが、こちらはそこそこ売れたようできっちり売上となりました。Limited Run Gamesという北米のパブリッシャーを通じて販売したものとなります。2枚組のサントラと説明書みたいなのが特典になっています。パブリッシャー経由で作ったので、売上まるまるもらえるわけではなく、ロイヤリティという形で売上が入りました。

日本でもそのうち出せたらなーと思いつつ、もう少し古いゲームなもので今更出しても売れるのかな?というところで悩ましいところであります。デジタルと違い物理なので、「在庫」という概念があります。つまり、売れなかったら赤字になってしまうこともあるということなのです!おお、恐ろしい…。

絶対買うぜ!という人がたくさんいそうなら作れるかなと思います。「買うぜ」、という気持ちはXをフォローしていただいたり、ニュースレターを購読していただくことで伝わります。ありがとうございます。

「メグとばけもの」パッケージ版を作るぞ!

さて今回、弊社の最新タイトルの「メグとばけもの」をパッケージ化して、今までリーチできていない層にもぜひ「メグとばけもの」を遊んでもらいたい!そういう気持ちでパッケージ版を作ることに決めました。それなりに人気だから、赤字にはならんだろう!という気持ちです。ゲーム機で自分たちのゲームが遊べるだけで感動だったのに、それがお店に並ぶと想像すると夢のようですよね。

夢のパッケージ版

パブリッシャーなしでやってみることに

そして、通常ならパブリッシャー経由でやるのが王道なので、実際まずはパブリッシャーと一緒にやる方向で調整していました。しかし…、これはまた自分の悪い癖なのですが「パッケージ版って実際どうやってつくられるんだろう?気になるぜ!」という気持ちが湧いてきてしまい、「せっかくだから一回自分でやってみたい」ということでセルフパブリッシングという茨の道を行くことに決めました。なんでも自分でやってみるというよくわからない信念があるのかもしれません。なにせ使用しているゲームエンジンすらゼロから作っているものですし。

結論からいうと、大変でした。すでにリリースしてあるNintendo Switchのゲームをパッケージにして売るだけならそんなでもないかもしれないですが、せっかくパッケージにするのだったらいろいろと詰め込みたい!お祭りにしたい!そういうお気持ちがどうしてもでてきてしまって…。

どんなことをやったのか、ざっくり説明いたします。

DLC「ばけものたちの記憶」を先行収録!?

せっかくパッケージで買ったんなら、なにか新しい体験がほしいだろう、と思うのはクリエイターの自然な気持ちかと思います。一番うれしいのはやはりゲームコンテンツの追加でしょう!!ということで軽い気持ちでDLCの制作を決めました。

しかしですね、コンテンツをつくることそのものの大変さもそうなのですが、いままでDLCなんて開発したことも販売したこともないわけです。つまり、DLCをどのようにNintendo Switchで開発し、販売するのかという新しいことを学ぶ必要がありました。パッケージ版を作るだけでも新しいことなのに、「新しいことを同時に2つやる」これは本当に駄目です。基本的にはチャレンジするのは一個だけにするべきです。ですので、今回のOdencatの取り組みはリスキーでしたね。

まさかのCERO C!?CERO Bへの道

パッケージ版を発売するにあたっては、CEROというレーティング機関に、「このゲームは◯◯歳以上対象ですよ〜」お墨付きを貰う必要があります。「メグとばけもの」のDLCは本編と比べてすこしシリアス寄りの話なので、ちょっとアレな表現があったのですが、全然平気だろうと思っていたら、まさかのCERO C!つまり、「このゲームは15歳未満は遊ぶのをオススメしないぜ」という判定が下ってしまいました。

15才以上…少々仰々しい…

おいおい、さすがに、このばけものと少女のやさしい物語が15歳未満にオススメできないなんておかしいだろ!!たまに人間の死体とか出てきたり、◯を◯ったり、人肉缶でてきたりはするけれども、許容範囲でしょ?ということで、いろいろやりあって先輩パブリッシャーのroom6さんにいろいろアドバイスをいただいたりして、なんとかCERO Bを取得しました。あー、大変だった。人間というものは自分のコントロールできない要素に非常に強いストレスを感じるのだな、とひしひし感じました。

えっ、宣伝も全部弊社が!?

そうなんです。パブリッシャーと組めば、そこが宣伝をしてくれるものなんですよ。だから、自分がパブリッシャーをやるということは、宣伝も自分でやらないといけないということ。でもね、うちにお金はないんです。広告出稿する手もあるんでしょうけど、うまくやれる気がしないし、そうなったら潰れちゃうよぉ…。ということで、お金がかからない宣伝をきっちりやるしかありませんでした。ソーシャルメディアの活用は当然として、自分たちならではの施策としてやってみようと思ってやったのは、プロモーションゲームの公開でした。

「メグとばけもの外伝 - パペットたちの記憶」

なんとブラウザから無料で遊べます!「メグとばけもの」本編で語られなかったDLCにつながる内容が楽しめちゃいます。まだ遊んでいない方はぜひ遊んでみてください、10分程度のゲームです。無論、ゲームの内容そのものはプロモ色はなく、きちんと我々が見せたい「メグとばけもの」のサイドストーリーを見せているのですが、注目するべきはクリア後です。「必死だな」、と思われた方もいるかも知れませんが、やれることをすべてやることはなにも恥ずかしくないのです。このあたりはバランスの取り方なかなかむずかしいですよね。ちなみに、猫の願いが叶うならという無料ブラウザゲームの評判がめちゃくちゃよかったので、同じ技術で作られたゲームです。無料なんだから1000万人くらいに遊んでほしいものですね。長編開発してると辛いので、気楽にこうやってWebでゲーム出せるのもいいななどと思ったりします。

えっ、豪華特典版の内容も弊社が決めたり作ったりするの??

豪華特典版、誰かが全部やってくれるんじゃないか、そういう淡い期待をしている時期が私にもありましたが、そうはいきませんでした。もちろんグッズ会社の方をはじめ協力してくれる方はたくさんいるのですが、最終的にどういうグッズにするのかというディレクション、描き下ろしの有無の判断などなど自分たちでやらなければなりません。パペット人形はだいぶグッズ会社がやってくれていますが、アートブックやサントラ、箱のデザインや封入特典など、負担がめちゃくちゃ大きい!しかもこれだけがんばっても売れなければ赤字になることすらあるわけです。それって辛すぎる〜!社長やめたい!!そんなことを思いながら日々を過ごしていました。そんな大変な日々の結果、無事予約販売の立ち上げにこぎつけました。

ドドン‼️

血と汗の結晶…!これが「メグとばけもの」豪華特典版だ!

パッケージ版先行収録のDLCのほか、パペット人形やらアートブックやら、サントラやらいろいろつきます。これだけついて8,800円(税別)。こちら初回限定になるので、今週で生産数決めちゃいます。ほしい方はお早めに、お早めにというか今日明日で購入をご検討いただければ幸いです。

メグとばけものパッケージ版特設サイトはこちらから‼️

(社長本人が頑張って作りました。FlexレイアウトとかHTMLもいろいろ便利になってるんですねぇ…)

ということで、来年の発売日まで油断できませんが、引き続き頑張って行きます。またリリース後にお伝えできることがあればしていこうかな?

それではよい一日を!

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