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ー詩と形而上学ーNo.28


無矛盾



違う
間違う
すれ違う
この時代の
酸素が馴染まない
君はとても器用だね
効き過ぎた空調機のよう

八月の高い空の天辺
鹿の骨が、割れたような青
金曜日が遠く望ましい憂鬱ならば
快く蝉の足跡の六角形の名残になろう
ザッハトルテの、表面のチョコレートの艶で
        甘美な祈りの外れた音階で
           二度と戻らぬように
          
                                                       無理矢理に
               生かされる
               最後の抒情

     疑いようのないものを探し続けて
     疑う事が紛うことなき真実になり
     未来を不確かなものとして退ける

こめかみから
あの夏の痛みを覗いた
顕微鏡の軋み

本蘭明朝体で、天国の出納帳に
書き込まれて、計上されて、決算されて
望むことのコスト
どうでもいいと
       白い野兎の仮勘定をして
締める
   締結する
       永遠性を粉飾した青色を

空が完璧に青かったことを隠蔽しながら
コピー用紙の裏側に描かれた窓の輪郭が
嘗ては天井の隅の電源コードにも
         自由があったと囁く

飛行機の
主翼の揚力も
必要なく

          無重力
                                  無矛盾な
                                  気分のままで




Written by Daigo Matsumoto

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