ー詩と形而上学ー20.0
青い絲
水銀灯の影
過剰な情動の
底のない気配
烏を随分と見ていない
傘はとうに朽ちている
必然的に散るものよ
受け止める前に消えた
葉脈を模った銀
かたちのない軌跡
宙に咲いた青灰
充実した無
宿命づけられた
唐突な韻律
砂と泡硝子
取り憑かれている
大地とは程遠いものよ
細やかな瘡蓋
剥がれる膜
茎と血
脱ぎ捨てられた
昼の痕跡
重なった掌の
汗腺を辿って
溶けていった繭
裏腹に結ばれて
縫いつけられた
二重の波紋
その青い絲
Written by Daigo Matsumoto