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大吟醸トラベル

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そういえば昔、旅をして文章を書く人になりたいと思ってた。◆旅のGoogle My Mapはこちら、 https://www.google.com/maps/d/u/2/edit?…
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#美しい

58:スキーをしながら見下ろしたツェルマットの街

 スキー場の匂いが好き。木と水分が合わさった、しっとりと落ち着いた空気に満ちてるから。  スキーで好きなのは、斜面を滑り降りる時に自然と一体になっている気がするから。おごりで構わない。山頂に立った時、カーブを曲がった時に見える街の景色も好き。この街でも、そうした忘れられない景色があった。  スキーの道具は持って行ってなかったから、全部借りた。ウェアも含めて一万円くらいだった気がする。ツェルマットのスキー場は最初にゴンドラに乗って、一気に上がるタイプ。そこにレストランと大中

58:マッターホルンがすぐそこだったツェルマット

 スイスでツェルマットに行ったのも思いつきだった。  チューリヒやベルンなどに行ってみたけど、もともと人口も少なく落ち着いた印象のスイス、しかも冬だったからさらにヒマに感じた。学生だったし。  そんな時、駅でスキーウェアとスキーブーツのまま、バックパックの両サイドに一本ずつスキー板をぶっ刺して電車に乗り込む地元民を見た。スキーしようか?どこがいいのかな?インターラーケンなら知っていた。でも、せっかくスイスだから、ついでにいかにもなマッターホルンを見ようか。そんな乗りで出発

62:ヴェネツィアへ渡る橋は千と千尋の電車だ

 いつか海に沈む街。そんな風に表現されるヴェネツィアだけど、本当の本当にロマンチックだと思う。あんな超がつく観光地で混み混みなのに、不思議と作り物っぽさが薄い。なんでだろうなーと思い出している。  ヴェネツィアについて思い出すことはたくさんあるのだけど、最初にギョッとしたのはヴェネツィアに入るために渡った橋だった。  ヴェネツィアは小さな島の上にある都市なのだけど、今は橋が架けられ車や電車で渡ることができる。私たちは電車だった。その時に見た光景は、今思えば『千と千尋の神隠

61:ヴェローナは恋の街

 ベローナ?ヴェローナ?この街を訪れた理由は、ガチで途中下車の旅だった。  寄る予定はなかったのに、ミラノからヴェネツィアに行く途中、ガイドブックを読んで気になった。『ロミオとジュリエット』の街らしい。でもシェイクスピアは一度もこの地に来たことはないらしい。そういうの好き。作家の想像というか妄想力を知ることができるから。  でも着くなりいきなり感動した。街を歩いていたら大きな砦が見えたから。ずっとつながっていて高さがあったから砦か城壁かと思ったんだけど、実際のそれは闘技場

63:ローマは今でも古代ローマの匂いがする

ローマのことを考えた。なんでだろう。  “すべての道はローマに通ず”という有名な言葉を知った時は、まだローマを紙の上でしか知らなかった。だから「結構なことを言うね」と思っていた。だって遺跡なんて日本にもある。だけど、実際に街を歩いてみたらやばかった。  そこら中にある遺跡は、そのどれもが巨大。その前に街も広大だった。観光客もたくさんいるんだけど、遺跡の大きさに比べたら人なんて皆アリレベル。ちっぽけだった。  目の前にコロッセが見えた時の半端ないワクワクは今でも忘れられな