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62:ヴェネツィアへ渡る橋は千と千尋の電車だ
いつか海に沈む街。そんな風に表現されるヴェネツィアだけど、本当の本当にロマンチックだと思う。あんな超がつく観光地で混み混みなのに、不思議と作り物っぽさが薄い。なんでだろうなーと思い出している。
ヴェネツィアについて思い出すことはたくさんあるのだけど、最初にギョッとしたのはヴェネツィアに入るために渡った橋だった。
ヴェネツィアは小さな島の上にある都市なのだけど、今は橋が架けられ車や電車で渡ることができる。私たちは電車だった。その時に見た光景は、今思えば『千と千尋の神隠し』で千とカオナシが乗ってた電車によく似ていた。
リベルタ橋という。
線路はちゃんと海面から出ているし、途中に駅はないしで違うと言えば違う。だけど、イタリア本土からベネツィアへと行き来するために3850mにも及ぶ一本橋がかかっているんだよね。当然、両側は大パノラマ。海以外に何もない。それが本当に美しかった。
って、この時は映画は公開前だったんだけどね。
調べてみたら、リベルタ橋というのは鉄道橋と平行して架かっている自動車用の橋のことみたいで、なんとこちらはムッソリーニが開通させたらしい。教科書に載ってる人。私たちが通った鉄道橋が開通したのは、1846年。十一代将軍・徳川家斉の時代だ。日本で最初の鉄道が開通するより三十年も早く、この街には鉄道が通っていたんだね。
これを渡りきると羽が生えたライオンのシンボルがたくさん掲げられた街につく。テキサスやケベックに入ると急に国旗よりも州旗が目立つようになる感じに似てる。そんなことを考えていた。