段落番号入力マクロ
(1) マクロが解決しようとする課題
特許出願書類の明細書において、【0000】の形式で段落番号を連番で付与する必要があります。しかし、段落番号を手入力するのはとても面倒です。
今回ご紹介するマクロは、Microsoft社のWordで「段落番号を入力する」作業を自動化することを目的とします。
(2) 課題を解決するための手段
段落毎に【0000】(0000は任意の4桁全角数字)が記入されていることを前提に、【0000】の形式で段落番号を連番で付与するマクロは、例えば、以下の具体例1のように記述できます。具体例1では、無限ループ防止策として、段落番号が1000になったら、ループを抜けるように記述しています。段落番号が1000を超える場合には、修正が必要です。
【具体例1】
Sub 段落番号()
Dim N As Long
N = 0
'カーソルを先頭に移動
Selection.HomeKey Unit:=wdStory
'【4桁全角数字】を検索する
Selection.Find.ClearFormatting
Selection.Find.Replacement.ClearFormatting
With Selection.Find
.Text = "[【]([0-9]{4})[】]"
.Replacement.Text = ""
.Forward = True
.Wrap = wdFindStop
.Format = False
.MatchCase = False
.MatchWholeWord = False
.MatchByte = False
.MatchAllWordForms = False
.MatchSoundsLike = False
.MatchFuzzy = False
.MatchWildcards = True
'繰り返し処理
Do While .Execute
'Nをインクリメント
N = N + 1
'4桁の全角連番に書き換える
Selection.Text = "【" & StrConv(Format(N, "0000"), vbWide) & "】"
'無限ループ防止 Nが1000を超えたらループを抜ける
If N > 1000 Then
MsgBox "残念失敗!"
Exit Do
End If
Loop
End With
Selection.Find.ClearFormatting
End Sub
(3) 変形例
上記マクロは、適宜処理条件を変更して使用可能です。
例えば、英文原稿に用いる[0000]の形式で段落番号を連番で付与するマクロは、具体例2のように記述できます。
【具体例2】
Sub 半角英文段落番号()
Dim N As Long
N = 0
'カーソルを先頭に移動
Selection.HomeKey Unit:=wdStory
'[4桁半角角数字]を検索する
Selection.Find.ClearFormatting
Selection.Find.Replacement.ClearFormatting
With Selection.Find
.Text = "[\[]([0-9]{4})[\]]"
.Replacement.Text = ""
.Forward = True
.Wrap = wdFindStop
.Format = False
.MatchCase = False
.MatchWholeWord = False
.MatchByte = False
.MatchAllWordForms = False
.MatchSoundsLike = False
.MatchFuzzy = False
.MatchWildcards = True
'繰り返し処理
Do While .Execute
'Nをインクリメント
N = N + 1
'4桁の半角連番に書き換える
Selection.Text = "[" & Format(N, "0000") & "]"
'無限ループ防止 Nが1000を超えたらループを抜ける
If N > 1000 Then
MsgBox "残念失敗!"
Exit Do
End If
Loop
End With
Selection.Find.ClearFormatting
End Sub
(4) 効果
マクロを実行することで、段落番号を入力する作業を自動化できます。
よく使用するマクロは、ボタンに割り当てておくと便利です。ボタンにマクロを割り当てる方法は、Microsoft Officeのサポートのウェブページ(こちら)をご参照下さい。
VBAを用いたマクロの基本事項 、マクロの記録方法、マクロの編集方法 を別の記事に記載していますので必要に応じてご参照下さい。
(5) 免責事項
この記事に掲載されているマクロは、適宜編集してご利用いただけます。マクロをご利用される際は、壊れてもよいファイルを用いて、動作を検証して下さい。マクロをご利用されるかの意志決定は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
この記事に掲載された情報及び内容に誤りがあり、万が一それによる被害・ 損害等が発生したとしても、一切責任を負うものではありませんので、ご了承ください。
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