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運動麻痺だけじゃないって話〜皮質網様体路編③〜

1)歩行能力と皮質網様体路の関係性

前回のnoteで

皮質網様体路が体幹・四肢近位筋を支配

していることを文献を交えて紹介しました。

また皮質網様体路が残存している症例において

歩行獲得が可能であった報告を紹介しました。

今回は皮質網様体路と歩行能力の

関連を示した文献を交えお話ししましょう。

英語論文をgoogleで翻訳して、

とかのへんてこな訳し方なので

読みづらいと思いますがすいません。

では紹介していきます。


2)被殻出血を伴う片麻痺患者における皮質脊髄路の損傷および皮質網様体路の特徴

Yoo JS, Choi BY, et al. BMC Neurol. 2014; 14: 121.

◇ 対象:

被殻出血を伴う57人の患者と対照群57人

◇ 方法:

皮質脊髄路(CST)または

皮質網様体路(CRP)の損傷を

神経路の中断または異常なDTTパラメーターで判別。

運動評価はMotricity Index,

the modified BrunnstromClassification

歩行能力はFACを採用

◇ 結果:

全体の57例中,CSTの損傷は41例(71.9%)、

CRPの損傷は50例(87.8%)

両方の損傷は 37 症例 (64.9%)

皮質脊髄路+皮質網様体路損傷群は,

A群:両方損傷なし

B群:皮質脊髄路のみ損傷

C群:皮質網様体路のみ損傷群

より

上下肢・手指の運動機能が不良で,FAC不良

A群と B・C群で運動機能・FAC で有意差なし

◇結語:

・皮質出血例の多くは皮質脊髄路損傷と

 皮質網様体路損傷を伴うことが多い

・この経路の損傷を脳画像にて把握することは

 歩行機能の予後を予測するのに有効である

3)慢性脳卒中における皮質網様体路の機能的役割

Sung Ho Jang,et al:

Functional Role of the Corticoreticular Pathway in Chronic Stroke

 Patients.Stroke.2013;(44):1099-1104

◇ 対象:

一側皮質脊髄路(CST)を完全に損傷した

慢性期脳卒中片麻痺患者54名と健常者20名

◇ 方法:

歩行能力の測定はFAC

皮質網様体路(CRP)とCSTの線維量を

拡散テンソル画像で計測

◇ 結果:

非損傷半球のCRPの線維量と

FACスコアの改善が有意に相関

損傷半球のCRPとFACスコアは相関なし

CSTの線維量とFACスコアの改善は相関なし

◇ 結語:

・非損傷半球におけるCRPの線維量の増加

 慢性脳卒中患者の歩行能力に関連している

 ことが考えられる。

・非損傷半球におけるCRPの代償

 脳卒中後の歩行能力の回復のメカニズムの1つ

 であると思われます。

4)まとめれるかな・・・

うまいこと言えるかちょっと自信ないですが

前回投稿の2文献でわかったのは

まずは皮質網様体路が近位筋を

支配・制御していることでした。

そして皮質網様体→網様体脊髄路は

無意識下の歩行・姿勢にかかわるとされています。

そして、実際に被殻出血患者対象では

皮質脊髄路・皮質網様体両方を損傷した場合に

運動機能やFACが低下していることから

遠位筋の麻痺が重度の場合でも

やれることはまず

① 脳画像で損傷の程度の予測

② 長下肢装具着用下での立位・歩行訓練にて

  体幹・近位筋による姿勢制御が良好かどうか

を早期に見ておくことが、

歩行の予後予測の一つに

なるのではないでしょうか。




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