『浮遊霊ブラジル』読書感想
「浮遊霊ブラジル」 津村記久子著
「地獄」
という一編がある。
タイトルは重たいが、軽やかだった。
冒頭で主人公がいきなりバスの事故で死ぬ。
その後の地獄での生活がメインで描かれている。
主人公と、一緒に死んだ友達がおしゃべりすぎる故に落ちる地獄で過ごす日常
その中で、主人公はこれまでの人生でとにかく物語を食い散らかしてきていると思い返すシーンが出てくる。
どんだけ、あらゆるジャンルの物語を食い散らかしてきたかを畳み掛けるように主人公が語る。
私はこの主人公に憧れてしまった。
アマプラでさえ映画を観るのを躊躇してしまうし、アニメや小説も一話完結ものや
読み切り、軽めのエッセイをつい手に取ってしまう。
物語が足りていない。
物語をすごい勢いで食い散らかすのが今年の目標である。