売りたければ数字にこだわってはいけない。なぜか?
こんにちは、営業コンサルタントのダイキです。
今回は「営業における信頼関係構築の重要性」というテーマについて、私の経験と見解を交えてお話ししたいと思います。
多くの企業で、営業部門の評価は主に数字、つまり売上や成約率などで行われています。確かに、これらの指標は重要です。しかし、本当に優秀な営業マンは、単に数字を追いかけるだけでなく、顧客との信頼関係構築に力を注いでいるのです。
なぜ信頼関係が重要なのでしょうか?
長期的な取引につながる
顧客満足度が高まる
紹介や口コミが増える
価格競争に巻き込まれにくくなる
これらの利点は、短期的な数字には表れにくいものの、長期的には企業の成長に大きく貢献します。
私が以前コンサルティングを行った製造業の会社での事例を紹介しましょう。
この会社には2人の優秀な営業マンがいました。Aさんは常にトップの売上を誇る敏腕営業マン。一方、Bさんは売上では中程度でしたが、顧客からの信頼が厚く、長期的な取引を多く抱えていました。
ある日、業界全体が不況に見舞われました。多くの企業が発注を控え始める中、Aさんの売上は急激に落ち込みました。新規開拓が難しくなったのです。
しかし、Bさんの売上は安定していました。なぜでしょうか?
それは、Bさんが長年かけて構築してきた顧客との信頼関係が功を奏したのです。不況下でも、顧客はBさんとの取引を継続。中には「他社との取引は縮小したが、Bさんとは続けたい」という声も聞かれました。
この事例が示すように、信頼関係の構築は、景気に左右されにくい安定した営業基盤を作り出すのです。
では、どうすれば顧客との信頼関係を構築できるのでしょうか?以下に5つのポイントを挙げます。
約束を必ず守る
小さな約束でも必ず守ることで、信頼性を高めます。誠実なコミュニケーションを心がける
都合の悪いことでも隠さず、正直に伝えることが重要です。顧客の立場に立って考える
自社の利益だけでなく、顧客にとって何が最善かを常に考えます。専門知識を磨く
自社製品だけでなく、業界全体の知識を深めることで、的確なアドバイスができるようになります。アフターフォローを徹底する
販売後のフォローを丁寧に行うことで、継続的な関係を築きます。
これらの行動を日々積み重ねることで、顧客との間に強固な信頼関係を築くことができるのです。
ここで一つ注意点があります。信頼関係の構築は、決して売上を度外視して行うものではありません。むしろ、信頼関係を基盤として、より大きな、そして持続的な売上を目指すものなのです。
私がよく営業チームに伝える言葉があります。
「今日の数字のために信頼を失うな。信頼こそが明日の数字を生む」
この言葉は、短期的な成果と長期的な関係構築のバランスの重要性を表しています。目の前の売上だけを追いかけるのではなく、顧客との信頼関係という資産を築くことが、真の営業力なのです。
皆さんも、日々の営業活動の中で、数字だけでなく信頼関係の構築にも目を向けてみてください。きっと、新たな営業の可能性が開けるはずです。
それでは、次回のメルマガでまたお会いしましょう。
営業コンサルタント ダイキ