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赤ちゃんをジャンプするヘビに乗せて

赤ちゃんが笑ってくれるのはうれしい。
基本的に少し驚かせるようなことや、想像を超えたことをすると笑ってくれる。

「わーー!」

「…」

「あれ?」

遊園地のフリーフォールのごとく、赤ちゃんを抱っこして、急にしゃがみ込み、床に寝かせる寸前のところでピタッと止めると、見ている人からしたら少し危なっかしいのだが、これをやると赤ちゃんはすごく笑った。この前は。

さっきやったけど、もうあの時ほど笑ってくれない。全く笑わない訳ではないのだが、
「せっかくこれだけやってくれてるのに、流石に全く笑わないのはな。」
と本当に思ってるんじゃないかというぐらいの笑顔をする。
「えへっ」と笑い声まで少し出してくれて、気を使わせている。

でもフリーフォールをやっている自分も、あの時やった時と、さっきとでは、気持ちがまるで違う。
初めてやったあの時は、自分自身もなんだか楽しかった。
さっきはぼく自身もそんなに楽しくなくフリーフォールをしていた。
本当のフリーフォールのように、人を乗せて、決まった動きをする機械と化していた。
もしJYパークさんが見ていたら、「感情の表現を磨くべきです。」と言われそうなパフォーマンスをしていた。

もしかしたら、赤ちゃんは驚いて笑っていたのではなく、やってる本人が楽しんでいないから、あまり笑っていなかったのかもしれない。

うろ覚えなのだが、人は怒られると、怒っている人の脳の同じところが自分も反応して、つい怒ってしまう、というのを何かの本で読んだ。夢かもしれない。
それはつられて笑ったりするのも同じだ。もらい泣きもそうだ。



今日は赤ちゃんをぬいぐるみに跨がせて、スーパーファミコンのドンキーコング2ごっこをした。
ランビというサイに乗ると、ハイスピードで敵を薙ぎ倒しながら、進むことができる。
ラトリーというバネのようなヘビに乗ると、すごく高いところまでジャンプすることができる。
そのジャンプをする時に、「フォーンフォンフォンフォンフォンフォン」という音と共に踏ん張り、「フォーーーン」と高く跳ぶのだが、それも声に出して行った。

赤ちゃんは笑っていた。
ぼくも楽しくて笑った。


GAME OVER

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