PT教育について2

こんにちは。皆さん仕事にプライベートに楽しんでいますか?先日掃除をしていると昔の懐かしい写真が出てきました。旅行や飲み会で楽しそうにする写真をみて「これが当たり前にできていたCOVID-19目の世界」を懐かしく・不思議な気持ちで思い出しました。医療従事者の皆さんは特に不自由な生活を送っていると思います。早く旅行や飲み会を楽しめる世の中が戻ること、このような状態でも少しでも楽しみをみつけることができたらよいなと思います。話はそれましたが今回は養成校指定制度改正によって臨床実習にはどのような影響が生じているのかをみていきたいと思います。


臨床実習の問題点


今回の改正前で問題とされた点は大まかに3点だと思います。①学生への過負荷②無資格診療による対象者への不利益③実習指導者の適正。これらを是正することで各施設における教育体制を統一していきたいという狙いがあるようです。①に関しては学生の自殺が大きなきっかけになっています。この出来事が起こる前も実習では「課題が多すぎて寝られない」「実習指導者の対応が理不尽でつらい」という話は多く聞かれていましたが、具体的な対応はなされていなかったように思います。②に関しては医学生の間で1960年代後半に問題視され制度が見直された問題に似ているように思います。理学療法・作業療法が行うことができるのは医療行為ではなく診療補助行為のみで元々リスクが高いものではなかったことが、ここまで注目を集めなかった要因ではないでしょうか。③に関しては実習指導に限らずリハビリに関連する永遠のテーマな気がしています。


改定の内容


問題①に対して

:実習の1単位(1週間)が40時間以上45時間以内と上限が設けられたことです。(これまでは40時間以上のみでした)これにより週5日の実習で1日平均9時間以内で実習を終えることが必須となりました。この9時間にはフィードバックや指導者から課される課題の実施時間も含まれるとのことです。「学生の睡眠時間を確保し臨床での実習に集中できるようにすること」「実習期間中に自由に使える時間を作って学生が課題に追われることなく自分で勉強したいと思うことを勉強できるようにすること」などが目的として挙げられているようです。

問題②に対して

:学生が行うことのできる行為は、1)あらかじめ患者に同意を得た上で2)臨床実習指導者の指導・監督の下3)事前に養成施設と臨床実習施設において心身の侵襲性がそれほど高くないと判断した行為についてとされました。また、臨床実習前に実習生の技術等に関して、実技試験等による評価を行い、直接患者に接するに当たり、総合的知識及び基本的技能・態度を備えていることを確認する必要があるとのことです。臨床参加型実習の推奨もこれにあたると思います。

問題③に関して

:臨床実習指導者の要件が変更になりました。これまでの要件には実務経験の年数のみがきていされていましたが今回の改正では厚生労働省が主催する講習会への参加が義務付けられました。


まとめ


今回の改正では弱い立場になる傾向にある学生・症例を守る内容が多かったように思います。実際の現状や社会的背景をみても妥当な改正だと思います。しかし、この内容の捉え方によっては新たな問題が生じるのではないかと疑念も感じます。大枠での規則改正を個人個人が現場でどのように実践できるかが課題になっていくのだと思います。