(本の要約2)エッセンシャル思考
エッセンシャル思考とは、99%の無駄を捨て1%に集中することとされています。相手の顔色や状況を優先するがあまり、自分がなんのためにやっているのか、ふと考えさせられることはないでしょうか。この状態を非エッセンシャル思考といい、エッセンシャル思考では「やらなくては」を「やると決める」、「どれも大事」を「大事なものは滅多にない」、「全部できる」を「なんでもできるが、全部はやらない」と置き換えるとしています。
エッセンシャル思考とは何か
あれもこれもたくさんの事を求められるようになり、その期待に応えようとするがあまり、目先の仕事を片付けることが目的となり、心の余裕も、時間的な余裕もなくしてしまうことがあります。
必死に頑張っているのに、なぜこのような事が起きるのでしょうか。この状態を「成功のパラドックス」といい、努力家ほどやりたいことができなくなることです。
1.目標を見定め、まっすぐに進む。
2.成功した結果、頼れる人という評価を得る。
→あの人に任せておけば大丈夫となる
3.やることが多すぎて時間とエネルギーが拡散される。
→疲れるばかりで、どれも中途半端になる
4.本当にやるべきことができなくなる。
→成功したせいで、方向性を見失う
5.規律なき拡大路線に陥る
この状態をどうエッセンシャル思考に変えると。
1.選択する
→私たちは時間とエネルギーの使い道を選ぶ事ができる(やらなくては→やると決める)
2.ノイズ
→大半のものがノイズであり、重要なものはほとんどない(どれも大事→大事なものは滅多に無い)
3.トレードオフ
→全てを手に入れることはできない(全部できる→なんでもできるが、全部はしない)
しかし、そんなに簡単に選ぶことはできないと誰もが思うでしょう。追い込まれていれば、いるほどそうだと思います。
ですがこれこそが思い込みで、「自分には選ぶ権利」があるのである。
エッセンシャル思考は自分の選択を取り戻すための道のりである。
選択に直面した時は、
・なぜやるのか?(正しい理由)
・いつやるのか(正しい時期)
・何をやるのか(正しいこと)
この3点が重なる点こそが最高の成果を発揮する部分である。
それでも難しいと思うこともありますが、認められることより、自分の時間を大切にする人生を選ぶため決断するのです。
イメージすると、同じエネルギーを持つとして、自分から多数の矢印が多方向へ向かっているのと、一本の矢印が一方向にのみ出ているのでは、どちらが遠くへ到達するだろうか。もちろん一本の矢印です。
大切なものだけを選ぶ
正しいことを、正しい時に、正しい方法でやることです。何が正しいか選択する際の基準は90点ルールです。90点未満は0点と同じと考えます。基準がなければ、無駄なことに振り回させるだけであり、得意なことを追求することで自分の強みが増します。90点を出せる選択でなければNoと言う選択をしましょう。
漫画では学級新聞を作るのが得意であった先生に他の学級の先生からも作って欲しいと依頼される。ただ受け入れていては、無駄なことに振り回されると考えた先生は、素材を提供してくれればやると答えた。しかしこれが90点以下の選択である。結局素材は集まらず、先生は作ることはできないと断る判断をする。そうすると自分たちに作り方を教えてほしいを頼まれるのである。
自分で作っては90点以下だが、作り方を教えて作ってもらうことにより90点以上の成果を出す事ができたのである。
またここではきちんと断ることが、思いもしない展開を生みました。他の先生たちも90点以上の選択をしたのです。
大事なことは「絶対にイエスと言い切れないなら、ノーだ」と考えることです。
仕方なく消去法で選ぶのではなく、選びたいから選ぶことです。
本質目標を見つける
物事に取り組む時必要なことは、本質目標です。
目標には様々あります。価値観のようなもの、具体的だが魅力のないもの、刺激的だが具体性のないもの。本質目標とは、具体的かつ刺激的なものです。実際本誌では、新聞作りを他の先生も始めたため、作っていないクラスの生徒に主人公の先生が責められていき、新聞作りさえなかったらと考えた先生は、主人公の新聞作りを始めた先生に苛立ちを覚えます。そして次のイベントである、音楽会で勝負しようと持ちかけるのです。
それに便乗してしまうわけですが、子供たちはうまく一体になりません。「誰かに勝つ」ということこそが、刺激のない目標になっていたことに気付きます。そして音楽会の目標は「みんなが音楽を楽しむ」ことだと気づき、好きな楽器を弾かせることになるのです。
本質的目標にはついては、以下で詳しく記載があります。
本質目標を考える上で、細かい言葉に囚われてはいけません。「もし一つのことしかできないなら、何をするか」と考えてみると良いです。
サンクコストバイアス
望みのない投資を重ねてしまう心理的傾向である、サンクコストバイアスがあります。多額の投資を続けるが回収できる見込みはなく、しかしこれまでの投資額を考えるとやめることができない状況です。その時は「もしまだこのチャンスが手に入ってなかったら、手に入れるためにいくらコストを払うか?、どんな犠牲を払うか」を考えてみましょう。何かをやめることはそう簡単ではありません。今までの努力が無駄であったと思う気持ちはよくわかりますが、自分の失敗を認める事も成功への近道です。
今、この瞬間を生きる
人はたくさんのスケジュールを抱えながら生きていきます。仕事をしながら晩御飯の事を考えたり、食事をしながら明日の仕事のことを考えたり…。そうした結果全てが中途半端になってしまいます。
エッセンシャル思考とは一つのことに集中しておらず、何もかもに時間がかかってしまうことが原因だとしています。
まず第一に「今、何が必要か」を考え、それ以外のものは排除することが必要です。
例えばスマホの電源を切る、ひとりの部屋に移るなど。そして「未来を頭に入れない」こと。「優先順位をつける」こととしています。「今すぐ必要ではないが重要なこと」、「この先やりたい事」をリストアップすることも有効です。これは7つの習慣でも出てきたことです。
本を読む時は、読むことに集中することで読む時間が短くなりますが、あれこれ考えながらだと結局は頭に何も入っていなかったり、時間もかかってしまいます。
完璧を目指すより、まず終わらせろ
大きな事を時間をかけて成し遂げるより、小さな事を繰り返しやり遂げる方が進歩を感じる事ができます。例えば試験で合格点をとると言う大きな目標より、まずある単元で合格点を取る、もっと細分化すると、今日はこの数問を解けるようにすると小さな目標を日々達成するのです。日々のささやかな進歩が飛躍的な達成へと繋がるのです。締め切り間際になんとか終わらせるのではなく、早く小さく始めて軽い負担で終わらせるのです。「今すぐできる最小限の準備はなんだろう」と考えてみましょう。また日々の進歩は見える化することが有効です。チェック表やスタンプなどで見える化することで、自然に良い行動が身についてきます。
本質を知り、本質を生きる
エッセンシャル思考を続けると、自分のために使える時間が増え、自分の求めていることをする決断ができるようになります。そして人生が変わっていくのです。最小の時間で、成果を最大にする、これがエッセンシャル思考です。
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