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商品ブランディングとは?ユーザーに選ばれる商品・サービスには理由がある
「なぜ、あの会社の商品やサービスは熱狂的なファンに支持され続けているのか?」と思ったこと、ありますよね?
商品やサービスを開発する時、「良いものさえ作れば売れるはず」という視点だけで、機能性やスペックを追求しがちですが、他にも大切なことがあるのです!
それは、価値の意味づけをしっかりと行うこと。そう…。
商品ブランディングと言われる手法です。
この商品ブランディング、商品やサービスを使うターゲットからの信頼や愛着を得るために重要なのですが、開発時、意外とユーザーとの視点の違いに気づいていない会社が多いのではないでしょうか。
今回は、そんな価値の意味づけを行って、ユーザーやファンを増やす商品ブランディングについて、弊社アドハウスパブリックのクリエイティブディレクター・吉野竜也さんに語ってもらいます!
クリエイティブディレクター・吉野竜也
新潟県新潟市出身。市内のデザイン会社で、酒造・製菓メーカーなどの食品パッケージや、洋食器メーカー・金融機関などの販促物にデザイナーとして10年携わったのち2000年に入社。大手の通信会社・生命保険会社・総合商社・シネコン運営会社など、多岐にわたるさまざまな業界の広告・販促物の企画立案・デザイン・編集・ディレクションを行っている。
商品ブランディングをする意味とは?
ブランディングと言っても、いろいろな種類がありますよね。
以前、弊社の社長の関本がnoteで書いた〝パーパスブランディングとは〟も、その1つです。
では早速、商品ブランディングの話を始めましょう!
・ ・ ・
現在の世の中は、同じような性能のモノや、似たようなサービスで溢れ、機能性やスペックだけでは差別化が図りにくくなっています。
そんな今だからこそ、商品ブランディングが効果的なのです。
商品ブランディングとは、商品・サービスがユーザーに選ばれ続けるためのブランド戦略の1つ。
今、商品やサービスを通して、どう世の中の役に立てるのか、そして、その想いをどう明確にして売り出して行くのかが、最も大切な時代になっています。
よく〝共感〟なんて言葉を聞きますよね?
今のユーザーにとっては、
「共感してもらえるものか」
「信頼できるものかどうか」
という感情的な価値が、大きな魅力の一つとして響くのです。
事例を挙げると、世界的に有名な緑色のロゴの某コーヒーショップがわかりやすいでしょうか。
そこに足を運ぶ人の多くは、「ノドが渇いた」という衝動でコーヒーだけを求めに来る方ばかりではありません。「ここでコーヒーを飲んでほしい!」というお店のプロモーションを見たから入った、というわけでもありません。
「このお店でコーヒーを飲みたい」という〝指名買い〟でコーヒーを求め、お店でのひと時を楽しみます。
では、なぜ自分の意志でわざわざ〝ここ〟を選んで来たのでしょうか。
某コーヒーショップは、ユーザーに豆とか淹れ方とか、ラインナップにこだわった美味しいコーヒーを提供しているだけではないのです。
自分らしくいられる、家でも会社でもない、居心地の良い〝第3の場所(サード・プレイス)〟を提供しているのです。
そこに共感を持った顧客が根強いファンとなり、時代や流行りに左右されないブランドを築いたのです。
つまり、商品ブランディングとは、ユーザーから共感や信頼を得る商品やサービスを作ることと言えますね。
ユーザーに選ばれ続ける商品・サービスには、それだけ魅力的な理由があります。商品ブランディングで価値の意味づけがちゃんとでき、魅力を上手くアピールしていくことが重要になるのです。
商品ブランディングの組み立て方
では、実際に商品ブランディングはどのように組み立てて行くのか?価値の意味づけはどうやっているのか?
弊社アドハウスパブリックでの進め方を例に、ご紹介していきましょう!
【ヒアリング】
商品アイデアの構想、ビジョン・想いのヒアリング
↓
【顧客接点イメージ】
ターゲットを割り出す
営業方法、商品特徴、原価・価格
↓
【差別化ポイント構築】
独自のストーリーヒアリング
強みの割り出し打ち出し
↓
【コンセプト決定】
↓
【ブランドデザイン設計】
↓
【営業・広報戦略】
↓
【実行サポート】
↓
【ローンチ】
このように、商品ブランディングを行う場合は、新しい商品やサービスの開発段階からサポートし、組み立てを行っていきます。
クライアントと一緒になって、商品やサービスを提供する価値の意味を徹底的に磨き、戦略を立てたりプロモーションを行ったりしながら、魅力的なモノづくりのお手伝いをしているのです。
「商品を作る段階から、ブランディングは必要なのか?」
と思われる方もいるかもしれませんが、私たちアドハウスパブリックは「必要だ」と考えています。
なぜなら、作り手や売り手側の意見だけでは、自分たちの都合や考えを優先した発想になりがちです。だからこそ、商品を作る段階からしっかりと買い手側のユーザー視点で興味を惹き、共感を得られるものを作り出すことが大切と考えるからです。
そのためにも、私たちがクライアントと〝協働〟して、一緒に組み立てていくことが必要なのです。そして、上記の流れにはありませんが、商品ブランディングを含めブランディングのご依頼を受けた場合は、まず社内でチームを作ります。
アドハウスパブリックには、私のようなクリエイティブディレクターだけでなく、前回こちらでもご紹介した柳橋のような、デザインを担当するアートディレクターやデザイナーなど、特技や感性が違うスタッフがたくさん在籍しています。
チームは案件の実施範囲や求められるデザインのテイスト・イメージの世界観に応じて、スタッフの中から適任者を選び出して作ります。人数も案件により様々です。
こういったチーム作りも、商品ブランディングの組み立てに大切なことだと考えています。
デザインにおいて大切な3つのポイント
商品ブランディングでは、その商品やサービスの価値を対外的に伝えるため、魅力を明確化する必要があります。
そのため、視覚化・言語化するデザインが重要になってきます。
商品ブランディングにおけるデザインで大切なポイントは、3つあります。
①多様な視点で考える
ネットの普及でさまざまな情報源に触れ、人との関わり方も多様化した今、よりターゲットの行動や感情・好みを理解した上で、ユーザー視点にフォーカスすることが大切な時代になりました。
なぜなら、消費者個々のニーズやライフスタイルも多様化し、ターゲットを大きなカテゴリーで括りにくくなってきたからです。
価値を見える化するに当たっては、クライアントも含めて弊社のプロジェクトメンバーで数多くの対話を重ねます。お互い、さまざまな角度からの意見や見解を柔軟に受け入れながら進めていくことで、視点の広がりや発見に繋げます。
②ブランドの土台が肝心
「その商品・サービスのコンセプトは何か」「どんな人に、どうなってもらいたいのか」、そういった〝土台〟があってこそのデザインです。この土台がないと、アウトプットにバラつきが出て、ユーザーへの印象付けが弱まります。認知・浸透もしにくくなりますし、単なるクライアントやデザイナーの好みの話に留まってしまいます…。
デザインは単なる装飾やアートではありません。表現の答えは想定するターゲット(ユーザー)にあり、ターゲットが「自分の悩みや欲を満たしてくれる」と思ってもらえるものかどうか、そこがデザインの指針の一つになります。
③〝らしさ〟や品質を感じられるか
デザインを考えるに辺り、商品やサービスを作った会社の想いや独自性などの〝らしさ〟を感じられるか、ターゲットのユーザーが理解しやすい品質が保持されているかも大切です。
〝らしさ〟や品質を踏まえつつ、商品の形や色やフォントや写真・イラストなど、ブランドのトーン&マナーに一貫性を持たせます。そうすることで、ターゲットの連想をより強め、ユーザーへの認知や浸透を大きく図っていきます。
商品ブランディングで得られる効果
先ほど挙げたポイントを押さえた商品ブランディングでは、たくさんの効果を得られます!
例えば、以下のような効果が期待できます。
①商品やサービスのファンが増える
独自の魅力的なコンセプトやストーリーで、商品やサービスを打ち出すことにより、競合他社との差別化が生まれ、共感を持った人がファンとなり、リピーターや固定客となります。結果として、価格競争の回避と継続的な売り上げにつながります。
②広告宣伝費の削減や収益性のアップ
リピーターや固定客が増えれば、共感したユーザーが周りの人に商品やサービスを勧めたくなります。ユーザーのコミュニティーが生まれ、さらに多くの人に拡散されます。プロモーションなどの費用も削減でき、収益アップにつながります。
③スタッフ離職率の低下
商品やサービスに共感してファンになるのは、何もユーザーだけではありません。自社のスタッフもファンとなり、会社で働くメンバーの帰属意識が高まります。組織としての一体感が生まれ、離職率の低下にもつながります。
④採用活動への貢献
商品やサービスに共感するユーザーの中から、「この会社で働きたい!」という想いが生まれます。応募者が集まりやすくなり、採用面での貢献にも大いに期待できます。
このように!
商品ブランディングは〝商品・サービスがユーザーに選ばれ続けるためのブランド戦略の1つ〟であり、その効果は様々な面に影響することがお分かりいただけると思います。
アドハウスパブリックでは、デザイナーを含め、「プロジェクトの早い段階から、打ち合わせに参加させてほしい」という製作スタッフばかりです。
それは商品ブランディングにおいて、その商品やサービスが持ついろいろな価値を掘り下げることが大切だから。そして、その結果、上記のような大きな効果が得られるからなのです!
・ ・ ・
吉野さん、ありがとうございました!
商品ブランディングがどういう意味のものかは、吉野さんが話した〝衝動買い〟と〝指名買い〟がわかりやすいですね。
「コーヒーが飲めれば何でもよい」という〝衝動買い〟を、「このお店でコーヒーを飲みたい!」という〝指名買い〟に変える。これが商品ブランディングの真意です!
吉野さんのお話で、商品ブランディングや弊社アドハウスパブリックでの取り組みについて、ご興味を持っていただけたら嬉しいです。
次回以降も、ブランディングや弊社スタッフについてご紹介していく予定です。
お楽しみに!