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息子社長、にゃいご堂を開店する

前回までのあらすじ

妻の「息子に家庭内起業ってやつをさせたい」という一言から、小学二年生の息子に対する教育の一環、そして私のnoteネタのため、お菓子を買ってきて家族に転売するというビジネスを始めさせることになった。私は最初の資金のうち1000円を出資した株主となったのであった。

初の商品仕入れ

3000円の手元資金を得たにゃいご堂、息子社長の最初の仕事は仕入れである。事業計画もへったくれもないがまずは行動だ。母から会社の資金を管理するためのポーチを譲り受け、それに3,000円を入れて近くのスーパーと100円ショップに向かう。

息子社長は次々と「あれが良いんじゃないかな」と言いながら買い物カゴにお菓子を入れ始め、時折「いま、だいたいいくらくらい?」などと聞いてくる。お菓子だけではなく、我が家では私が買ってくると一瞬でなくなる「カルパス」も仕入れたいようだ。ちなみにカルパスは約600円であったため、にゃいご堂の資金から考えると大きな投資である。

私は、それが本当に顧客(=家族)に求められているものなのか、という問いは敢えてしなかった。息子が仕入れた商品のうち、いくつかは売れ行きが悪いものもあるだろうし、商品のラインナップを責められる(なぜならばお菓子の”専売”だから)こともあるだろう。今からそれを伝えるのではなく、やってみて失敗させることも重要だろうと考えた。

息子とお菓子を買い物しただけで、「あぁ、そうやって勘と経験だけで事業を進める会社ってあるよね」などと思いを馳せることになるとは思わなかったが。

伝えられるか、会社の資産の話

次に100円ショップにてお菓子を売るために必要な備品を買った。帳簿を付けるための出納帳、お菓子を入れるカゴ、お菓子を小分けで売る時のための袋、値札用のシールを購入した。さて、息子にはお小遣いをモチベーションとして貰っているが、そのお小遣いを決める指標は会社の総資産である。私は最初から、P/LではなくB/S的な考え方を身につけて欲しくてこの方法を選んだ。現在の企業は著書「ファイナンス思考」で著者の浅倉祐介氏が触れているとおり、P/Lに囚われている。だから子供の頃から自然にB/S的な考え方に触れておいて欲しいのだ。

息子が買った出納帳は、企業で言えば会計システムに相当するため資産である。また、お菓子を入れるカゴも、倉庫兼販売店と考えれば資産である。償却はまた別の機会に教えるとして、お小遣いの基準となる資産に息子社長がどれだけ興味と関心を持ってくれるか楽しみであると同時に、小学二年生で理解できる内容かどうか不安でもある。

何はともあれ、開店した

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写真はにゃいご堂最初の商品のラインナップである。何事にも原点があり、この写真が何かの偉業の原点になるとしたら大変夢のある話だ。お菓子だけではなく、夜食需要のありそうなカップラーメンもラインナップに加わっている。この時点で投資総額は仕入れと設備投資合わせて2,283円である。それぞれのお菓子にはおおよそ15%〜30%くらいのマージンが乗っているが・・・何はともあれ、開店した。息子社長は家庭内ビジネスのスタート地点に立ったのである。

カゴに商品を詰め終わったそばから、息子社長は楽しそうに、長女に好きな抹茶のチョコレートを売りに行くのであった。

長女「高いよ!!」

次回は初週のビジネスの様子をお届けする。

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