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読書感想文「酒道楽」
食道楽の作者、豊橋出身の作家である村井弦斎の小説です。食道楽が面白かったので読んでみました。
二人の大酒飲みのエリート教師を主人公に抱腹絶倒の滑稽小説の形をとって禁酒を説いた、啓蒙家弦斎の面目躍如の作、なんだそうですが、端的に書くと、酒クズ2名が主人公で酒起因の失敗を繰り返し、禁酒することで成功するという話の筋です。
明治時代の小説なので主人公が女性の聞きかじりの西洋の知識を小馬鹿にしたり軽んじたりする台詞が多くイライラしますし、酒クズでもここまで酷い失敗はしないだろうという失敗を繰り返すので、読む人によってはつまらないという感想を持つかもしれません。食道楽より読み手は確実に選ぶと思います。
禁酒が素晴らしいのではなくて、飲み方と飲む量の見極めが大事だろうとお酒好きの私は思います。正直、村井弦斎の禁酒礼賛の考え方には賛同しかねますし、読む価値が本当にあるかというと、村井弦斎なら他の小説を選ぶ方が良いかなと考えます。
それでも読んでみたい方がいれば読んでみて下さい。お酒が嫌いな方なら共感できる箇所が多いかも知れません。