風が強くなっている
近年、強風による被害が多数発生しています。
先日も埼玉県では突風・竜巻により一部地域で甚大な被害が発生しました。
あまりの件数の多さに、弊社でも復旧までには一ヵ月以上かかりましたし、未だに修理が完了していない現場もあるようです。
この強い風、きっと、今年だけのものではないですよね。
■強い風に対する家の対応を考える
1 飛びそうな物を確認する
住宅で風で吹き飛んでしまう物と言えば、
屋根(瓦、化粧スレート、トタン)
屋根板金
雨戸、網戸
などです。
設置当初であればそんなことにはならないでしょうが、経年劣化などによって釘やビスが緩んできたり、変形したり、して外れやすくなっている所へ強風が吹くと吹き飛んでしまうことがあります。
屋根上まではなかなか見られませんが、見える範囲だけでも、外部の点検はしておくのがお勧めです。
2 雨戸を閉める
雨戸やシャッターは日頃から開け閉めをしていますか?
開けっ放し、閉めっ放し、にしている雨戸はいざと言う時に動かないことが良くあります。
それを無理やり動かそうと思って壊してしまった、と言うご相談を受けたことがありますが、台風直前にそんなご相談をいただいても、台風が去った後にしか対応は出来ませんので取り扱いにはご注意ください。
3 置きっ放し、付けっ放しの物を撤去する
夏に設置した簾や日除けシートが付けっ放しになっている家をよく見かけます。
また、使わなくなったプランターやガーデニンググッズが家の周りに放置されている家も良く見かけます。
それらは、強風で飛んでいかないように措置をされていますか?
強風の次の日に、道路に散乱するそれらをよく見かけますが、自宅だけではなく、近隣や街へも被害を拡大してしまいます。
住宅だけではなく、物置、倉庫周辺も注意してください。
4 樹木の状態を確認する
樹木は一見すると元気そうですが、幹の芯の方が腐っていて、強風で倒れてしまうことがあります。
また、伸びきった枝が折れることもあります。
日頃から手入れや点検をしておくのが望ましいです。
また、手入れが出来ないほど育ってしまった樹木は伐採を含め、高さを詰めるなどして、管理しやすいようにしておくのも良いと思います。
5 ガラスの飛散防止をする
窓ガラスが飛散物などで割れてしまう可能性ありますので、強風の前に雨戸やシャッターを閉めることをお勧めします。
雨戸やシャッターが無ければ、ガラスに防災用のフィルムでガラスの飛散棒をするか、簡易的には、カーテンを閉めておくだけでも、室内へのガラスの飛散を多少防げます。
その他、ベニヤ板や段ボールなどで窓を塞ぐのも効果はありますが、きちんと固定しないと、それらが飛散して近隣へ被害を拡げる危険性もあります。
尚、ガラスに養生テープなどを貼ることも多少は効果がありますが、あくまでも、応急的な対策です。
多少、飛散は抑えられますが、ガラスは割れることは防げませんので、ご注意ください。
強風後にはすぐに剥がしてください。張りっ放しにすると、テープの跡が残ってしまいます。
■強い風が起こす被害例
1 予想外の物まで飛ばしてしまう
屋根瓦や雨戸などが飛んでしまうのも大変ですが、私が見聞きした強風によって起こった被害の中には、考えられないようなものまで吹き飛ばされているケースがあります。
金属製倉庫・・・イナバの物置のような既製品の物置の中でも、オートバイなども収納できるような大型タイプの物置があと一歩で隣地へ激突する所まで飛ばされてしまいました。物置の中には自動車のタイヤなど重量物が入っていましたが、中身もろとも飛ばされました。
アパートの屋根・・・屋根材ではなく、屋根が丸ごと、その姿のまま、全部が吹き飛ばされ、道路を挟んで経つ別の集合住宅の外壁に激突してしまいました。電柱まで巻き込む、大事故になりました。
幼稚園の屋根・・・完成してまだ数年の真新しい幼稚園の屋根が強風で飛ばされ、その屋根材などがかなり遠くまで吹き飛ばされたため、周辺への被害状況までは把握していませんが、消防や警察が出動する大騒ぎとなりました。
蔵の屋根・・・蔵は屋根が二重構造になっており、外側の屋根は「置き屋根」と呼ばれ、風を通すために内側の屋根に乗っかている構造なのですが、この置き屋根が強風でズレてしまいました。50年以上前に完成してから一度もずれたことなどない屋根がズレてしまいましたが、幸いにも屋根は落下も倒壊もしませんでした。
重いから大丈夫、大きいから大丈夫は昔の話し、
現代の強風は強さも規模も桁が違うということだと思います。
2 頑丈なものまでなぎ倒す
強風による被害の中で、大きなものがなぎ倒された事例をご紹介します。
ゴルフ練習場の柱・・・数年前に台風の強風によって千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄柱が倒れる事故がありましたが、最近の強風でも同じくゴルフ練習場のネットを支える鉄筋コンクリート製の柱が折り曲げられてしまう事故がありました。
看板・・・建物に設置された看板ではなく、地面に太い鉄骨で組まれた看板が大きく傾けれたしまいました。躯体は頑丈でも看板部分が風を受けやすい形状だったことが被害につながったのかもしれません。
背が高いものの中でも、風を受けやすい形状のものが特に被害に遭いやすいのではないかと思います。
■最後までお読みいただきありがとうございます
私たちも工事中の現場の足場などで強風対策は講じますが、
来ると分かっている強風の前には、一度、家の周りを点検してみるのが良いと思います。