“一生懸命”は高速で時間を早送りするから──。

何かに一生懸命になることは良いことだというけど、一生懸命になっていると、あっという間に時間が過ぎる。

あっという間に一年が終わる。
あっという間に、数年が過ぎていく。

はたして、これは良いことなのか。
目の前のことに一生懸命になるというのは、「気付けば、あっという間に時間が過ぎる行為」ではないか。

例えば、
がむしゃらに仕事をしていた結果、あっという間に1年が終わった、そんな経験はないだろうか。

では、一生懸命の逆ならば、時の流れは遅くなるのか。

つまり、だらだら過ごしているほうが、時の流れは遅くなり、1日1日を噛み締められるのではないか。

ここでいう「だらだらも過ごす」は、
1日だらだらと映画をみたり、ゲームをしてたら、あっという間に1日が終わった──という類いのものではない。

映画もゲームも、目の前に夢中になっているという点で、実はある種の“一生懸命”なのである。だから、1日が早く過ぎるのである。

時間を忘れるような夢中を、一生懸命を、そのような行為を行わない。

つまり、「ぼっーと過ごす」ということ。

軒下で空でもみながら、お茶を飲んだり。
ぼんやり景色を眺めながら、散歩をしたり。
何も考えず、自分の呼吸を感じたり。
部屋の壁を、ぼっーと見つめたり。

上記に挙げたような、マジで無意味なことをしていると、毎日が長く感じる。時間の流れが遅く感じられる。

一生懸命は高速で時間を早送りする。
だから時々、「本当に一生懸命って良いことなのかな?」と思うことがある。

ぼっーと過ごすことで、
「ああ、時間の流れるスピードって、本来これくらいだったな」と気付く。

一生懸命だけがいいわけじゃない。
その逆の、ぼっーと過ごすことも、今の自分には必要かもしれないと、忙しない日々に思う。

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