舞台リコリス・リコイルBlu-ray感想…千束は本当に弾を避けている!
舞台リコリス・リコイルのBlu-rayを、特典ディスクも含め鑑賞しました。
おそらく今後、2.5次元舞台の話題では必ず名前が挙がるのではないかと思われるほどの盛況ぶりだった舞台リコリコですが、私も1月11日に観劇、その直後にアニメイトへ円盤の予約に走ったほどでした。
コスパの概念を教えてくれる、素晴らしい舞台
半年前の、観劇の感想記事はこちらになります。
この記事内でも少し触れていますが、この時「せっかく観に行くのだから」と奮発してグッズ付きS席を購入したんですね、12500円でした。映画の鑑賞料金だとおよそ6回分、まぁ私はサービスデーやレイトショーを駆使しますので2000円払ったことはありませんが。ともかく、舞台って高い、って思われるのが普通だと思います。
ですが、ですがですが、観終わった後にそんな気持ちは吹っ飛んでいました。映画も没入感のあるものはありますが、幕が降りた後も拍手が鳴りやまないのは舞台ならではで、「あぁ~来て良かった、いいものを観られた」という満足感でその日の思い出は上書きされていったのです、拍手の音と共に。
そして、今回の円盤も一万越えな訳で、正直生観劇の感覚に比べたら円盤はあくまで記録映像だしな~、「そこにいる」感じはしないんだもんな~と思うと割高な印象を持っていました。…言いながら買っているのですが。
そう思いながらも、2時間半の本編を観終わった時、PCの前で拍手している自分がいました。カーテンコールで役者さんが勢揃いし一礼するところで少し目頭が熱くなったりもしました。すっかり没入していたんですね。
舞台は、凄いものが観られる場所
映画やドラマを下げる意図はありませんが、OKまでリテイクを繰り返せる映像作品と違い一発勝負の舞台は、観客にもある種の緊張感があります。なので、舞台に上がる役者さんのそれはさらに計り知れないものでしょう。加えて他のスタッフの人達も全て、この一回きりを失敗できないというプレッシャーの中で公演をやっていると思います。音響、照明、それぞれがミスによって様々なものが狂ってしまうこともあるからです。それほど、舞台上で観られるものは全て緻密な計算の上に成り立っており、座組の方達全員がプロフェッショナルなのだと感じさせます。
ある意味、決められた事を機械的にこなす一面も持ちつつ、部分部分でアドリブや個性を出して、「同じもの」にならないようにする役者の方達。このリコリコは14回公演でしたが、14通りのパターンを考えていた、とは通称パンツの人、吉松役小野さんの言葉です。
計算された演出の中で、役を生きてみせる魅力的なアクター達。
たった一度だけの、輝きが見られる場所。
それが観たかった舞台であるのならば、一万越えも決して高くないと思えます。それは連日満席、立ち見まで出たという盛況ぶりが示していると言っていいでしょう。
舞台リコリコの、フェイバリットポイント
個人的には、やはり序盤のヤマ場である模擬戦のシーンですね。銃を避けられる千束、アニメだとわかりやすいですが、実際に三次元で弾を避けるとどんな感じなのか、それを見せてくれていました。
結論から言うと、避けてるかどうかなんてわかりません(笑)。ただ弾に反応しているんだな、というのはわかりますし「あぁ、現実でやるとこんな感じなんだ」という説得力があったのは、最初のシーンからガンアクションの迫力が本物だったからというのも手伝っています。上の動画にもありますが、たきなが高速で三人を撃つシーン、迫力ありますよね。
もう一つは、最終戦フキ&サクラが独断で千束の救出に加勢してくれるシーンですね。こういうの、嫌いな人はいないでしょう(笑)。ここでフキが回し蹴りを見せてくれるのですが、女性のアクションが大好物な自分にとっては最高でした。普段はいがみ合っていて模擬戦でも敗れたフキですが、やはりファーストリコリスであり千束の味方なんだな、と思わせる場面です。最後のノールック射撃も良かった。
そして何より、OPとEDですね。「ALIVE」と「花の塔」の中で見せるダンス、最高でした。舞台でしか見られない華やかなパフォーマンス、観劇時はОPだけで「元は取ったな」と思えたほどです。映像特典の、ビジュアルコメンタリーで主役の二人曰く「OPが一番疲れて、ハケた後裏でゼェゼェ言ってた」ってのは笑っちゃいましたが。千束はたきな抱えて回ってますしね。
リコリコのこれからにも、期待
リコリコは今後も新作アニメが予定されていますし、まだまだコンテンツとして息が長くなりそうなタイトルです。それに見合うだけのクオリティと面白さはあると思いますし、「リアリティとアニメっぽさが、絶妙なバランスで融合している」というのが私のリコリコ評です。純粋に1クールで終わらないので追いかけるに足る作品だと判断しましたね。その一端をこの舞台が担ったことも、また言うまでもありません。
この円盤、また見返して魅力的な世界に浸ろうと思っています。
舞台って、いいものですね。