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篠田三郎さん生誕祭…タイラント回にツッコミを入れてみます

本日(12月5日)は、ウルトラマンタロウ・東光太郎でお馴染みの俳優、篠田三郎さんのお誕生日です。76歳、おめでとうございます。

ウルトラ伝道師であるロコさんがしっかりご周知してくださっていました。このお写真は数年前のものですが、篠田さんは本当に格好良くお歳を召されていて、男としてかくありたいと思わせてくれる素敵な方ですね。

ストリウム光線のポーズも。
スペシウムとは対照的な構えで、昭和の時代のアイディアの一つですね


「兄弟」が完成した、ウルトラマンナンバー6

ウルトラマンタロウに関しても、これまで何度か思い入れを語っています。

そういえばプレバンでウルトラバッジを買ってからもう一年経つのかぁ、などと懐古してしまいますね。本当に一年が早い。
この時期、街はクリスマス装飾真っ盛りですがそれが終わると速攻でお正月仕様に変わりますよね。毎年お正月+ウルトラマンタロウという組み合わせで、ウルトラマニア的にいつも思い出すエピソードがあります。

それが、タロウ40話です。

ウルトラマンタロウ第40話 / 「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」

正月休みを過ごす光太郎は、タケシ少年の自転車の練習を手伝っていた。ウルトラ兄弟は、歴代怪獣の怨念と能力が合体した怪獣タイラントと激闘を繰り広げていた。兄弟を退けたタイラントは地球に向かうが、光太郎は兄弟からのウルトラサインにも気付かず……。(ツブラヤイマジネーションより引用)

有名な回なのであえて語るまでもないですが、暴君怪獣タイラントがウルトラ兄弟を次々と倒していき、最後に地球でタロウに倒される、という回です。それぞれの兄弟の登場シーンでは過去の戦闘がダイジェスト的に流れ、ナレーションで怪獣の名前、放送日まで教えてくれるという親切な内容になっています(笑)。

あらためて観ても、兄さんたちの噛ませっぷりが悲しくなります

兄たちが倒せなかった最強の怪獣を末っ子であるタロウが打ち破り、最強の証明を果たした、とも言われているこの回ですが個人的には…

「昭和ウルトラ特有の、ダメダメ客演の極地」

だと思っています。わざわざ過去の映像で歴代ヒーローを紹介しているのに、タイラントとの戦闘はどれもあっけなく負けていくんですね。いやいや、どれだけタイラントが強いのか知らないが、アンタら主役だったころそんなに根性無しじゃなかっただろ!?と言いたくなる総崩れっぷりなんですね。何故かナレーションで身長が伸びたことになっているマン兄さんなど、多彩な技を持っているのに何も出さずにギブアップ、ウルトラサインを消されて悔しがる描写がありますが、力を振り絞るのはそこじゃないだろうとツッコミたくなります。

また、セブンもどういう訳かやたら寒そうなところでアッサリ敗れます。思えばカプセル怪獣のミクラスが、「電気が苦手、寒さが苦手」といかにも後付けっぽい設定を以て、エレキング戦、ガンダー戦に赴かされたことで気の毒な怪獣と言われていますがこのタロウ40話ではセブン自身がそんな扱いになってしまっているようです。
何より、地球に着いたタイラントをタロウは割とアッサリ倒してしまいます。光太郎は少年の自転車の練習に付き合っていて兄さんたちのサインを、最後のエースのを見るまで見逃していた、という体たらく。兄たちが一分足らずでノックアウトされた難敵をカラータイマーが青のままで倒したところは、タロウの戦闘力がずば抜けていることの証明なのかもしれませんが、私自身としてはエースでのヒッポリト星人にウルトラの父が負けた時のように…

「長旅でタイラントは疲れていた」

説を推したいですね。別にタロウの実力にもの申したいわけではなく、
兄弟全員でタイラントを倒した、という解釈にしたいんです。
PS2のウルトラマンFE3でもこのシナリオがあり、兄弟で与えたダメージが累積していく仕様でしたので。ちなみに私、やり込みによってゾフィーでタイラントを倒したこともあります(必死)。

こんな感じで、やたら兄の登場するエピソードが多いタロウですが、この作品を以てウルトラマンシリーズは世界観が繋がっていることがより確立されたんですよね。次のレオでこの流れから離れたことからも、一つの大きな区切りだったといえます。

最近はすっかり貫禄がついた、ウルトラ6兄弟です

この回こそ、もっと時間を…できれば、劇場版を

そして、このタロウ40話こそ、一話で済まさずに前後編、いえバードンが3話にまたがったことを考えるとそれくらい使っても良かったのではないか、と子供の頃から未だに思っていたりしますね。

タロウは、兄たちを倒した怪獣であることなど知らなかったまであります

キチンと、ゾフィーから順番にタイラントとの戦いにしっかり尺を使い、それぞれの必殺技を使った上でタイラントの強さもアピールするべきでした。新マン、エースが光線を使ってますが、
「なんか効かない」
んですよね。そして炎を吐かれて「うわっちゃちゃちゃ…」みたいに負けています。バードンの時のゾフィーもでしたが、君達主役の時はその程度の炎で怯まなかったでしょうよ、とまた同じことを言ってしまいたくなります。

そんな感じで、豪華なウルトラシリーズ総集編の趣きがありながら客演のカタルシスが皆無な、タロウ40話の紹介でした。
「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」なんてタイトルで、本人は子供の自転車のことで頭がいっぱいだったような、迷作エピソードでしたね。

…という脱線をしましたが、篠田さん、重ねてお誕生日おめでとうございます!
これからもお元気で!

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