今一度、グリッドマンユニバースがいかに良い映画だったかを綴る
「宇宙船別冊 グリッドマンユニバース」をGETしました。
思い知らされる「斬新」の本質
グリッドマンユニバースは来月、Blu-ray&DVDの発売も決まりました。最後に観たのが5月2日だったので、ほぼ半年ぶりに観られるのが楽しみです。MX4D版は残念ながら行くタイミングがありませんでした。
この映画に関しては公開前後から何度も絶賛してきているんですが、改めて思うのが「斬新さ」はオーソドックスの延長線上にあるのだな、という認識を突き付けてくる、パワフルな作品だということです。
高校生たちが街に現れた怪獣と、変身したりロボットに乗り込んだりして戦う。作品の骨格は大昔からあるもので、漫画・アニメとしては「古い」作品なこのグリッドマン、ダイナゼノンですがそこに2000年代以降に出て来た日常系、セカイ系の要素が入り、キャラデザイン&メカデザインのハイセンスぶりで唯一無二のものに昇華しているんですね。そしてこの2作の合作映画は設定こそちょっと複雑ですが、大筋は新たな敵を協力して倒す、というなんら捻りの無いものです。この本の監督インタビューにありましたが、ファンサービスに徹し、作り手も楽しみながら作ったとの事。テレビ版の時から、何も特別な仕掛け、奇をてらったことはせずにただ強いストレートなパンチが、そのまま観客に届いたのだと思います。結果的に「斬新」に見えたりするのだな、とそのレベルの高さが教えてくれた気がしました。
その中にもあった、サプライズ
特別な仕掛けはない、と書きましたが一つ挙げるとすれば、新条アカネ(ニューオーダー)の登場は、映画ならではの仕掛けだったのではないでしょうか。
TVグリッドマンで、「自分の世界」に帰っていったアカネ。映画のメインビジュアルにも姿が無かったので「やっぱり居ないのか」と思わせておいての登場、しかも変身シーンに新衣装、さらにはアレクシスに搭乗するという意外性の活躍。この展開には映画のサプライズ感を感じましたね。「かつての敵が頼もしい味方として参戦する」という、これも言わば定番のカタルシスなのですが、これが嬉しくない人はいないでしょう。
さらにさじ加減が絶妙だったのが、アカネはTVのラストで「もう会うことがないように」と約束を交わした六花とは話さず、因縁深かったアンチ=ナイトとの蟠りを解くシーンのみで元の世界に戻っていったことです。ドラマが完結したキャラの再登場はどういう形であれ「出て欲しくなかった」という意見も出てくるものですが、出ながら、終わったキャラとしての矜持を保ち決着をつけてほしかったキャラとの絡みも見せた。
「ファンサービスに徹する」ことの難しい部分を、見事に消化した部分だと思います。
アニメの魅力は「美少女&メカ」
ここは色々な認識があると思いますが、一般にアニメがブームになったのは70年代の宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、90年代はエヴァ、といった作品がキッカケで美少女キャラとメカが出てくる、という共通項があります。アニメだからこそ見られる非現実、それが「特殊な境遇の美少女」であったり「空を飛ぶ船や、戦闘用ロボット」なのだと思います。今後も時代に合わせた形になりながら、そういう要素を含んだアニメがヒットしていくのだろうと未来予想しています。
そしてそれらはこの作品にもズバリ当てはまります。
変わった事はしていない、でも「アニメの美味しさ」が全て詰まっている。
それがグリッドマンユニバースなのだと思っています。
感想はこちらにまとめていますが、相当昂ったのを覚えていますね。