雑記・続「舞台リコリス・リコイル」観劇記録…もはや、感激記録
舞台リコリコの感想を(思い出せる範囲で)綴ります。
内容に触れますので、今後円盤で初見の予定…な方はご注意ください。
ストーリーは、アニメ6話まで
全13話の作品なので、ほぼ半分ですね。全体としても、クルミが意図的にでは無いにせよ敵に加担していた過去を謝罪しリコリコの面々に受け入れられ、真島が明確に千束を標的に定めるところで終わっており、後半に向けてのお膳立てが完成するところまでです。舞台は、休憩を挟み二時間半の尺があり、5話のエピソードは省かれているのでほぼアニメそのままな物語が展開されました。無敵と思われた千束が初めて危機に陥る6話で締めるので、見せ場的にも相応しい構成だったかと思います。
圧倒的な「本物」感
千束は金髪のウィッグですが、今時普通にいる髪型ですよね。まずメインのこの二人が、しっかりアニメの「実在感」を出してくれていました。ガンアクションでの躍動感、会話のテンポなどアニメそのまま。何より二人、ほぼ背丈が同じで身長差無し。当然ですが、僅かでもどちらかが高いと「千束&たきな」感が出なかったのではないでしょうか。
ミズキ役の石井さんですが、とにかく圧巻のプロポーション。八頭身の女性を初めて見たかもしれません。セーラームーンミュージカルでタキシード仮面をやっていたそうで、納得でした。千束&たきなの姉的なポジションのミズキさんですが、時折千束に押されているような素のリアクションが見えて面白かったです、これも舞台の醍醐味。
続けてクルミの大渕さんは本当に少女な体格。「大人が頑張ってる」ような感じのしない、リアルなクルミでした。ご存じの様にクルミは凄腕ハッカーであり話し方は完全に大人のそれなので、ギャップが魅力なのですが大渕さんはしっかりそれを感じさせてくれましたね。
全員クオリティが高いのですが、特にこの三名はアニメからそのまま出て来た感がありよくこんな役者がいたものだと驚愕しました。真島はむしろアニメより格好良いのでは?と思った程です。ですがあの狂気はまさに真島のそれ。…それにしても、真島のあの腕っぷしはどうやって身につけたんでしょう。
舞台ならではのワチャワチャ感
印象深かったのは、大道具の「車」です。運転席型の「置物」にキャラが乗り込み、四輪ならぬ「四人」で動かす、という格好で再現していました。知っての通り、この作品で車に乗る場面はただの移動でない事が多いです。カーチェイス、カーアクションといった見せ場になっています。動かしている「四人」が、蛇行運転やバックを必死にやる所は「うわー大変だな」と思って観ていました(笑)。しかしそれを、千束が台無しにしてしまいます。
「何これ?人じゃん」「何か黒いのがいるよ」
とか言って、車として扱っているたきなに「黙って!」みたいに突っ込まれるシーンは笑いました。それでも千束の無粋なツッコミが止まないので、たきなは「想像力!!」と一喝して切り上げてしまうのです。ここは爆笑の起こった場面、日替わりのアドリブポイントでもあったようで、とても面白かったです。何より、千束なら言いそう…な感じだったのがポイントです。
喫茶リコリコに、いらっしゃいませ
途中で10分の休憩があったのですが、休憩開けは和服千束が客席に向けて「接客」するという形で再開しました。自然と気持ちを物語に戻してくれる、上手い演出だったと思います。
後半はリコリス達が真島に狙われる、6話の内容で千束と真島の対決も描かれます。真島の屈強さと、連携を取るリコリコメンバーの活躍によって千束が救われるところまでですね。あらすじは知っていても、足蹴にされる千束は本当に痛そうで不安になりました。女子が殴られ蹴られ…はあまり見たくないものですよね。
観ていて気付いたのですが、時折舞台であること、人間が演じている事が頭から消えて、リコリコという物語を追っている感覚に没頭している瞬間がありました。アニメ原作の舞台なのですが、「再現してるな~」という感覚が薄れていたのですから、没入感は相当なものだったと思われます。
それは、我々観客がしっかり「喫茶リコリコ」におもてなしされた結果だと言えるでしょう。
人生初のアクリルスタンド
たきながミズキからの助言を元に、千束にジャンケンで勝利、それまで絶対になかった「キシシシっ!」という笑い声を聞かせた所でお馴染み花の塔のイントロが流れ、エンディングはオープニングに続きキャスト総出でのダンス。舞台は終わりを迎えました。
生まれてこのかた買った事のないアクスタを頂き、更には
メイン二人のブロマイドも買いました。改めて見ても本当に可愛い二人。
勿論パンフレットもゲット。ホクホク顔で銀河劇場を後にしました。
演劇が「魅せられる」もの
パンフレットに、脚本のほさかよう氏コメントがあり
「アニメの武器は使えないものもあるが、舞台ならではの武器もある。それをうまく融合させられたら、すごい作品になるのでは」と書かれていました。
舞台ならではの武器ってなんだろう、と考えました。
観劇経験はそんなに無いのですが、良かったなぁというものから全く面白くないものまで観たので、舞台もピンキリである事はわかります。今回はこれまでで最高な舞台だったのは言うまでもありませんが、ここで一説立ててみました。
当り前かもしれませんが、舞台の武器とは「一期一会」である事なんでしょう。同じ役者・スタッフによる同じ演目でも毎回変わりますし、その時だけのものが観られる訳です。それはハプニング的な事ではなく(それも含みますが)、「役を生きている」ゆえの化学反応であり、同じものが二度と無い。
それこそが舞台における「本番」の貴重さではないかと思います。それを観せられるのが、舞台だけの武器…なんですね。
生観劇となるとその場に行くしかありませんし、映画より高い。
ハードルは高いのですが、体験としては完全に映画鑑賞の上位互換と言えるので、今回は非常に満足度の高い経験が出来ました。
加えて、三ヶ月で新作に代わってしまい風化しやすい昨今のアニメ事情において、お気に入りのリコリコが色濃く心に残りそうでもあるのが個人的には嬉しいですね。本当に、観に行って良かったです。
勿論、円盤も予約しました。
舞台第二弾もありそうですし、楽しみが尽きなくていいですね。
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