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映画感想「サカサマのパテマ」(Filmarksより)

昨日に続き、吉浦監督作品を視聴。

ある事件をキッカケに重力の逆転した地下世界。そこに住む少女・パテマは、ふとした事で地上の少年・エイジと出会う。
地上世界・アイガは空を見る事を禁じられた、厳格な統制の敷かれた世界であった…。

とにかく設定が斬新で、「アニメでなければ困難な描写」をやってのけている。
緻密な原理などは考えず、仮想世界に入り込める人なら魅力的な作品だと思う。

中心にあるのはエイジとパテマの淡い恋物語で、その描き方には問題が無いものの二人に立ちはだかる困難、つまり「敵」が手緩く危機感が足りなく感じた。
前作、イヴの時間もそうだがピンチが弱く、盛り上がりに欠けるのは最新作である「アイの〜」にも感じられた欠点ではなかろうか。
凝った世界観や設定の表現に比重が置かれ、父親への感情などドラマの肝になる部分が淡白なのは良くないと思う。

キャラデザインは良く、パテマに執着する敵の男に共感出来たのは皮肉だが、評価ポイント。
年内で配信終了だったので駆け込み視聴したが、一本の映画でファンタジーをやりきる難しさを感じた次第である。

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