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ザブングルグラフィティを観て、「テレビの時代」を感じたというお話

今月幾度か、「戦闘メカ ザブングル」を鑑賞したことを話題にしました。

2025年にこの作品を初めて観て、感想を綴る人間というのもかなりレアではないでしょうか。
さて、先日これの仕上げとして、劇場版であるザブングルグラフィティも観たんですね。

映画ではソルトの存在がスルーされているのに、
しれっとカタカムが居るのがちょっと笑えますね

40年前の「テレビアニメ」の希少性

1980年代前半、家庭におけるビデオデッキの普及率がどれほどだったかは分かりませんが、この時代の記憶がかろうじてある私の幼少期はまだ、家にビデオデッキは無かったんです、小学校低学年の頃に
「これで、テレビが後でも見られるよ」と、ビデオが導入されました。
ちなみにリモコンも付いていませんでしたね。

機種は違いますが、見た目はこんな感じでした
やたらボタンがたくさん付いてましたね

おそらくは、一般家庭にビデオが普及し始めた最初期といっていいと思います。特に家電製品は物は以前からあっても、ほとんどの家とは縁のないものだった時代というのが存在します、たとえばこの頃のパソコンもそうだったでしょう。
つまりこれより前の時代は、

「テレビ番組は、その時間にテレビを付けていないと見られない。そして一度見たら終わり」

な、ものだったわけです。今ではピンと来ない感覚ですが、テレビに映る映像は現代より遥かに貴重なもので、またその時間を他人と共有するという価値もかなり高かったといえるでしょう。今は今で、SNSでの実況といった形で共有していますがこの頃は時間、環境に融通が利かないのでより濃密だったことは間違いないですね。

そんな時代、テレビアニメを編集したものを映画館で上映する。
現代ではこれだけだとあまり集客は見込めないでしょうが、この頃なら話が違います。皆、映画館に行けばもう一度観られる!とこぞって足を運んだのであろうと思われます。そんな「テレビアニメの価値の高さ」を感じた、ザブングルグラフィティでした。

テレビ版とは少し異なる部分もあり、「救い」として追加された
ラストのアーサー様はあまりにも唐突でちょっと笑っちゃいました


今作、鑑賞直後の感想を引用します。

Filmarks感想

ザブングル グラフィティ(1983年製作の映画)

テレビ版完走後に鑑賞。

全50話を一時間半に凝縮するという無茶をやっているので、話の筋は飛びまくりでよくわからないものになっている。
「これが動撮だ!」とか、開き直った作りは作風的に許されている感じ。

テレビでは夫の敵討ちに燃えていたグレタが「恨みはないけど…」と正反対なセリフで仕掛けてきたのは流石に笑った。
ドタバタロボットアニメの空気感が伝わるならばそれで良い、といった趣きの騒がしい90分。完走直後なこともありほぼリピート鑑賞の感覚だった。

だが、結末に追加されたシーンでエルチが救われたのは良い変更点。
これを以て、このザブングルは本当に完結したのだなと思えた綺麗な大団円だった。

…チルがダンバインとぶを歌ったのは、流石のメタネタといったところか(笑)。

スコア……3.0


今後、テレビはどうなっていくか

昨今、テレビがオールドメディアと呼ばれるようになって久しく映像による娯楽はYoutubeが中心とも言われています。あまり暗い話題は出したくありませんが、今まさにテレビ局が渦中にあるご時世でもあります。
誰もが家に帰るとテレビを付けていた時代では無くなり、テレビを持たない人も増えたといわれます、実際私の周辺でも家にテレビが無い人が幾人かいるんですね。
私ももう、テレビの電源を何ヶ月も入れていない状態です、というかレイアウトがヘタクソでテレビを隠すようにパソコンのモニターを置いてしまっているのが原因なのですが(苦笑)。

それはさておき、私自身のテレビへのイメージは「固定電話」なんですね。携帯電話、さらにはスマホの時代になり固定電話の数は滅法減ったと言われます。公衆電話もどんどん減っているわけですが、通話以外のことも出来てさらに場所を選ばないものが出てくればそれはもう、必然の流れです。そして、あくまで携帯は「電話」なわけですがスマホになってからはもう、携帯テレビであり携帯パソコンでもあるんですね。そりゃ、家のテレビ、また受動的なプログラムのみの放送は廃れていきます。
もちろん、公共の電波で発信されるという大衆性にはまだ利点があり完全に無くなる、ようなことは無いと思いますが…最近の世の中を見ていると、民放の数は減っていくかもしれません。

子供の頃は毎朝、夜の番組チェックなどを新聞でしていたものですが


現在も基本的にアニメはまず地上波で放送され、同時か少し遅れての配信といった感じなので第一がテレビである点は守られています。
ですが今大ヒット中のジークアクスなど、テレビを観てもらうために映画興行として大々的にイベントを打っていたりする作品もあります。先月購入した1982年の書籍、イデオン大事典にて富野監督が語っていましたがテレビアニメの劇場版はお祭り、なんですね。
今はテレビ番組を視聴する手段が多岐に渡っていますから、コンテンツの出発点という以上の意味がなくなってもいます。それすら映画館に譲ってしまうケースもあるので、今後もテレビ放送の在り方は見通しが難しい話ですよね。私個人は、特にテレビで観る事にこだわりや思い入れはないのですが、この辺は色々な人の意見を聞いてみたくもあります。

面白いものが見られればなんでもいい、って人が大多数だとは思いますけども。

もちろん、ザブングルグラフィティも配信で観ました
今や、ネットに繋がる機器が全てを解決してしまうんですね

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