映画感想「仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判」(Filmarksより)
仮面ライダー初の配信オリジナル番組がシーズン2を経て完結を迎える劇場版。
この作品の人気の要因は過激な描写ではなく(それも一つではあるが)、対立する
思想が甲乙付けがたく展開が読めない所にあると思っている。主役の二人は共に
ヒーローであり、アンチヒーローなのである。
その二人の戦いが遂に決着を迎えるが、そこに絡むアマゾンの新しい事案が
これまたとんでもなく悪趣味。MX4Dでの鑑賞だった為その悪趣味さ加減が嗅覚に
訴えられたのはとても強烈だった。
舞台となる切子聖園の不気味さ、その背景が明らかになるともう物語がどう転ぼうと
悪夢しか見えない展開である。
結果としては、意外な程綺麗な着地を見せてくれた。シーズン2がこの終わりの
布石になっているのは脚本の技巧か。
とても万人に勧められる作品ではないが、スタッフ、キャストの情熱が詰まっている
事は存分に感じられるので一見の価値はある。
「自分のために、生きなきゃいけないんだ」
悠の言葉に、作品のテーマが集約されている。