間もなくベーターボックス点火器が届くので、メフィラスの魅力を語ってみる
本日、仕事帰りに映画に行く予定でしたが暑さに負けて退却判断をしてしまいました。6月というのに暑過ぎですね。
さて、先日ウルトラレプリカ・ベーターボックス点火器の発送告知メールが来まして、予定では6月29日着だそうです。この日見事に外せない用事があって困りましたが、日付指定すると一週間ほど遅れてしまうのでそれも嫌だな、と悩ましい事態です。
6月29日、奇しくも昨年新宿で三軒の映画館をハシゴしてシン・ウルトラマンを朝から晩まで観た一日でもありました。思えばあの日もムチャクチャ暑かった記憶があります。
最高の存在感を持った、敵
ベーターボックス点火器、ご存じの通り作中の敵だったメフィラスが持っていたベーターシステムを作動させるための道具で、円柱型でシンプルなベーターカプセルとは逆に不規則で有機的なデザインをしています。
悪役の道具らしく、刺々しいデザインですよね。
この映画が大好きなので迷うことなく買いました。流石にベーターカプセルほど殺到しなかったようで難なく予約出来ましたが、「現物見てみたさ」でいえばこちらがずっと上だと思いませんか?
そもそもこのシン・ウルトラマン、山本耕史氏演じるメフィラスの人気が大変高かったのはご周知の通りで、彼のキャリアの重要な1ページになったと言っても過言ではないと思います。
キャラクターもさることながら、その端正な顔立ちの薄い笑み、野心を秘めた外星人という設定に非常に説得力のある恐怖感がありましたね。オリジナルのメフィラス星人は人間体がありませんでしたから、まずその姿にインパクトがあったのは紛れもない事実です。
現代風に描かれる侵略、その根幹の暴力性
メフィラスは、地球人に「科学力、武力において太刀打ち出来ない」という無力感を植え付け、上位概念として支配者になろうとした外星人です。ウルトラマンより早く地球に来ており、ネロンガやガボラの出現、ザラブの暗躍を静観しつつ人類の前に現れる機会を伺っていたんですね。暴力を好まないので、表向きは禍威獣、外星人から護ってあげますよという体で自然に日本政府に取り入ってきます。
おそらくは予定外だったウルトラマンの来訪に対しても、力を使わず対話の形で懐柔を試みています。先に協定上の筋を通し、自身の計画に正当性を持たせた上での半強制的な不介入の提示ですが、狡猾ながら紳士的でもある、と言わざるを得ません。周到であり、切れ者な訳です。
ですがウルトラマンは地球人を恐怖で屈服させる手法に反発、力ずくで止めると宣言します。居酒屋での落ち着いた話ですが、神永の内心には激しい怒りがあったのでは…と思わせます。それは、メフィラスが隠している「暴力性」を感じ取っていたからでしょう。やがてハッキリと、それが見える事になります。
「私の好きな言葉です」が変貌する瞬間
ネット上でもかなり流行った、「私の好きな言葉です」ですが、メフィラスはウルトラマンと禍特対に計画を邪魔され明らかな不快感を表情に出した上で「苦手な言葉」として二つ挙げます。
「目的の為には手段を択ばず」
「捲土重来」
前者はともかく、後者は「一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを取り戻して巻き返すこと」という意味で、あなた方のためと謳っていたメフィラスが、本心では「負け犬」という目で人類を蔑んでいたのが判ります。それまで「備えあれば~」「善は急げ」など、思惑通りに事を運ぶことを好み理知的な好漢のイメージだった男が本性を現した瞬間です。この直後、変身し視覚的にも素をさらけ出す訳ですが、もはや侵略者の風貌にしか見えなくなります。
戦闘能力でもウルトラマンと互角以上、あと一歩のところまで追い詰めますが光の星の使者の姿を認め、地球の運命を悟り退散します。
結局、ウルトラマンと戦って無事だったのは、この男だけなのです。
ある意味、裏の主役
こんなメフィラスですが、浅見さんを巨大化させ人間が強力な兵器に転用できると実証しそれが最終局面にも繋がっていることを思えば、この映画全体を通して大きく関わった存在なのは間違いありません。地球を我が物にしようとしたメフィラス、尊いものとして慈しむウルトラマン、二人の外星人のスタンスは大きく違います。ですがメフィラスはある意味、もう一人の主役と言えるのかもしれません。そこが、単純な悪役の枠を越えて人気を博した要因でしょう。
そしてこのアイテムですが、メイキングを見ると劇中のはCGで、山本氏も直接これを持っていた訳ではありません。つまり本人より私の方が先にこれを持ってしまう…ってことに一抹の背徳感すら覚えます。
まぁ、コレが出てくるのはたった2回ですしね。
そんな感じで、ベーターボックス点火器も楽しみです。
この曲を聴きながら、待っていたいと思います。