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仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング感想…Vシネ最高傑作、令和のヒーローここにあり

昨日、「寒いなぁ~」と思いながらも映画館に赴き、毎年恒例のライダーVシネを観てきました。

先月、ファイズ・パラリゲがあったので今年は少し遅れての公開でしたね。
思えばビルドのVシネ、グリスから毎回欠かさず劇場で観ているのでもう6年ほどの習慣になっているのが自分でもちょっと驚きです。

Vシネに対する印象は

一年前に、こんな記事を上げた事があります。

要約すると、「もう無理してVシネなんか作るな」って書いてます。毎年パターン化してサブライダーの小話をやったって、本編であるテレビの人気が無ければ見向きもされないんだから…という非常に冷めた見方をしていますね。これは現在も変わっておらず、「一応観ておくか」的な感覚で今年も足を運んだのでした。

以下、Filmarksに書いた初見感想です。


仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング

初日鑑賞。
毎年恒例の、TVシリーズの後日談。

この「仮面ライダーギーツ」という作品が謳い続けてきた「誰もが幸せになれる世界」と仮面ライダーの普遍的テーマである人間、怪人の共存は可能かという題材を一年の戦いを終え成長したライダー達が光で照らす、傑作だったと思う。

坂本監督らしいアクションの映え方が活きており、テレビシリーズより断然迫力ある画を観られたのが高ポイント、未来の人間により事件が起こされるというギーツの「らしさ」と登場人物たちの個性、魅力が活かされているストーリー、隙のない造りで確かな「最終回感」があった。失礼ながら

「ギーツってこんなに面白かったっけ?」
と思ったほどである。

ギーツ、バッファの新フォームも共に格好良いし、立場上どうしても高みの見物ポジションになってしまう英寿に代わって道長がしっかり主人公していた。それに加えて景和と袮音もしっかりヒーロー的見せ場があり、中盤、タイクーンの変身には鳥肌が立った。
鳥肌ポイントは他にもいくつかあり、特にアクション面で見応えあるカットがかなり多かった。Vシネではあるが、映画館上映を意識していると思われる迫力があり、満足感が高い。

物語としては2本の筋が絡むが複雑ではなく、スッキリ観やすい構成だったのも良かった。
正直に言うと、どう考えても昨年末の冬映画より熱量が高いし「劇場版」である。基本的にニチアサ作品はクロスオーバーより単体の方が面白くなるのではなかろうか。
ギーツも一年間テレビシリーズを観たが、一番ギーツを面白いと感じる事が出来たのが良かった。近年のVシネでもピカイチの作品だったと思う。

そんな面白さの中に、現代的な風刺、メッセージもありファンが語り継いでいく価値のある一編である。
衝動的にパンフレットもゲットしてしまった。
これが映画館の楽しさなのです。

製作陣の底力を見た

はい、予想外に良かった、というのが感想です。
元々ギーツはテレビの頃から面白いと思いつつ、カブトと鎧武を足したような作品で新鮮味は無いな~といった印象でした。昨年夏と冬の映画をもってしてもそのイメージは変わっていなかったのですが…今回のVシネで、

「現状、令和仮面ライダーの代名詞はギーツだな」

と思える程に個人的評価が上がったんですね。

ギーツのデザインは近年の中でも出色のカッコ良さだと思っています
今作で初登場の金ギーツ、ドゥームズギーツも見た目で強さが判るのが良かったですね

今回、このギーツもそうですしバッファに念願の強化フォームが登場します。さらにその強化フォーム誕生までがしっかりドラマになっていて、正に「ヒーロー物」の熱さを感じさせてくれるものでした。
「所詮、小話」的に軽く見ていたVシネのハードルを軽く越えて、これこそ劇場版では?という域のストーリー、アクション、そしてテーマを見せてくれました。監督はおなじみ坂本浩一さんですが、彼のアクション好き、美女好き(笑)が如何なく発揮されていてそれが見所に直結していたんですね。

今回のゲストキャラ、葉月。
ツムリ、祢音、沙羅と女性陣がとても美しいギーツですが、
彼女もまた双肩を成す美女でした
ラストバトル、TVシリーズで一年戦い抜いたこの3人の共闘に
清々しい最終回感がありましたね

小話で終わってたまるか、というスケール感と、バッファ=道長にフォーカスしたVシネらしさが共存していた、これまでのVシネでも一番の出来ではないかと思える作品でした。
テレビではグリーンバックによる合成が多かったアクションも、坂本監督の方針でワイヤーを使ったリアルな撮影をやっており、ギーツの戦闘シーンではその超常的な動きを堪能出来ます。また、景和役の佐藤くんが元々ダンスグループのオーディションからこの世界に入った、という経緯を持つことを活かした生身アクションを披露してくれていますし、祢音もまた頑張っていました(笑)。
それぞれの成長が感じられる点は「最終回後」でしたし、誰もが幸せになれる世界、を掲げる道長の言葉にこれが本当の最終回、という空気も感じ取れました。予告で最後の物語、と謳っていますしね。

今回は、英寿と道長のW主役として撮られたそうです
Vシネ・仮面ライダーバッファでもあったんですね

思えば、平成仮面ライダーの初期作品から「人間と怪人の共存」を描いてきた中で、このギーツもそこに切り込んできました。今回、道長と春樹の絆がそれを指し示したように、令和の時代もまた仮面ライダーの普遍的なテーマに挑み続けていることを実感したんですね。

ここに、ルーティーンとなって陳腐化する映像作品…のような埋没を良しとはしない、製作陣の意地を見た気がします。

先の時代に進み続ける、それが長期シリーズの在り方

ギーツは一つ前の作品になりましたが、現行と呼べる仮面ライダーがこれだけの作品になるのであれば、過去作を掘り起こす必要も無い気がしてきましたね。
オーズ、ファイズの続編が周年記念を理由に作られていますが、作品の良し悪しはともかくそれに併せて新しい玩具を売らんとしているのであれば、とんだ愚策である…と、5万越えのベルト玩具に冷めた目を向けざるを得ません。まぁ、5万ではないですが2年前、Vシネに感化されてベルトを買ってしまった人間の言えることではないですが(殆ど遊ばず、手放してしまいました)。

この2本、物の良い悪いはさておきやはり同窓会の域を出ていなかったり、同窓会にすらなっていなかったり…と今は感じてしまうんですね。
特にオーズ、TVのOPがそのままEDで流れましたがどう考えても合っていない。ちゃんと新曲が流れたギーツVシネと熱量差を感じずにいられません。

新しい作品が現在の時代性も汲み取りしっかり面白い作品になっているのであれば、こういった「歳を取ったヒーロー」の出番は要らないのだな…と感じた、令和の名作・仮面ライダーギーツの「最終回」への感想でした。

今回のVシネ、TV版ギーツの第50話と位置付けても良いと思っています。

余談ですが、英寿ってとんでもない美形ですよね
彼(簡秀吉)の今後の活躍にも期待です

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