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【雑記】もっとスケール【楽器の練習】
目標は立てないがテーマは持っておく(楽器の練習編)
まだ一応1月だし、今年やりたいこと、みたいな話をしてもいいですかね。
前回、今年は敢えて具体的な目標は立てない、と書きましたが、ざっくりした今年のテーマ、みたいなのはやっぱりあります。
音楽活動そのもの、作曲やDTMでの取り組み、プログラミング、仕事、料理、暮らし、いろいろなトピックでテーマがぼんやりあるのですが、今回は楽器の練習について。
まあ、書きながら考えを整理していこうという記事です。【雑記】とついている記事はだいたいそんな感じです。
前提1.ギターの即興演奏がうまくなりたい
私はギターを弾きます。ロック、ブルース、ジャズなど中心で、即興演奏をすることに関心が強くあります。特にリスナーとしてでなく自分がやる場合、完成した「作品」そのものよりも、生み出す「過程」の方に意味や価値を見出す傾向があるかも。
即興は高速で行う作曲であり、作曲はゆっくり行う即興演奏だ、と誰かが何かで言っていました。実際私も、作曲するとににも即興演奏的な感覚を使っていると思います。何か思いついて弾いてみる、歌ってみる、録音する。それに反応してさらに何か弾いたり歌う。それを積み重ねてなんとなく曲にしていっている。という感じです。
漫画とか小説のストーリーを作るときに、全体を俯瞰して構造を作るのではなく、まずキャラをしっかりイメージして、各キャラにそれぞれ行動させていった結果何かのストーリーが生まれる、みたいな、そんなやり方があると聞きます。即興演奏も同じと言えるかも(ライブの即興演奏は、あとから推敲できない分、よりエクストリームともいえる)。
そもそも、私はたぶん「演奏すること」自体が「楽曲を作ること」より好きですね。まず良い即興演奏ができるようになりたい。結果として、私の作り方だと作曲面にもいい影響が出る、と思う。
「ストーリー練るより、個別のキャラや設定を考えるほうが好き」な作家さんと並べて語れるのかは謎ですが、ちょっと似たような感性・メンタリティな気もしてきた。
前提2.音楽は言語:掴みどころが無いが、要素分解はできる
しかし即興演奏は、確かにその場で思いついたことをやるわけですが、決して「霊感」のようなものに従って指が勝手に動いて音楽を奏でてくれるわけではないのです。そういう天才もいるのかもしれませんが、私には無理です。
「音楽は言語のようなもの」だと、チャーリーパーカー本人?またはチャーリーパーカーを評する文章?で誰かが言っていたのですが、これはやればやるほどその通りです。言語における単語、または音素?文法?正確に例えを対応させるのは難しいですが、音楽においてはスケール(音階)やコード(和音・和声)、リズム、モチーフとその展開、色々な要素に分解して考えることができます。それら要素ごとに「発音練習」したり、繋ぎ合わせて「作文」するよう練習を繰り返して身につける、準備無くしては即興演奏は難しい。たぶんフリーインプロであっても、ある種の訓練は必要になるのではないでしょうか。
とはいえ、どんなふうに要素分解しても、それは便宜上のものでしかなく、要素の足し合わせだけで魅力的な音楽が作れるかというと話が違ったりします。要素還元主義の限界を感じます。例えばコードの構成音を、7th,9th,#11th..とテンションを加えて複雑化させると、そのうちスケールの構成音を全部鳴らすのと同じことになる。つまりスケールを演奏するのと、コードの分散和音を演奏するのは同じことなのか?とか、ぐるぐるとループして捉え所がないのもまた音楽。でもこのぐるぐる考えるのをちょっとずつ進めて行くことで、音楽そのものの全体像にもちょとずつ近づける気もする。
要は、つかみどころが無いからと言って漫然と取り組むよりは、とりあえず何かの要素に着目してやるのがいいよね!ということ。シャドーイングだけしてて英語がマスターできるかは分かりませんが、「シャドーイングしまくった時期がある人」は何もしなかったよりはマスターに近づいてるはずみたいな。(ちなみに私は英語はさっぱりです)
本題.今年はスケールを学習します
で、今年は「スケール」を主軸に置いた考え方、演奏法にフォーカスしてみるつもりです。
今まで親しんできたチャーチモード以外の、あまり触れてこなかったスケールに急速に興味が湧いていて、具体的にはダブルハーモニックスケールに今は関心があります。※個別のスケールの解説考察は追々、別記事でやります、たぶん
他にも、オーギュメントスケール、コンディミやホールトーンスケール、ハーモニックマイナーやハーモニックメジャーのモード、日本の伝統的な旋法などにも手を伸ばそうかと。
研究の軸.同主調でのスケールチェンジ
研究する上で一つのポイントにしたいのが、「同主調」でのスケールチェンジでどこまで弾けるか?ということです。
同主調というのは、厳密にはハ長調(Cメジャーキー)とハ短調(Cマイナーキー)のように、中心になる音、ルート音が同じ長調と短調の関係を指します。私は拡大して、「中心音が同じあらゆるスケールの集合」という意味で言っています。
つまり、曲のあるパートで部分転調が多少あろうが、キーCで始まりキーCで終わるなら「C xxxxスケール」の組み合わせで弾きたい。部分転調のときにxxxxに入るスケール名が「ハーモニックマイナー」「ミクソリディアン」「エオリアンメジャー」など、色々変わってもいい。スケールは変わっても、中心になる音が一定の方が、自分にとっては捉えやすいかも、と思ったのです。
部分転調したコードの上で弾く時、脳内での捉え方として「ルート(もっとも中心となる音。ドレミファソラシドのド)が違う音になった=転調した」と考える方法もあるわけですが、「ルートは同じでスケールが変わった=長調から短調になったり、ドリアンモードからミクソリディアンモードになったりした」みたいな考え一本槍で、楽曲を解釈できないか、という試み。
ブルースっぽい演奏の時にメジャーペンタとマイナーペンタを切り替えて弾く、くらいの感覚で、多様なコード進行に適応したり、表現できると楽しいな、と。そのために、適用できるスケールの知識量を増やそうという魂胆です。
各スケールからどんなハーモニー/和音が生み出せるかの組み合わせや、各スケールをどう歌わせるか、など、考え出すと学ぶことは途方もないです。が、とりあえず1年くらい雑多に取り組んでみたら、何か面白い気づきに繋がらないかなー、と。
この研究の途中経過はちょこちょこ書きます、多分。何かしら、他の人にも有用な方法論レベルまでまとめ切れるといいのですが、そこまで頑張れるかは分かりません。。