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「ニンゲン」という名の、 "食い尽くし系"生物

食卓に並んだ料理を他の家族構成員が摂取する量を全く考慮せずに食い尽くす夫という、デリカシーの無いタイプの人間が、現在SNS内で"食い尽くし系"というミームによって揶揄されている。

"食い尽くし系"の批判対象は、その個体の価値観を醸成した社会である。妻という役割の中に子供を教育するという物は認められても、夫という他人の親の子供に対する教育不足を補う役割を押し付けられるのは理不尽だという事だ。

批判は至極真っ当で、その夫を教育によって矯正する義務までは存在しない。義務はなくとも、その有害行為を批判しなければ生活に支障をきたしてしまうので、実質的に義務があるのと同じになるかもしれない。妻という役割が基礎的に持っていない追加労働を課せられた事については気の毒だとしか言いようがない。

しかし夫の影響によって、通常より食い尽くし行為を受け継ぎやすい子供に対して、食い尽くしという行為に批判的な価値観を育ませる追加の教育義務は発生してしまう。

そうでなければ、食い尽くし個体とパートナーシップを結んだことで、食い尽くし個体が性淘汰から免れたという事実があるので、食い尽くし行為を伝承する社会に加担している事になり、自身が自身の批判対象に組み込まれてしまう。親が悪いというロジックで責任を押し付けることが可能なら、またその親もその親が悪いと責任を放棄し、やがてその責任は遡れない死人にまで行きつき、問題解決にならず、憎しみの連鎖はずっと続いてしまう事になる。

トリコのラスボス(ネオ)

地球上の資源を食い潰し、繁栄した恩恵を一身に浴びる人類は、「暴食」(食い尽くし)という原罪(カルマ)を背負っている。トリコのラスボスであるネオ(究極の食い尽くし系)は、ヒト以外の動物達にとってのニンゲンである。

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