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マジかよ?イーロンマスクがDOGEで寝泊まりしてるらしい
おはようございます!ニュース連動型おじさんだっくでございます。
今日1/30は、3分間電話の日。昭和っぽい話が続いて恐縮だけど聞いてよ。1970年(昭和45年)のこの日、日本電信電話公社(略称:電電公社、現:NTT)の市内電話の料金が3分間10円になったんです。
平成以降民「へー?」いやいやいや、これは結構大事なことだったんですよ。
公衆電話からの料金で、それまで1通話10円で、時間は無制限だったんです。「嘘?マジで」マジですよ。そりゃ無理過ぎだろってことで、3分間10円は長電話防止のために始められた訳。
長らくそういう時代があって、2024年1月1日から、距離に依存しないIP網への移行のおかげで固定電話の通話料金は全国一律となって、固定電話から固定電話への通話が全国一律で9.35円/3分になったんです。
まあ、スマホ全盛になって知らんよね、こんなこと。
さて、今日は世界一の大富豪イーロン君が、マジになってるって話をします。彼は超お金持ちで、火星に行きたくて色んな企業スペースX、テスラ、ニューラリンクなんかを大きな企業に育てた凄い人です。X(旧Twitter)のオーナーとしても有名。
そして、色んな意味で頭がおかしいことでも知れ渡っています。天才という意味でも、偏向しているという意味でも、言葉通り「外基地」という意味でも。
そんな彼は今をときめく第二次トランプ政権の中枢で政府効率化省(DOGE)のトップとして、政府職員数の最適化(クビにして総取っ替え)のための準備に余念が無いようです。マジになったイーロンを見てみようじゃあーりませんか?
マジかよ?イーロンマスクがDOGEで寝泊まりしてるらしい
ワシントンDCのDOGEオフィスで寝泊まりしているという報道があがっています。Elon Musk Tells Friends He’s Sleeping at the DOGE Offices in DCというWIREDの記事をベースにお伝えします。
タイトルを副題をそのまま和訳するとこうです。
「イーロン・マスク、ワシントンのDOGEオフィスで寝ていると友人に語る-Twitter とテスラの戦略をそのまま踏襲し、イーロン・マスクはホワイトハウスのすぐそばでキャンプをしているようだ」
個人的な感想としては「またかよ」です。
何故なら、イーロンは、テスラの工場の床で寝るのが日常茶飯事なこと、まだ社名がTwitterだったころのXで寝泊まりし、トイレを探して歩き回るのが非効率だから滞在中にフロアを歩き回らなくても済むように、オフィスの隣にトイレを設置しようとしたことは、アイザックソンの伝記にも触れられていた。
イーロンマスクは毀誉褒貶のある人物で、極めて奇妙な怪物ではある。ただ、彼を知る上でこの2冊は必読です。はっきり言って読まずに彼を語るなどお話にもならない。それくらいイーロンを俯瞰し冷徹に書いています。
話戻って、彼の行動としてこれはすごく自然でこれまでの姿勢から矛盾していません。彼は下手な日本人より現場ありきの人間であり、その理念は工学的な知識に依拠するところが大きいです。
一見精神論に見える「泊まり込み」には、彼の本気度や周囲にそれを見せつけて威圧する目的もありますが、それ以上にプロセスを組み立てるという面でこれ以上無く本質的。まあ、巻き込まれた下や周囲は溜まったものじゃないのですけどね。
で、DOGEに寝泊まりしている証拠はあんの?
うるせえ、証拠厨!無えよ(うっぜえなあ)
記事では、あくまで伝聞でこうやってるらしいという話でしか無いです。ただ、彼なら十分あり得るということです。
DOGEオフィスはワシントンDCのアイゼンハワー行政ビルにあります。ここは、ホワイトハウスのほど近くに位置しており、マスクは連邦政府への影響力を強化しようとしているように見えます。
で、DOGEでの民間からの職員募集要件知っていますか?天下無双に優秀な人材を求め、且つ週80時間以上の労働を求める厳しい基準を設けています。その上「報酬は期待するな」です。まあ、支出を減らす組織にあってお金をじゃんじゃん出すじゃ合わないですよね。
で、彼はテスラやXでやったように、従業員に対するコミットメントを示し、士気を高めるためには率先して自分がやるのです。それも異常なレベルで。
一部では過剰な働き方を強いるとして批判もあるけど、残念なことに結果を出しちゃうものだから手に負えません。アメリカが先進的でホワイトとか信じているピュアな人も日本にはまだまだ生息しているようですが、それはあまりにお花畑過ぎます。
イーロンに始まった話では無く、いわゆるエリート層は働くところでは死ぬほど働きます。メリハリはあるけど、少なくともホワイトでゆるめなんて環境はあり得ません。
まあ、一部の西海岸側の情報処理系は確かにホワイトでゆるめな環境も多くありましたが、今は取り過ぎの反動で成績下位二割をクビとか平気でやるくらい状況が変わっています。ある意味Xでイーロンがやっていた粛正地獄は他者に取っては良い教本ですし、都合の良い言い訳(エクスキューズ)でもあります。
政府効率化省(DOGE)について
ご存じとは思いますが、政府効率化省(DOGE)について簡単におさらいをしましょう。
政府効率化省(DOGE: Department of Government Efficiency)は、2025年1月20日にドナルド・トランプ大統領が就任後に設立した新しい政府組織です。
当初は政府外からの助言機関として構想されていましたが、大統領令により正式な政府機関として位置づけられ、大統領首席補佐官の管轄下に置かれています。各連邦機関にもDOGEチームが設置され、組織全体での連携が図られます。
この組織は、イーロン・マスクが率いており、その主な目的は連邦政府の効率性と生産性を最大化することです。具体的には、政府の技術とソフトウェアの近代化、過剰な規制の削減、無駄な支出の削減、そして連邦政府機関の再構築に取り組むことに専心する訳です。
米国が建国250年を迎える2026年7月4日までの期間限定で設置されています。
いかにもイーロンが大好きなスキームですが、元々はヘリテージ財団のプロジェクト2025の中期計画(既存政府職員を民間要員と差し替えるなど)に沿っていてイーロンがオリジナルという訳では無さそうです。
イーロン君の献身的で愛ある姿勢は世の中に届くの?
まあ、ある程度は届きそうですね。WSJで以前以下のような記事がありました。
「この国のために、それ以上に国民のために働く、とてもユニークな方法だと思う」。ペンシルベニア州在住のアームストロングさんはそう話した。彼女は公認会計士で、財務や業務運営の分野で30年以上働いてきた。
アリゾナ州立大学経営学修士(MBA)プログラムの1年生、ディーン・タッペンさん(27)は夏の間に1、2カ月、DOGEで働きたいと考えている。金でやる気は起こらないという。彼は今、破綻して業務を縮小している暗号資産プラットフォームに助言するコンサルタントでもある。
「重要なのは経験、学習、成長だ」
タッペンさんは連邦政府の歳出や政府のプログラムを扱う仕事をした経験はない。だが連邦政府について、民間の財務計画や分析のスキルが通用する大企業のようなものだと考えている。
デラウェア州在住で電気インフラ製造企業のアナリスト、ジェームズ・タッグさん(26)は、DOGEはマスク氏やラマスワミ氏の下で働くチャンスだと話す。 「ビジョンを実現するために喜んで何日でも費やす用意がある。DOGEが先頭に立てば、米国は持てる能力を最大限に発揮できると思う」とタッグさん。「(マスク氏らの)活動に参加する人々と知り合うのは非常に貴重だ」
片やアメリカという国に対して貢献したいという真っ直ぐで純粋な思い、片やインターン的に「無料で仕事のネットワークを作れて、イーロンの仕事の仕方を吸収できるなんてこんな美味しいことはない」という貪欲なまでの前向きさ。
抱えている思いはそれぞれだけれど、貢献しようという面では一致しています。こういう集団に対しては、イーロンの姿勢は思い切り刺さります。
正しいとか間違っているじゃないのです。彼のビジネススタイルがこれまで多くの人間の運命を狂わせ、人生を搾取しながらも結果を出してきたように政府の運営における革新を促進することに期待を寄せる人達が多くいるのです。
個人的にはそれは誘蛾灯のようにも見えます。
コンビニや街灯なんかにしかけられたアレは、紫外線や特定の波長の光を発することで、昆虫の光に集まる性質(走光性)が働いて、自らふらふらと誘引され、バチッとなって命を散らします。
これまでのイーロンの場合なら、試練を通り抜ければ栄光の座を得られるのですけれど、DOGEではどうなんでしょうね?
DOGEには問題は山積していますけどね
マスクの行動は、政府の透明性や倫理に関する懸念を引き起こしているとも言われます。
彼の影響力が強まる中で、彼自身は複数の私有企業のTOPでありながら政府の運営における利益相反となる懸念は以前から指摘されています。
もし、私的な都合で政府組織の判断を自企業に都合良くさせてしまうのであれば、透明性の欠如が批判されて然るべきでしょう。もし、このような状況を甘受すれば、政府の信頼性を著しく損なう恐れがあります。
また、競合他社から不公正との誹りを免れ得ない状況も発生するでしょう。既に政商そのものではないかとすら言われていますし、トランプ肝いりのAIプロジェクトに冷や水をぶっかけたところを見ると彼のリバタリアン的な自重の無さが状況を暗転させる可能性もあり得ます。
DOGEと言えば、元々はビベック・ラマスワミ氏とイーロンの二人で担う共同ミッションでした。ですが、オハイオ州知事選に出馬するという理由でラマスワミ氏はDOGE立ち上げ前にその身を引きました。
この件は実際は、イーロンが支持する歳出削減の実現にDOGEの注目が集まる中、ラマスワミ氏が主導していた規制や官僚機構の削減に注目が集まらなくなったとか、イーロンが支持する高度技術者向け「H1B」査証(ビザ)を一部の米ハイテク企業が外国人労働者を雇っている理由の一つは、米国に「あまりにも長い間、卓越性よりも凡庸さをあがめる風潮があった」からだとXで書いちゃったことが問題で決別に至ったとも言われます。
わかりやすく言うと、自分の主張を軽く見られたことにムカついたのと、「所詮イーロンたちは都合が良い奴隷が欲しいだけだよね」という本当のことを口走ってしまって周囲(主にイーロンとトランプ)に激怒されたからです。
マスク氏とラマスワミ氏「離別」の内幕(WSJ)
同日には、全く別件でDOGEの法律顧問にビル・マッギンレー氏の辞任も報じられていました。表向きの理由は、民間セクターへの復帰を計画しているためですが、何かしらよろしくない都合があったのではないかな、なんて僕は思っています。
そこに愛はあるんか?
どうなんですかねえ?僕が知る限りはイーロンにも愛はありますよ。主に自己愛と自己愛と自己愛が。
一応、見かけ上、奥さんも愛しているし、12人の子どもを溺愛しているように見えます。2024年12月6日の議会での初会合に4歳の息子のエックス・アッシュ・エー・トゥエルブ(通称X)を肩車して連れてきたくらいです。
でもまあ、名前の付け方からも彼の愛は独特です。娘エクサ・ダーク・サイディリール(現在はYに改名)や、テクノ・メカニクス(タウ)など、イーロンやりたい放題です。
だから、愛がないとは言えませんが、彼の溺愛ぶりはある種の演技性というか「こういうのが愛っぽいよな」というテクスチャに見えてしまいます。
基本的にイーロンの本質は自己ありきです。火星で人類を存続させるという壮大な宿願も基本的に自分軸ですからね。
そんなわけでDOGEについても、これまでの路線で頑張るようですが、どうなんでしょう?僕が知る限りは、彼には愛と情熱があります。ただ、余人が広く認識するそれとは極めて異質で相容れないものです。
さてはて、実施にあたりどう推移するか?怖い物見たさ、見世物小屋の珍獣を見る感じで眺めております。彼岸の火事がこちらまで及ばないことを強く八百万の神様達にお祈り申し上げます。
あなたはどうですか?
ではまた
マシュマロやっています。
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