![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165410076/rectangle_large_type_2_79d4fc52c53b15f9ffdafbdf5d87cdba.jpeg?width=1200)
ハリネズミ症候群なぼくらと会社をエンゲージする社内ラジオ
おはようございます。自分の好奇心にドライブされて知らないことを調べるのが大好きなだっくです。
タイトルに「ん?!」と思ったあなた、僕と同じアンテナがありますね!しばしお付き合いくださいませ。
さて、結論からまずお伝えしましょう。社内報でコミュニケーションが取れてるというのは結構厳しいのが現実。アメリカで禁止見込みのTiktokのように動画、せめて音声のような人間の存在を実感させる手法として社内ラジオは結構面白そうだし企画しようかしら。では、そのことについてお伝えしますね。
なんとなくハリネズミ症候群なぼくら
「ハリネズミ症候群」とか「ハリネズミのジレンマ」って聞いたことありますか?
他者との関係において近づきたい気持ちと、近づきすぎることで傷つけ合うリスクとのジレンマを表現したものです。
この概念は、ショーペンハウアーの寓話から派生したもので、2匹のハリネズミが寒さをしのぐために近づこうとするが、針によって互いを傷つけることから、人間関係の難しさを示しています。
まあ、ビミョーでめんどくさいツンデレ的なぼくらを指す言葉です。
なかなか世知辛い昨今世間話なんてやってる場合じゃないよね
わりと規模がある会社だと社内でも顔を合わせたことが無いような人が沢山いて縦割り横割りといった繋がりが半径15メートルくらいで完了しちゃっていたりすることは珍しくありません。
勿論、取引先なんかも含めて遠隔地などもメールもすればビジネスチャットもするし、なんなら電話でもZoomでもGoogleMeatでも手段は色々あるのです。ただあくまで何かしら目下の目的もあり時間も限られる中ですから無駄話なんかとてもじゃないけど出来ない。
それにコロナを切っ掛けにリモートワーク環境が導入されています。オフィス回帰はAmazonなんかを筆頭にガンガン進められたり、イーロンマスクみたいに会社来ないなら即クビみたいなCEOがそこそこ出てきたりはいる昨今ではあるけれど、直接顔つきあわせて仕事なんて同僚ですらする機会が無くなってきています。
そもそも忙しすぎて世間話なんてやってる場合じゃないよね、なんて世知辛いお仕事事情を抱えている方も多いのが現実というんものです。
でも、人間そうなると孤独を抱えたりするちょー面倒くさくて我が儘な生き物だったりします
人と触れあったりするのがうざーい、会社の飲み会や旅行会なんて昭和の慣習なんてとんでもない、それ身体と時間を拘束するんだけど給料出るんでしたっけ?等という言葉は令和以降よく聞くご感想です。
こういった考えを持つ一方で何故かそれを口にしたような人達が同じ口で「会社のビジョンが分からない」「上長や同僚の気持ちが分からない」「ロールモデルが見当たらない」「自分の成長が見込めそうに無い」などと言い出して孤独感や閉塞感を募らせた挙げ句、「そうだ、転職しよう」となるのは良くある光景です。
無論、そこは職業選択の自由があり、お好きにどうぞ、という話ではあるのです。ただ、こういった方々のありがち傾向は転職先でも「希望を持って入ったのに思ったほど活躍できない」「まわりからの期待が即戦力扱いで重い」とかミスマッチ感覚を持って次なる新天地を求め、自分探しの永遠の旅に出かけたりします。
ケースバイケースで一概には言えないのですが、人間は距離感の調整がちょー面倒くさくて我が儘な生き物だったりします。案外青い鳥はそばにいたりするかもしれませんが、それに気付かないし、気付かせない方が悪いと転嫁したりするのです。
社内報という古くさい方法もあるけれど
それなり以上の規模の歴史がある会社なんかだと社内報があったり、社内サークル(部活?)なんかがあったりするけれど、今ひとつ機能していない感じが拭えません。
ある調査によると、社内報を発行している企業は63.6%に対し、社内報を読んでいる社員は40.4%なんだそうです。
まあ、読まないですよねえ。分かる分かる。
まず、紙で印刷されていたらそれを回覧されたりするのもうざったいし、一人一枚とか配布されたら貰って即捨てる訳にもいかない。社外秘相当が載っていると下手なところで捨てたりも出来ないから処分に困ったりする。
もし、電子ファイルで配布でも面倒くさい。しっかり体裁を整えてプロもどきのレイアウトや企画とか満載のPDFファイルをメールとか社内ポータル経由で配られたりする。まずPDFってだけで開く気が起きないし、パッと概要も頭に入らないし、そもそも興味をひくコンテンツが無いとないないづくし。
作る方も薄々理解しています。一生懸命時間使って見てもらえるようなものや知ってもらいたいことをまとめあげたけどこれ届いてないんだろうなあなんて感じると空しさだけが募るわけですね。
いわゆるエンゲージメントが取れない状況です。Win-WinではなくLose-Loseの負け犬的なダークマテリアル化待ったなしな感じですね。
ちょうど良い距離感でエンゲージメント取りやすくしたいよね
お互い結構欲求としてはあるのですよね。情報交換したい。それだけじゃなくて、なんか気持ちというか志というか魂というかそんな不定形な情動みたいなものを伝えたいし、伝えられたい。
伝えられたい側はツンデレだし、伝えたい側はそこにリーチすることが出来ない隔靴掻痒感を持っていたり、そもそもが鈍感だから伝わっていないことに気付いておらず「やった感」だけ持っていたりします。不毛ですねえ。
こうやって構造を見ていくと、すれ違いを繋ぐためのラストワンマイルというか手段の選択の問題のような気もします。
需要はお互いにあって、ただ波長が合わないというかビミョーなズレによって結果は破壊的なことになってしまっているというのは、端からみるとギャグなのですが当事者的には悲劇です。
社内ラジオというアプローチ
社内ラジオとは
社内ラジオは、企業内で音声コンテンツを配信する新しいコミュニケーションツールとして注目されています。
この形式は、従来の紙やWebによる社内報とは異なり、社員同士の距離を縮め、リモートワーク環境においても効果的に情報を共有する手段です。
社内ラジオでは、経営者からのメッセージや社員のインタビュー、業務関連の情報などが音声で伝えられ、社員が気軽に参加できる場を提供します。
社内ラジオによるエンゲージメント向上
社内ラジオによるエンゲージメントの向上は、多くの企業で実証されています。
具体的には、社員同士が互いの人柄や趣味を知ることでコミュニケーションが活性化し、職場への愛着が生まれることが認められています。
リスナーは、ラジオを通じて他の社員の声を聴くことで孤立感が緩和され、会社への帰属意識が高まっているようです。
また、フランクな会話が促進されることで、「雑談してもいいんだ」という雰囲気が醸成され、働きやすい環境が整うと言われています。
実際に社内ラジオを利用した評価
社内ラジオの評判は非常に良好です。
導入している企業として、手軽さや親密感を挙げています。社員は仕事中や通勤中に音声を聴くことができるため、忙しい日常生活に無理なく取り入れられます。
また、ラジオ形式はスピーカーの人柄をダイレクトに伝えることができるため、視覚情報に頼らずとも感情や雰囲気を感じ取ることができるとのことです。そのため、社内文化や理念の浸透にも寄与し、多くの企業で高い評価が挙がっているそうです。
単なる情報発信の手段にとどまらず、企業文化を育む重要なツールとして、自社のニーズや社風に最適化した内容や形式で社内ラジオを運営出来るという小回りの良さや柔軟性が企業、リスナー社員両方の需要を満たしているようです。
オフィスエンニチの事例
一例としてオフィスエンニチという社内ラジオ企画会社の事例を紹介します。
株式会社オフィスエンニチについて
株式会社オフィスエンニチは、2023年に設立された企業で、社内ラジオを通じて新しい形の組織コミュニケーションを提案しています。
大阪府守口市に本社を構え、代表取締役の高間俊輔氏が率いています。この会社は、社員を企業のファンにすることを目指し、音声メディアを活用した情報発信に力を入れています。
ビジョンと目的
オフィスエンニチのビジョンには、以下の三つの柱があります。
祭りをつくることは、創造的なアイデアを楽しく展開することを意味します。これは、参加者が自由に発想し、独自のテーマやコンセプトを持ったイベントを企画するプロセスです。
次に、縁をつなげることは、仕事を通じて新たな人間関係を築くことに他なりません。ビジネス環境では、同僚とのコミュニケーションが非常に重要であり、共通の興味や趣味を見つけることで関係性が深まります。職場での良好な人間関係は、業務の生産性向上や仕事への満足度向上にも寄与します。積極的にコミュニケーションに加わり、相手の話に耳を傾ける姿勢が大切です。
最後に、円のような強い組織にするためには、組織の文化や構造をしっかりと築く必要があります。強い組織は単なる人員の集まりではなく、共通の目標に向かって協力し合うチームとして機能します。明確な企業理念やビジョンを掲げ、それに基づいた行動を促進することで、メンバー間の信頼関係が築かれます。また、オープンなコミュニケーションや挑戦的な姿勢が組織文化として根付くことで、柔軟性と持続可能性を持った組織が形成されます。
これらのビジョンは、社内ラジオによって実現されることを主目的としているそうです。
サービス内容と導入事例
オフィスエンニチは、企業向けに社内ラジオ番組の企画・制作・編集などのサービスを提供しています。
具体的な導入事例として、大阪市生野区にある靴製造業の株式会社リゲッタでは、2020年から社内ラジオが運用されており、定期的に配信されています。
株式会社リゲッタは靴製造販売業を営む企業で、社員数は50名、2018年の売上は約17億円です。社長の高本氏は、社員に自分の言葉で想いを伝えたいと考え、社内ラジオを導入しました。
朝礼では飾られた言葉になりがちだったため、社長の考えや価値観を発信することを目指しました。社内ラジオは毎週2回、各回20分間放送されています。
導入後、社長の考えを理解できた社員が6割超、共感した社員が5割近く、他部門への理解が深まった社員も6割以上に達しました。また、ラジオを聞いたことで意識や行動に変化があった社員は8割に上ります。
導入の経緯は、高本社長とのZOOMミーティングでアイデアを相談したことから始まりました。
社内ラジオのコンセプトは「会社をまつりに」であり、社員一人ひとりが活き活きと働く状態を目指しています。副社長もDJとして参加し、社員をゲストに呼んでトークする形式で運営されています。
最初は仕事の説明中心になり聴取数が落ちる反省から、収録形式や内容を改善し、短いエピソードに分割する工夫を行いました。
また、社員の日報をピックアップする企画やテーマトークも取り入れ、多様なコンテンツが提供されています。リゲッタでは、このような試行錯誤を通じて社内ラジオの運営を続けています。
新サービス「採用ラジオ」
2024年には新たに「採用ラジオ」サービスが開始されました。このサービスは、新卒採用におけるミスマッチ解消を目的としており、企業文化や雰囲気を音声で伝えることで求職者との相互理解を深めることが期待されています。
現在、多くの企業が直面している採用課題として、就職後の早期離職率が挙げられます。厚生労働省によると、新規高卒者の離職率は35.9%、新規大学卒者は31.5%であり、この傾向は今後も続くと予測されています。
特に若年層(Z世代)は音声メディアに親しみやすく、社内ラジオを通じて企業文化や雰囲気をリアルに伝えることが求められています。
オフィスエンニチでは、社内ラジオを通じて出演者の感情や内面を伝え、求職者に対して社内の様子や先輩の人柄を誠実に紹介する手段として活用しています。
ラジオは動画とは異なり、情緒的な部分や人間関係を伝えるのに適しており、ツールの特性を理解した上で使い分けることが重要としています。
この「採用ラジオ」サービスは、パーパス理解や文化伝達、内定者フォロー、新人教育など多様なコンテンツを提供し、求職者と企業との相互理解を促進することでミスマッチを減らすことを目指しています。
他の社内ラジオ企画会社
他にも色々あります。社風や要望、予算で使い分けるといいのでしょうね。
課題と展望
社内ラジオには多くの魅力がありますよね。
ただ、一回作ったらそれでおしまいだと多分駄目ですね。そんなわけでどう継続するか?継続的なコンテンツ制作や音質管理などの課題も存在します。
とはいえ、こういった新しいコミュニケーションのアプローチは、企業でうだうだ悩んでいる人達のお悩みを解決したり、職場環境や文化を活性化させる可能性があるかもしれません。
音声というとどうも動画隆盛の現在だと古くさそうに感じますが、テキストは読まない、動画は作るのも見るのも重いといった感じとなると、塩梅良い媒体のように思います。
リアルタイムに一斉放送もありっちゃありですが、アメリカ大統領選挙でトランプが多用して若者へのリーチがむっちゃ刺さったように、オンデマンドで都合が良い好きなときに耳だけ貸すような媒体としてアーカイブで提供するのはアリだと僕は思います。
何回も聞きたい部分が出てきたり、必要に応じて1.5倍速、2倍速で聞いたり出来るし、場所だって選びません。
個人的にはPodCastやVoicy、ラジオアーカイブとか好物なので、「社内でそれってどうなの?」と最初は思っていたのですが結構ありよりのアリだなと思いました。
皆さんはいかがでしょうか?ちなみにもう少し具体的な深掘りも出来そうなんで知りたい場合は有償でやりますんで記事買ってくだちい。
ではまた
ここから先は
¥ 200
日経電子版、Foreign Affairs Magazine等の有償情報ソース、書籍に使わせていただきます!なかなかお小遣いでは購読が難しいのですけど、ここらへん充実できると記事に是非反映してお返し出来ればと思います。