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日本でも青少年にSNS禁止の未来は案外ありえる?

こんにちは、寒いと途端に活動が鈍くなり炬燵と共に生き共に死ぬくらい暖かみを求めてやまないだっくです。みなさま、お元気ですか?二十四節気では過日に小雪を迎え、大雪も近くなりました。

さて、そんな寒い折ですが、更に心寒くなる人が一部で出るかもしれない話題です。

先日オーストラリア政府は、世界初、16歳未満青少年のSNS禁止法案が発案され世界中の耳目を集めました。暴力や自殺、いじめなど「有害な投稿」から子供を守るのが目的で、対策を講じなかった運営企業に罰金を科す、というものです。

「へえ、オーストラリアは過激だねえ」と他人事に捉えているあなた、既に日本でも検討が開始されています。「なにぃ?!」と、本宮あきらの漫画みたいな問答無用な反応はせず、まずはお読みください。

尚、キャッチ画像はAI様に「青少年が政府にSNSの使用禁止をされて暴れている」という絵を依頼しました。想像以上にヤバい絵柄に僕はばかうけしています。


日本でも検討開始する青少年のSNS保護

子ども家庭庁を中心として行っている「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会 第61回会合」にて「インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するワーキンググループ 第1回会合 合同会議」が2024年11月25日に行われました。(嫌になるくらい長い名前にお役所臭が激しいですね)

詳細議事録は非公開です。ただ、どういった目的でこのワーキンググループが開かれたかは書かれています。”昨今のインターネット利用 を巡る青少年保護の国内及び主要各国における動向にかんがみ、インターネ ット利用を巡る青少年の保護に関する課題及び論点の整理をするため”です。

闇バイトが原因かな?

直接は何も書かれていないので憶測ではありますが、恐らくは直接的な切っ掛けは、昨今の「闇バイト」ではないでしょうか?匿名・流動型犯罪グループの略称「トクリュウ」は、犯行グループによって匿名性の高いアプリやSNSなどを通じて犯罪の実行役が集められ、互いの素性も知らずに犯罪の実行犯に仕立て上げる手口は今最もホットな問題の一つです。

闇バイトに応募する人達は、主に「借金などで困っている」「若者」であり、「ホワイト案件」「すぐ稼げる」「簡単」というキーワードでSNSやアルバイト紹介サイトを経路として指示役に自らコンタクトを取ったとされています。

SNSやアルバイト紹介サイトといったプラットフォーム企業に監視や安全策を求め、実行役となりそうな人達へも啓蒙を進めているもののそれだけではこぼれ落ちてしまうこともあると考えられます。

そのため。より直裁的な対応として物理的に危険なプラットフォームへの接続を法的に制御するという観点が出てくることも十分想定出来ます。

取り組みの現状と今後の展開

議事詳細は残念ながら非公開となります。なんだよ、もったいぶりやがって!しかし、議事要旨は公開されるのでその内容をウオッチするか、メディア経由での情報を待つことになるのでまあ大丈夫でしょう。

ワーキンググループにおける議事の公表
ワーキンググループは、非公開とする。ワーキンググループの議事要旨は、
ワーキンググループ終了後、速やかに公表する。ただし、座長は、公表することにより公平かつ中立な議論に支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な理由があると認めるときは、議事要旨の全部又は一部を公表しないものとすることができる。

資料2インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関する ワーキンググループの開催について(案)

そのため、以下に日本経済新聞の記事を引用しつつ、現状と今後についてお伝えします。

日本の青少年のネット利用を巡る取り組みは青少年インターネット環境整備法で定める。直近の基本計画は24年9月にまとめた。3年後に見直す日程が決まっている。WGは25年夏をメドに論点を整理し、見直し作業への反映を目指す。
 同法は青少年を「18歳未満」と定義し、法律の目的の一つに「有害情報の閲覧機会の減少」を掲げる。青少年が使う携帯電話の販売時に携帯電話事業者などに対し、年齢確認や、悪質サイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスの説明義務を課す。

2024/11/26 日本経済新聞 朝刊 ネット利用で青少年保護へ 政府が議論 SNSトラブル増 各国、年齢制限など模索

まず、ここで分かることは広範のインターネットでは無く、ターゲットは主にSNSであるということと年齢を18歳未満としていることでしょう。また、物理的な手段としてのスマートフォンの購入やフィルタリングについても議論の対象となります。

イマドキはスマートフォンは小学生あたりから自衛を兼ねて手渡すのが結構広がっています。こども家庭庁の23年度調査によると、スマートフォンの小学生の利用率は63%で4年前から13ポイント上昇したそうです。

また、ピアレントサービスなどで各家庭でのフィルタリングなども個別には行っていますが、そのカバー範囲はばらつきが大きいでしょう。

そういった実体もあるから、手の回らないところを何とかしないといけない状況はあるので国が手を貸すというのは有り難いことは有り難いです。

裏を返せば、ありがた迷惑なことと捉えられる可能性も結構あるお話です。

これまでスマートフォンやSNSで自由を謳歌していた青少年少女達に取ってみれば、縛り付けられる話なので事が簡単に進むとは思えません。これは当の青少年少女だけではなく、各ご家庭でも戸惑うところがあるのではないでしょうか?

海外事例はどうか?

冒頭に書きましたとおり、オーストラリアが先陣を切って進めていますが各国も思うところがあるようで検討を進めているという話は上がっています。

諸外国は規制強化に動く。オーストラリアは16歳未満のSNS利用を禁止する法案を議会に提出した。国レベルでSNSに年齢制限を設ける初の事例とされ、対応しないSNS事業者には罰金を科す。
 ノルウェーも15歳未満のSNS利用制限を検討する。米フロリダ州では14歳未満によるSNSアカウント保有を禁ずる法案が3月に成立した。

2024/11/26 日本経済新聞 朝刊 ネット利用で青少年保護へ 政府が議論 SNSトラブル増 各国、年齢制限など模索

言論の自由絶対主義者イーロンマスクの反発

余談と行っては何ですが、オーストラリアの法案に対して、デマの伝道師、世界一のお金持ちにして「あたおか」の見本市たる言論の自由絶対主義者イーロンマスクが噛みついています。

まあ、彼は「彼にとっての自由」という信条が全てですし、実はオーストラリアとイーロンの対立はこれが初めてではありません。

「ファシスト」だの「裏口」だのと言う言葉のチョイスからして品がないのですが、オーストラリア側も「この傲慢な億万長者(Xオーナー、イーロン・マスク氏)を取り締まるために必要なことをする。自分が法律より上であると同時に、良識より上であると考えている人物だ」などと応酬しているので、いつものプロレスだなと眺めるのが妥当なところなのかもしれません。

とりあえずイーロン君は、足元のDOGEであれこれやって、テスラやスペースXに利益誘導してればいいのにね。

日本の青少年の未来はどうなる?

さて、議論は始まったばかりなのでどこからどこまでやるのか、どこを着地とするのかは全く決まっておらず白紙に近い状態ですが、このまま放置していてはヤバいぞという日本政府側の懸念は伝わってきます。

政府の取り組みというのは基本的に闇の中では無く公開されていて、このお話も同じです。ただ、報道に乗って一般の人の目に届くかというと扱っている案件が多くてなかなか難しいです。僕も日経を読んでいて「おや、これは」と気付いたからソースを見に行った次第です。

ただ、こうやって事の次第を知ると影響範囲は広く、「へえ、そうなんだ」で看過できるような話題ではないことは同感頂けるのではないでしょうか?

オーストラリアの法案については国民自身の支持は高いようです。ただ、この法案もYouTubeは教育要素があるからヨシ!となっているので、対象選定が「んん?」となるところがありますね。

しかし、日本において全く同じようにXやインスタグラムやTikTokを例外なく18歳未満は禁止とか実施した日には、政治政策と言えばすぐに(´Д` )イェァ スンスンスンスーンとなる日本人でも暴動を起こすかも知れません。

まあ、基本的に内向的でウジウジして根暗なことをやりたがる国民気質から、抜け道を見つけて指示役に指示されずともテレグラムとかの方でアングラ化という道もありそうです。

こういったお話もありますから、今後もウオッチしていきましょうね。ではまた。

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