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勝利の鍵を握る変幻自在な道産子ポイントガード ~ レバンガ北海道 島谷怜 interview ~

インカレ2022優勝という実績を提げて、レバンガ北海道に加入した道産子ポイントガード島谷怜。ルーキーとは思えぬ落ち着きあるゲームメイクを見せたかと思えば、果敢なアタックで得点を狙い、安定したディフェンスでチームに落ち着きをもたらす。今回は変幻自在な道産子ポイントガード島谷怜が見ている景色に迫っていく。(取材日 : 2月25日 インタビュー・写真 宮本將廣)

自分たちのディフェンスをやっていけば戦える手応えを掴めている

宮本 (2月の)バイウィークまでを振り返ってどうですか?
島谷 シーズン途中からスタートで出るようになって、その責任の大きさを感じています。求められていることは試合を安定させることで、特にディフェンスのトーンセットが求められています。スタートで出る僕たちが相手チームに大きなランを作らせないこと。それができれば、(寺園)脩斗さんたちがベンチに控えているので、必ず得点を取ってくれます。今のところはいいバランスでできているとは思います。
宮本 すごく勝てているわけではないですけど、外から見ていてもチームとしていい方向に進んでいる印象があります。
島谷 そうですね。どのチームと戦っても出だしでやられた試合はあまりないので、僕自身もポジティブに捉えています。どのチームが相手だったとしても、自分たちのディフェンスをやっていけば戦える手応えを掴めているので、今後もスタートの5人がしっかりとディフェンスマインドで入っていくことが大事だと思います。
宮本 島谷選手とは大学時代に初めて話しましたけど、4年のインカレを優勝した時に、「虎徹(黒川虎徹/アルティーリ千葉)と一緒に出る時は、コントロールもアタックもできることで自分の強みが活きる」と話していました。個人的には、レバンガ北海道でも同じような役割を担っていると感じています。ベンチから出場していた時は積極的にペイントタッチをしていたし、スタメンでの出場が増えてからはディフェンスのトーンセットをしっかりとして、ゲームをコントロールすることができている。もちろん細かく言えば違うところがたくさんありますけど、大学時代から継続してうまく自分の良さを使い分けられている印象です。
島谷 そうですね。それこそ大学3年生の時はベンチから出ることが多かったので、スタートの流れを見ながらどういうオフェンスをすればいいのか、どういうディフェンスをすればいいのかを考えてプレーをしていました。流れが良ければ継続させるし、流れが悪ければゲームチェンジャーのような役割も求められていました。4年生になってからは、スタートで出ることが多くなって、ゲームの中での安定感も求められるようになったと思います。インカレの時は虎徹の調子が良かったので、僕がサポートに回るケースもあって、そういう経験が北海道に来てからも活かされていると思います。
宮本 今シーズンのレバンガ北海道はガードポジションが多いですが、それぞれの特徴がわかりやすくて、ヘッドコーチからも明確な役割が与えられていると聞きました。ガード陣の中で、それぞれの良さを活かすために話し合ったりなどはしたんですか?
島谷 話し合いみたいなことはないですけど、試合中にこの人にボールを集めようとか、この選手が乗ってきているから気をつけようとか、ここのマッチアップが狙い目だから、ここにボールを集めようなどはみんなで話しますね。お互いがプレーをしながら感じていることを共有する機会は多いと思います。宮本さんが言う通り、それぞれの特徴がはっきりしているので、お互いの良さが元々理解できていることも大きいと思います。脩斗さんが出てくる時は、オフェンス面で脩斗さんが中心のチームになるし、そこにセットで出るガードは(関野)剛平さんや(松下)裕汰さんのようなディフェンス面で特徴のある選手になることが多いと思います。菊地(広人)もそうですね。僕自身は菊地や(中野)司さん、ドワイト(ラモス)と一緒に出ることが多いので、彼らの力を引き出すことが僕の役割だと思っています。

どうやって周りを活かすのか、そのためにどんなセットを使うのか

宮本 ここから21試合は、島谷選手がどうゲームをコントロールして行くのかがすごく大事だと感じています。チームとしての起用方法も固まってきたと思うので、引き続きスタートで出場する機会が多いと思いますが、ディフェンスマインドから入って、いかにリードしてセカンドユニットに繋ぐか。そのあたりはどう考えていますか?
島谷 ディフェンスに関してはチームのルールをしっかりとやることで、戦える自信を得られていますし、コーチ陣からもデータなどを含めて良くなっていることを伝えられているので、継続していきたいと思っています。オフェンスに関しては、ドワイトの良さをもっとハーフコートでもオールコートでも引き出したいですね。ウィル(ダラル・ウィリス ジュニア)も試合の最初に乗ってくれば、継続していいプレーができるプレーヤーです。スタートの中では、この2人が重要な役割を担うと思っています。彼らにより早くいいリズムを掴んでもらうことはゲームメイクをしながら考えていますし、それができるかできないかで試合の結果が変わると思うので、そこを大切にしていきたいです。
宮本 僕も彼らはすごくポイントだと思っていて、リーグ全体を見ても外国籍選手の中で、すごく成長した2選手だと感じています。スタートで一緒に出る中で、ポイントガードとして彼らを乗せるための工夫などはしているんですか?
島谷 ディフェンスに関しては龍さん(小野寺龍太郎HC)がいつも言ってくれるので、特に意識していることはないですけど、オフェンス面ではいろいろありますね。例えば、ウィルに関してはトランジションだったり、ピックアンドポップの時に空いていればシュートタッチを掴むために、最初からどんどん打って欲しいという話をしました。僕としては入らなくてもいい形で打てるのであれば、打ち続けて欲しい。ドワイトに関しては、どういうセットを使うかでドワイトがハンドラーになるかが決まってくるので、彼の調子も含めてどのタイミングで、どうやってボールを預けるかを考えながらやっています。
宮本 ウィリスジュニア選手のポップアウトからのスリーポイントはレバンガ北海道のひとつの武器になっていると思います。もちろん、相手のディフェンスカバレッジに対するカウンターという側面もあると思いますけど。
島谷 そうですね。スカウティングでコーチ陣から言われている部分もあるので、あの動きに関してはスカウティングからですけど、僕としてはそこでオープンになれば打ってほしいと思っています。あとは、他の選手もウィルの性格や特徴を理解してきたことで、彼自身が自分の良さをどんどん出せていると思います。
宮本 どんな感じの性格なんですか?
島谷 陽気なタイプですけど、ちょっとしたことで落ち込んじゃったり、イライラすることもあるんですよ。そこを理解してうまく乗せるのは難しかったですけど、(桜井)良太さんだったり、(寺園)脩斗さんとか、それこそ龍さん(小野寺龍太郎HC)が声をかけてくれていました。彼の気持ちが落ちないように気にかけておくことは大事だと思いますね。
宮本 なるほど。ここからより多くの勝利を掴むことは今シーズンだけではなくて、来シーズン以降にもつながると思います。
島谷 そうですね。ディフェンスがいい時はトップのチームにも通用していると思います。いいディフェンダーが揃っているので、チームのルールをしっかりと守ること、プラスしてリバウンドの意識をみんなが持って、全員で取り切ることができれば勝てる試合が増えていくと思います。あとはクラッチタイムのところでどうやってゲームを決めるか。どうやったら勝ち切れるチームになれるのかを突き詰めていきたいと思います。

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