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『ダブドリ Vol.3』 インタビュー03 渡邊翔太(島根スサノオマジック)

2018年5月31日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.3』(ダブドリ:旧旺史社)より、渡邊翔太選手のインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属等は刊行当時のものです。

B2のアースフレンズ東京Zから移籍、B1でもスタメンとして活躍した渡邊選手。熱心なアースフレンズ東京Zファンでもあるすべすべさんと盟友あつしさんが、我が子のように思っているという渡邊選手とほのぼの対談。

B2の頃はこっちがミスをしても、相手もミスしてくれて勝てることがあった。でもB1ではそのミスに相手がつけ込んでくる。その差はすごいなと思います。

渡邊 こんな感じでお会いするのは初めてだから、なんか緊張しますね(笑)。試合後に喋ることはあっても、こうやって膝つき合わせてじっくり話すことはなかったから。
すべすべ いやあ、確かに。会場でイエーイイエーイとか言いながら、ハイタッチすることはありますけどね(と、おもむろに仮面をつける)。
渡邊 あ、やっぱりお面は取材中も貫き通すんですか(笑)。
すべすべ まあ、取りあえず最初だけ。
渡邊 ハハハ。
あつし この取材に先立って、さっき尾崎俊也会長(島根スサノオマジック)のインタビューをしてきたんだけど、一緒にこの姿で写真撮ってもらったしね。でも笑えたのは、その時、俺たち2人も偶然アスフレ(アースフレンズ東京Z)パーカーを着ていたんですよ。
大柴 えっ、そのパーカー、偶然なんすか。
あつし 偶然です。
大柴 ハッハッハッ。仲いいな。
すべすべ ちょっとアスフレ感出そうと思って、気を利かせたつもりで着てきたんだけど。
あつし 考えていることは同じで、ペアルックになっちゃった。島根の尾崎会長をアスフレペアルックの男たちが挟むという、よく分からない絵になりました(笑)。
渡邊 変な状況(笑)。
あつし 偶然って怖いね(笑)。さて、じゃあ早速、渡邊選手に話を聞きたいんですけど。
渡邊 よろしくお願いします。
あつし すべすべさんと僕は、渡邊選手……翔太をアーリーエントリーの頃から見ているので、子供や孫を見る感じで見てしまうんだよね。
すべすべ そうそう。アスフレファンからすると可愛い我が子がアスフレから巣立って、B1で頑張っているのを見つめる親みたいな心境。
渡邊 ハハハ、そうですよね。ありがたいです。
あつし いつも翔太、翔太って呼んでたし、タメ口で話しかけちゃってたから。だから申し訳ないけど、今回もいつもと同じような話し方でいいかな。ちゃんとした取材なんだけど……。
渡邊 もちろん! そのほうが僕も喋りやすいです。
あつし ありがとう。じゃあまず、今年は昨年まで所属していたアスフレから島根に移籍して、B2からB1に上がったわけだよね。最初に感じた「違い」を聞かせてもらえるかな。
渡邊 まずバスケットのレベルでいうと、勝負所でのミスに関する結果が全然違いますね。
すべすべ ほう。
渡邊 例えば昨年、B2の頃はこっちが勝負所で1つのミスをしたとしても、向こうもミスしてくれることがあった。それで、何とか次に成功したら勝てることがあったんです。でも今年は、同じ1回のミスに対しても相手はしっかりつけこんでくる。その差はすごいなと思います。
あつし なるほど。
渡邊 特に僕はガードなんで、1つのミスで試合を決定づけられちゃうっていうことが多い。
すべすべ 綱渡りのようだね。ミスしたら終わり。一つ一つ成功していくしかないよね。
渡邊 本当そうですね。極端な話、昨年までは、何も仕掛けずにずっと待ってても、相手が自滅してくれて勝てた部分だってあったんですよ。それが今年は、こちらからコツコツ仕掛けていかないと絶対にうまくいかない。
すべすべ うわあ。
あつし 特にガード陣なんてね。B1になれば日本代表の人たちとマッチアップするわけじゃないですか。やっぱり、プレッシャーとか違いますか。
渡邊 プレッシャーはすごいし、プレーの質が全然違いますね。全員、スキルは僕より上手いですから、とにかく相手に呑まれないように、戦う前から名前負けしないように気をつけています。ボールを取られたらどうしようとか、そういうことは考えないようにしていますね。僕は常に挑戦者なんだ、という感じで。
すべすべ それはそうだよね。
大柴 でもプレーは結構、堂々としてますよね。端から見ると挑戦者っていう感じがないぐらい。
渡邊 本当っすか。アハハハ。ありがとうございます。そう見られてたらちょっと嬉しいです。
大柴 例えば、ガードの基本って常に視野を広く、ルックアップしてなきゃいけないってよく言われるのに、意外とみんな下向いちゃったりするじゃないですか。それが渡邊選手ってずっとルックアップしてるイメージがあります。
すべすべ 確かにそうですよね。
大柴 視野を確保してる。常に前を向いているから堂々と見える理由なのかなと思います。
渡邊 ありがとうございます。
あつし それになんかここ最近、体が一回り大きくなった感じがする。
渡邊 あ、本当ですか。そうなんですよ、ちょっとウエイトトレーニング、頑張ってるんで。
あつし (動画を見せながら)ほら、この動画とか見ればわかるけど、ここの肩周りとか……。
渡邊 はい、タンクトップ着られるようになったんですよ。今までは筋肉に自信がなくて、練習ではずっとTシャツだったんですけど、やっと自信ついてきたんで、ちょっとタンクトップ着ようかなと思って。
一同 アハハハハ。
すべすべ B2の時と比べると明らかにガッシリしたよね。やっぱりB1だと、当たりも全然違う? ガシガシぶつかってくるとか。
渡邊 そうですね。それに僕はガードだけじゃなくて、2番(SG)、3番(SF)のポジションやらなくちゃいけない。必然的に体の大きな選手とマッチアップするので、特に当たりの強さを感じます。
あつし 筋肉がついたのは、やっぱB1で練習環境が変わったのも大きいのかな。
渡邊 アスフレも練習環境は良かったですよ。ヤマトフォーラムっていう、冷暖房完備の良い体育館でやらせてもらっていたので。でも島根に来て違うのは、練習会場を使いたい時間に使えることですね。それは本当に助かっています。
あつし 練習は松江で?
渡邊 ではなくて、ここ(松江市総合体育館)から車で20分ぐらいの所にある鹿島総合体育館っていう所です。そこに車で行く。12時に開いて、5~6時まで使える。自主練習とかもできるんで、やっぱりいい環境だなと思います。
すべすべ さっき尾崎会長がその話をしてた。選手がそうやってトレーニングをするための場所とか、そういう環境が重要なんだってことを選手の時に感じたって言ってた。そうか、やっぱ揃えてくれてるんだね。
渡邊 そうですね。
大柴 すべすべさん、しみじみと言いましたね。
すべすべ だってアスフレファンからしたら。
あつし おじいさん感覚だから。
一同 アハハハ。
すべすべ この前も10月、琉球に2連勝した試合を見に行った時もね。本当に嬉しかった。
渡邊 そうですね。タイミング良かったですよ。来てくれた時に連勝できて。
あつし 2連勝して。もうこのまま勝ち進めんじゃん!と思ったんだけどね。そこからがなかなか難しい。いやあ、やっぱB1だわ、一筋縄じゃいかないなと。
すべすべ スカウティングされちゃうっていうか、研究されてしまうのかな。
渡邊 はい、研究されているとは昨年よりも強く感じますね。だからそれを自分でどうぶち破っていくかが大事になるんだと思います。
あつし そういえば大学の頃って元々シューティングガードだったんだっけ?
渡邊 はい、大学のときは3年生までずっとシューティングガードでした。4年生のときにポイントガードもちょっとやらせてもらって。
あつし 最初はPG/SGだったもんね。
渡邊 アーリーエントリーのときはシューティングガードやってて、ちょっとポイントガードもやらせてもらって、みたいな感じだったんです。で、1年目のときに完全にポイントガードをやらせてもらうようになった。
あつし 正PGだったカズさん(中川和之)がケガして。
渡邊 そうですね。
すべすべ 翔太君と、かっちゃん(伊良部勝志)はそこで頑張らないといけない状況になってしまったんですよね。
渡邊 あの時すべすべさんがね。Twitterで「とりあえずドタバタコンビで食いつないでください」ってツイートされてたんです(笑)。
すべすべ そんなこと言ったっけ?(笑)
渡邊 そうですよ、すべすべさんは忘れてるかもしれないけど、俺スクリーンショット残してますから。
一同 ハハハハハ。
渡邊 そのツイート見て、そっか、まあそうやんなあ、みたいな感じで。
あつし カズさん、昨日ちょっと会ったよ。
渡邊 え? 昨日、何かやってましたっけ?
大柴 ウチのポッドキャストに出てくれたんですよ。中川兄弟で。
渡邊 ナオ(中川直之)さんと?
大柴 はい。
渡邊 「マークトゥナイト」でしたっけ。
大柴 そうです。NTRのほうなんですけど。
渡邊 へえー。(ポッドキャストの画面を見せられて)これってどうやって聞くんですか。
(全員でポッドキャストの説明)
大柴 ……それでそこを登録していただければ。
渡邊 ああ、なるほど。
あつし なんか機械音痴多いよね。カズさんもそうだし。
大柴 確かに。どうすれば聞けるのって昨日同じ質問をしてましたもんね。
渡邊 いや、カズさんは35歳やからあれですけど、僕24歳なんで、僕の方がヤバイです(笑)。
あつし ハハハ。カズさんも昨日ポッドキャスト初めて立ち上げてたよ。
渡邊 カズさんも喋ったんですか。
大柴 いろいろ喋ってもらいました。ぜひ聞いてください。
あつし ピー音も入ってるから(笑)。

島根の応援は文字通り熱いというか、前に乗り出す感じ。選手紹介とかすっげえなと思って、結構テンション上がりました。

すべすべ でも多分アスフレファンはね、また島根に見に来ると思うよ。
渡邊 めっちゃ来てくれてますね。
大柴 あ、来てるんですね、アスフレファン。
渡邊 はい。島根だけじゃなくて横浜とか、栃木とか、アウェーの試合にも。
大柴 超愛されてるじゃないですか。
あつし アスフレのファンと島根のファン、何か違いってありますか?
渡邊 どちらも熱狂的というか、「熱い」っていう意味では一緒ですね。ただアスフレのファンの方は……何ていうんですかね、「あったかい」ってイメージのほうが強いんですよ。縁の下の力持ちというか、支えてくれているっていう感じがすごくあります。
すべすべ ほう。
渡邊 もちろん島根の方にも支えてもらっているんですけど、どちらかというと島根の方は文字通り「熱い」というか、前に乗り出す感じですね、試合会場そのままの感じです。
あつし 島根は応援とかもすごいよね。試合前、ティップオフの前にガーって音鳴らしたり。
渡邊 そうですね、選手紹介とかすっげえなと思って。結構テンション上がりました。特に僕はホームコートで開幕するの初めてなんで。
すべすべ はいはい。
あつし あれはかっこいいよね。
渡邊 それに合わせてファンの方もウワーって盛り上がるんですよね。極端に煽ったりしなくても。だからすっごいなと思って。そういうカルチャーがあるんやと。
あつし アスフレファンはおとなしいからね。
渡邊 おとなしいですね。でも僕たち選手のことを深く思ってくれているというか、そういうのは伝わってきます。
すべすべ 本当にいろんな応援スタイルがあるんでね。声を出さなくても応援してたり。
渡邊 そうですね、こっちにはお面の方もいないですし。
一同 アハハハハハ。
あつし でもなんかスサノオにも、そういう変装してる人いるよね。
すべすべ ああ、なんかおじいちゃんで、ドラゴンの青い仮面をつけてる人いますよ。
渡邊 えっ? ドラゴン? 馬じゃなくて?
すべすべ 馬? やっぱドラゴンじゃないかな。
あつし あっ、ほら。ドラゴンっていうか、スサノオだからヤマタノオロチでしょ。
渡邊 そうなんすね。馬やと思ってました。
一同 ハハハ。
あつし あの人、渋谷とかにも来てたよ、確か。
渡邊 本当っすか。
あつし うん、コートエンド席にいたような気がする。他にも島根ファン、結構来てたと思うよ。島根から来るのは大変だと思うけど。
渡邊 そう、アウェーでも結構来ていただけるんですよね。島根って正直、交通の便良くないんですよ。例えば関西に出るにしても、一回、電車やったら岡山まで行かなきゃいけない。バスやったら大阪のほうでも3時間かかったりする。それでも来てくださってる。
あつし すごい熱いファンが多いよね。そんな島根に比べて、他にB1のチームで、ここの応援やべえなって感じたことってあったりする?
渡邊 琉球ですかね。やっぱりアウェー感のすごさは別格です。あそこまでのすごい声援はこれまで経験したことなかったので、「これがアウェーか」という感じはしました。
すべすべ 試合中にPGとしての自分の声、指示が届かなかったり?
渡邊 そういうときもあります。だからとにかく注目してもらえるようにと思ってやってます。

渡邊翔太締め用

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この後も、B1での一年を振り返りつつチームごとの戦い方や島根での成長など、たっぷり語ってくださっています。すべすべさんによると、プロの選手とは「△△を○○る選手」なんだとか。何が入るか気になる方は、続きを本書でチェック!

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