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エンドラインからの景色 vol.74 B1 第22節 川崎 vs 広島 GAME1 両ヘッドコーチ会見、米須玲音選手インタビュー
エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.74はB1第22節の川崎vs広島GAME1の試合を写真で振り返っていく。最後に両HCのインタビューと米須玲音選手のインタビューを掲載する。(写真・文 = 宮本將廣)
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広島ドラゴンフライズ 朝山正悟ヘッドコーチ会見
宮本 今日は中村選手と寺嶋選手を同時に起用して、寺嶋選手を2番で使う時間帯がありました。ケイン選手もプラスして3ガードのような時間帯がありましたよね。おそらく彼らは朝山ヘッドコーチがやりたい速いバスケットボールにフィットするプレーヤーたちであり、相手の選手との組み合わせもあったと思います。新しいオプションというか、それこそ寺嶋選手が復帰したこと中村選手の成長など、複数の要素があると思うんですけど、そこの手応えや狙いを聞ける範囲で聞いてみたいなと思ったんですけど。
朝山 そこに関しては寺嶋が復帰したことによって、いろんなオプションが選択できる。そこが自分たちの強みになってきている部分であることは間違いありません。その中で寺嶋自身も復帰したとはいえ、1年のブランクはかなり大きいものだと感じています。それは僕自身もプレーヤーを経験しているのでゲーム感ですよね。やっぱりそれはゲームの中でしか戻せないものもあると思うので、そこも含めていろんなことを試しているところはあります。その中で自分たちの強みになるものというのも見つかっていくと思っているので、狙いとしてはその辺りになります。ケイン・ロバーツに関しては、今シーズン間違いなく一番伸びている選手です。昨シーズンはなかなかプレータイムが得られませんでしたが、本当に能力もありますし、ハートもあって、非常に楽しみな選手です。僕はサイズ感みたいなものはそんなに気にしてはないので、彼らの能力は大きい選手にも引けを取らない部分があると思います。なので、彼の成長をもっと手助けできるように、またそれがチームに還元できるようにしていきたい。そういった様々な要素の中で、練習を含めてその日一番いい選手をコートに送り出していきたいなと考えています。
宮本 そういう意味では、三谷選手などのフィジカルの強い日本人プレーヤーは、また違う使い方、オプションとして考えられると思います。例えばドウェインを3番、4番で三谷選手を起用するとか。そういうのは言えないかもしれないですけど(笑)、残りの試合を勝ち切ってCSを目指していく中であり得たりするんですかね?
朝山 はい(笑)! そこに関しては、バスケットボールにはもちろんポジションがあるんですけど、今シーズンはそこにとらわれないようなフローオフェンスをずっと取り組んでいます。オフェンスに関してはそういういろんな選手を上手く嵌め込めると考えています。逆にディフェンスに関しては、フィジカルの部分を含めてどうしても押されてしまう部分とかが出てきてしまうので、まずはディフェンスファーストを心がけながらやっているところです。今日は久しぶりに河田が元気な形でプレーしてくれたことが、このチームにとっても大きいと思いますし、ここから自分たちが上を目指していく中で、彼の存在というものも欠かせないものだと思います。その辺も踏まえて、3ビッグの時間を増やせるかどうかというのは、ひとつの肝になってくる部分なのかなと思っています。
川崎ブレイブサンダーズ ロネン・ギンズブルグヘッドコーチ会見
宮本 (総評で)ターンオーバーからの失点が多かったという話がありましたけど、そこの要素以外でもファストブレイクからのの失点が非常に多かったと思います。そのファストブレイクを止めるための理想としては、どこでボールラインを設定して止めたかったのか。またファストブレイクポイントを取られた要素がオフェンスの終わり方なのか、それともディフェンスのポジショニングなのかというところをちょっと伺いたいなと思いました。
ネノ トランジションディフェンスというところは、自分たちがオープンショットを決めきれなかったというところも影響がありました。それによって相手のトランジションの回数が増えたということもそのような印象を持たれた要因だと思います。今日はターンオーバーだけで大体12失点ぐらいしていると思います。もちろんそのターンオーバーもよくはないのですが、1番の問題は相手の4番ポジションがボールを持ってきたときのピックアップが低かったことです。自分たちはウォールと呼んでいますが、ビッグマンがボールをプッシュしてきたときにしっかりと身体を寄せてドライブラインを決していくことができていませんでした。もちろん戦術的な部分もいろいろありますが、やっぱり一番の問題は選手たちの遂行力だと思っています。今日の選手たちがあのようなプレーになってしまった理由は分からないんですけど、まだバイウィーク中の気分だったのかもしれません。試合だというようなスイッチがしっかり入ってきっていなかったんじゃないかなと思っています。
宮本 オフェンスについても1点伺いたいんですが、サイドを展開してもピックアンドロールがうまくセパレートできない。だからサイドを変えてもアドバンテージが生まれないっていう時間帯が続きました。この原因はどこにあったとお考えですか?
ネノ 1番の問題としては、ピックをしっかりとかけていなかったことです。2つ目はその後の判断が良くなかった。その2つが主な原因だと考えています。何回かいい状況が作れて、オープンショットが打てていたことが前半にはありました。そのシュートを決めきれていなかったということも影響はありましたが、やっぱりピックをかけきれていないからこそオフェンスが停滞しているように見えたのかなというふうに思いますし、先ほど言ったように、一番の問題はピックをしっかりかけていないというところだと思っているので、そこはしっかりとかけないといけません。あとはハンドラーもアタックするメンタリティがなかったのかなというのは感じました。その辺りがオフェンスの停滞の原因だと考えています。
川崎ブレイブサンダース 米須玲音選手インタビュー
宮本 ディフェンスのネガティブトランジションが多かったよね。ターンオーバーからやられるケースも多かったですけど、ターンオーバー以外にもシュート後のポジションなのか、タグアップができていないのかっていう要素はわからないんですけど、簡単にファストブレイクに持っていかれた。もちろんそれで米須選手のファウルが必要以上に増えてしまったっていう部分もあったと思います。やっていた感覚では、オフェンスの終わり方の問題なのか。ディフェンスのピックアップのタイミングの問題なのか。ライン設定なのかというのはどういうふうに捉えていますか?
米須 そうですね。すべてが重なったと思います。オフェンスの終わり方もそうですし、誰もリバウンドに入っていなくて、ピックアップミスが起きて自分と相手の外国籍選手とのマッチアップになってしまった。結局そこでファウルをして止めないといけないという状況が今日は多かったことは事実だと思います。多分オフェンスの終わり方が一番大事になってくると思うんですけど、そういったところでしっかりとボール回して、入っても外れてもいい形でシュートを打てれば、しっかりtpリバウンドにも入れますし、そこからディフェンスに切り替えて全員で守ることができると思うので、そういったところを全員が全員でカバーしていければ、問題なかったんじゃないかなというふうに思います。
宮本 その中でゲームを進めていく中で、広島もアジャストもあって、オフェンスで展開していっても、なかなかスクリーンがヒットしない。セパレートできていないからペイントアタックが難しくなる、それが時間を追うごとに増えていったなっていう印象なんですけど、その中で考えていた打開要素っていうのはどのあたりだったんですか?
米須 やっぱり自分がボールハンドラーとしてピックをしっかりと使って、そこから空いている選手に対してボールをアシストするというのは、自分の中でずっと考えてはいました。些細なことですけど、ピックをしっかり使えない、かけられないだったり、自分がボールを持っているときにピックを使わないっていうのがこの試合では響いたかなと思っています。たとえそのピックがかからなかったとしても、やっぱり1対1で打開してそこからペイントアタックして、相手を引き寄せてどんどんボールを回してやっていけば、もう少しいい流れでスリーポイントだったり、シュートを打てたんじゃないかなと思っています。そういったところでダメだったときに、すぐに横パスをしてしまって、結局24秒以内にシュートを打ち切れないとか、アリゼの1対1になっちゃう場面が多かったなという反省はあります。練習中からそこは結構言われていて、「ガードがプレーメイクせずにアリゼの1対1で全部終わっている」と練習の中から言われていたので、結構そういうシーンが多かったかなというふうに思っています。
宮本 チームの人間じゃないから好き勝手言ってしまうけど、セカンドオプション的なところで違う展開とかパターンとかっていうのは何かあったりはしないの?
米須 そうですね。やっぱりトランジションオフェンスというか、相手がシュートを外したときに、アリゼがそのままプッシュしてボールを持っていくんですけど、それがそのまま1on1になったり、ターンオーバーになっちゃったり。今日はそういうシーンが多かったので、そういったところでガードがしっかりとボールを要求して、アリゼにスクリナーになってもらってから、人とボールを動かしていけば、自然とディフェンスのズレも作れると思います。今日は特にベンチから見ていて結構思ったところではありました。アリゼが悪いのではなくて、やっぱりもっと自分からアリゼに対して、要求をしてもう少しボールを自分に渡してもらって、そこから展開を作っていこうっていうのは明日言おうと思っているので、そういう意識のすり合わせがもうちょっと必要だったのかなって思いました。
宮本 あとはいろんな要素があると思うんですけど、ピックがヒットしないからダイバーもそんなにエナジーを持ってダイブできない。だからポケットが生まれないっていうのがかなり苦しかったように見えました。あそこは例えばハンドラーの要素としては、もうちょっとこうすればピックをヒットさせられるとか、それこそもうちょっとリジェクトを選ぶとかができれば、何かを変えられたみたいなところはありますか?
米須 そうですね。やっぱり練習でリジェクト(スクリーンを使わずに反対をアタックすること)を入れるようにって言われてたんですけど、リジェクトがこの試合は少なかったというのはひとつあると思います。そこを狙っていけば、自然とディフェンスもずれて、ピックもしっかりかかると思います。今日は自分のシュートが全く入らなかったんですけど、ズレが少しでもできれば、自分のシュートは全然打てる状況だったので、後はそれを決める力が必要だなと。後はそこでセンターが出てくれば、逆サイドに展開してインサイドを狙う。そういった展開をもう少しリズムよく繋げられれば、もっといいチームオフェンスができたのかなと思いました。あとはサッシャーに入ったときに、相手のディフェンスがダブルチームに来ていた場面があったんですけど、それに対して、後半は全員がそのアウトサイドでステイしようというふうにしていたんですけど、広島はそこも上手く守ってきたので、そこは明日に向けて改善が必要なところかなと思います。
宮本 ダブルチームがどっちから来るかによって、どこが空くのかっていうのは、ある程度の予測は立ちますよね。でも、その選手があまり反応できなかったというか。
米須 そうですね。やっぱりそこでもらっても早い判断というか。打つのかパスするのかというのをボールが空中にある時間帯で決めておかないと。広島さんはローテーションを結構練習してきているなって感じたので、そのローテーションを間に合わせないぐらいのスピードというか、判断でやっていかないと、もうボールが止まるとしっかりとマッチアップされてしまうので、それぞれが早い展開を意識できれば、自然とスリーポイントはフリーで打てると思いますし、あとは確率次第ですけど、しっかりと決めていくこと。そういったところが明日は見せられたらいいのかなと思います。
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