『ダブドリ Vol.16』インタビュー06 安藤広大(株式会社識学)& 西田創(福島ファイヤーボンズ)
2023年2月22日刊行の『ダブドリ Vol.16』(株式会社ダブドリ)より、インタビュー冒頭を無料公開します。
岸田 まずは識学について教えていただけますか?
安藤 識学は人間の意識構造の学問と言っていて、人が物事を認識して行動に移すまでのことを意識構造と定義しています。要は物事を正しく認識していれば、正しい行動をとることができますが、認識を誤れば行動も誤ってしまう。その認識の誤りを日本語では誤解や錯覚と言いますが、それがどのように発生して、どのように発生しないかを体系化したのが識学です。それを組織運営のコンサルに活かしています。
岸田 組織として共通認識を構築していこうと。そんな識学さんが、なぜバスケットボール、B.LEAGUEに参入したのでしょうか。
安藤 グループ全体の目的としては、「チームを強くする」「会社の業績を向上させる」ことで「識学の有用性を証明する」というマーケティングの側面が一番大きいです。僕らの仕事は組織コンサルで、スポーツチームを強くすることは理論上できる。西田は以前、立教大学ラグビー部のヘッドコーチをやっていて、識学のロジックを採用して、チームを関東大学ラグビー対抗戦のBグループからAグループに上げました。もう1人、早稲田のラグビー部にも派遣していたのですが、その時に早稲田は日本一を取りました。
岸田 えー、すごいですね!
安藤 当時、週刊朝日に「大学ラグビーに識学旋風」みたいに取り上げてもらって、そういう広告宣伝の価値を目的にスポーツチームをやりたいと考えました。以前、西宮ストークスに関わらせていただいた時に、経営を少し見させてもらったことがありました。そこでバスケットボールは黒字化できる数少ないスポーツだと気づいて、当時西宮のオーナーだった渋谷順さんにB.LEAGUEの方と繋いでもらったのが始まりですね。
岸田 黒字化できる理由は具体的にどのあたりでしょうか?
安藤 超シンプルで、選手の人数が少なくて、試合数が多いことです。
岸田 なるほど。低コストだけど、収入を得るチャンスは多いと?
安藤 はい。対比はラグビーやサッカーになります。どちらも契約選手数が多く、B.LEAGUEよりも試合数は少ないので黒字化は難しい。バスケは先ほど言ったことに合わせて、室内競技なので天候にも影響を受けない。実際に黒字経営をされているチームが数チームあったので、バスケチームを持つことを意思決定した上で、チームを探しました。
岸田 どのような経緯で福島ファイヤーボンズに辿り着いたのでしょうか?
安藤 いろいろご提案いただいた中で、2チーム目が福島でした。当時の福島は債務超過だったんですけど、経営は頑張ろうとしていて、割ときれいに経営をされていました。これであれば債務超過の状況であっても上場企業として買収可能だと考えていました。そして、僕らは福島に何のゆかりもありませんが、東日本大震災の復興のシンボルとして作られたチームなので、東京の企業が買っても意義があると思い、手を挙げさせていただきました。
岸田 バスケチームを持つと決めた時点で西田さんにコミットしてもらうことを考えられていたんですか?
安藤 全然考えてないです。
一同 ハハハハハ。
岸田 どういう経緯で西田さんを指名されたんですか?
安藤 西田自身の能力が非常に高いので、ラグビーばかりの人生ではなくて、その能力で違うチャレンジをした方がいいんじゃないかと。ラグビーで成果も残したけど、社内では売上に貢献していなかったんで(笑)。
岸田 ラグビーばかりだったんですね。
安藤 そうですね。言ってしまうと浮いてる戦力だったんですよ。
一同 ハハハハハ。
安藤 そんな考えも経営的な目線ではありましたけど、イメージ的にも合ってるし、ラグビーのコーチをやりながら休みなく動き回ってた姿を見ていたので、やり切ってくれるんじゃないかと思いました。
岸田 西田さんは当時、どんなお気持ちでしたか?
西田 週に1度の報告会の時にファイヤーボンズのお話を聞いて、翌週に「決まったで」という話になって。
安藤 ハハハハハ。
岸田 早いですね(笑)。
西田 そうなんです。それで「スポーツに理解と経験がある人間がいけたらええけどな」という話だったので、「やらせてください」と言ったことを覚えています。僕も聞いた瞬間に「これだ!」って思えたんです。バスケに関しては全くの素人ですし、福島も行ったことはなかったですが、安藤が言ったようにラグビーのコーチも5年目を迎えていて、Aグループに昇格して、Aグループで勝つこともできました。識学の有用性の証明もできて、やり切ったという気持ちもあったので、「これをやるしかない」という気持ちになったことを覚えています。
岸田 福島のお話を聞いた時に、具体的にはどのあたりに魅力を感じられたんですか?
西田 僕は選手と指導者を経験して、営業も同時にやらせていただきましたけど、やはり経営サイドの視座を持つチャンスがあるなら、そこにチャレンジしたいと思いました。チームを作るというマネジメントはヘッドコーチの立場で出来ましたが、会社を動かすということは難易度の違うことだと思います。次のチャレンジはそこだと思っていたので、それができるのであれば自分にとっても最高の成長の機会ですし、会社に貢献もできると思ったことも大きかったですね。
★ ★ ★ ★ ★
↓インタビューのつづきはこちらから!↓