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『ダブドリ Vol.7』インタビュー02 吉田亜沙美&中川聴乃&藤吉佐緒里

2019年9月28日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.7』(ダブドリ:旧旺史社)より、WJBL 吉田選手、元選手で解説者の中川さん、元選手で会社員の藤吉さんのインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属等は刊行当時のものです。

吉田はしっかりしてるイメージなんだけど。実は寂しがり屋な甘えん坊なんですよね(中川)

中川 懐かしいんですよ、この3人は。
吉田 知り合ったのU15の合宿だっけ?
中川 うん。そこでしゃべったって感じかな。
大柴 U15で直接知り合った時の印象を教えてもらえます? 皆さん、それぞれ。もちろん吉田さん側からも。
吉田 私はなんかふざけた感じの子たちと一緒にいたんで。割とこっち(中川、藤吉)は真面目っていうか、交われない人たち。
一同 アハハハハ。
藤吉 九州組と関東組みたいに分かれてなかったっけ。
吉田 あ、確かに。そういう感じだったかもしれない。
中川 関東はわりとみんな人見知りもなく、ワイワイしゃべってた感じだったんですけど、なんか差があった。
藤吉 「すごいな」みたいな感じで見てた。「あっ、都会のスーパースターだ」みたいな(笑)。
大柴 ちなみに関東組ってほかに誰がい
たんですか?
中川 チエ(日下部知恵/元シャンソン化粧品)やアヤ(小林彩/元三菱電機)とか中山明日実(中村学園女子高校卒業後、アメリカへと渡りユタバレー州立大学でプレー。その後タレントに転身)もいた。
吉田 あとアヤカ(増野彩香/元三菱電機)。
藤吉 ココ(松島有梨江/元三菱電機)もいたよね。懐かしいなぁ。
中川 マヤ(川原麻耶/元トヨタ自動車)とリキ(清川マキ恵/桜花学園高校卒)もいた。
大柴 そこからお互いのキャラを知るようになったきっかけとかあるんですか。
中川 U15から始まってU18、U21と、ずっと一緒だったの。ナショナルチーム入りまでほぼ同じ流れで、一緒に過ごすことが多かった。だからそこで会話とか、一緒にプレーをする機会が増えた。
大柴 お互いにU15の印象とどう変わっていきました?
藤吉 リュウ(吉田のコートネーム)の印象は、中1の時北九州であった全中(全国中学校総合体育大会/全国中学校バスケットボール大会)の決勝を観に行った時にダブルクラッチとかやってて「やばい人いる!」みたいな感じ。
大柴 今だからこそというか、「こういう性格だったんだな」っていう、吉田さんの他己紹介を。
中川 結構、甘えん坊?
大柴 ハハハ。人見知りの甘えん坊(笑)。
中川 なんかプレーではすんごい引っ張ってて、しっかりしてるイメージなんだけど。実は寂しがり屋な甘えん坊なんだな、っていう感じはあります。プレーとギャップがあるような印象。なんか1人が苦手そうじゃない?
藤吉 あー、確かに。いつも誰かと一緒にいる。アハハハ。
吉田 1人はちょっと無理です。
中川 繊細っていうか「いろいろ考えてそうだな」っていう感じじゃない? 実は甘えん坊。
大柴 甘えん坊の吉田さん、逆襲していいっすよ。
吉田 アハハハ。藤吉は「真面目なんだろうなぁ」って思ってたけど、ちょっと抜けてるところもある。だからそこはちょっとびっくりしたかな。ここの2人(中川、藤吉)は天然ですよね。
藤吉 天然っていうか、普通じゃないって感じかな(笑)?
中川 昔は「普通じゃない」って言われるのがすごく嫌だったけど、今は「もう仕方ないんだな」って(笑)。
一同 (笑)。
中川 藤吉は抜けてて自分の世界があるんですけどしっかりしてる。「自分の芯はしっかりしてるな」って。まぁ2人ともそうですけど。
大柴 それは例えば、譲れないとことか。
藤吉 頑固です。基本、自己主張が強い方ではないと思ってるんですけど、自分がこれってなったところには頑固ですね。

私がケガをする1年前に吉田が同じケガをして、復帰して活躍してて。私に「戻ってこい」と言ってるように感じてた(藤吉)

大柴 藤吉さんと中川さんはいつ引退したんでしたっけ。
藤吉 私は2年前。引退してから2シーズンが終わりました。
中川 私は4年前です。同世代の2人が現役を長くやってたんで「すごいなぁ」って思ってましたね。特にずっと中学生の頃から一緒にやってた仲間だったんで、すごく刺激になってました。この2人にはやれるとこまでやってほしいなって思いながら見てました。
大柴 中川さんの場合、引退の要因は基本的に足のケガですよね。
中川 はい。でも実はこの2人もケガを抱えてて、それを乗り越えて復帰してるんですよね。だから今日はその辺も聞きたいなって思ってました。現役の時、ケガをする前とケガをした後のバスケットへの見方、多分それぞれ違うだろうなぁと思ったから。じゃあ藤吉さんから。
藤吉 私、10年目に左膝の前十字靱帯を断裂したんです。でも前の年にリュウが切って、そこから復帰した姿を見てたんで、私もケガで終わりたくないなって。で、その頃リュウは復帰して活躍してるわけですよ。言葉としてはないんですけど、私に「戻ってこい」と言ってるように勝手に感じてて。それで「絶対もう一度コートに戻ろう」と思いましたね。それがリハビリの糧というか、モチベーションにもなってました。
中川 実際に、コートへ復帰した時はどうだったの?
藤吉 自分の思ってるようには動けなかったんですよ。で、以前の自分と比べちゃったりして……。
中川 うーん。プレーできてた時と。
藤吉 そう。「前だったらここまで跳べてたのに……」とか。考え方がちょっと固いんで、もっと柔軟に「今の自分を受け入れて、こうしてみよう」みたいなのがあれば良かったんですけど、「これから以前の様に動ける自分を再び作り上げていくのに、どれぐらいかかるんだろう……」って復帰して1シーズン終わった時に考えちゃったんですよね。そのケガが主な要因で、あとは年齢の事とか次のステップの事とかいろいろ考えて引退を決断しました。
大柴 ACL(Anterior Cruciate Liga-ment/膝前十字靱帯断裂)って、完全に元通りに戻る人もけっこういるじゃないですか。個人差はあると思いますが。藤吉さんの場合は最初跳べなかったって言ってましたけど、最後まで戻らなかったんですか。
藤吉 私の場合、そこまでは戻らなかったですね。人によっては前以上に跳べる人もいるんですけど。

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この後も、各々の引退までのプロセスや女子バスケットボール発展への糸口をお話しいただきました。インタビューページの後には吉田さんの引退撤回ページがドーンと!本書をご覧ください。

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