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エンドラインからの景色 vol.56 B1 第1節 川崎 vs 秋田 GAME2 試合後会見、小針選手単独インタビュー

エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.56はB1第1節の川崎vs秋田のGAME2を写真で振り返っていく。最後に両HC、小栗瑛哉選手の会見、小針選手の個別インタビューを掲載する。(写真・文 = 宮本將廣)

秋田ノーザンハピネッツ 前田顕蔵HC会見

宮本 今日の試合に勝利して、これからというところにも関連するかもしれないのですが、ディフェンスのトーンセットが小栗選手と元田選手でうまくいきました。秋田の色が出せた後に川崎はアリゼ選手のところでボールをプッシュしてきて、タナー選手がちょっと追いかけるみたいなシーンがありましたよね。ある意味、今日のゲームはそこが我慢できた。止め切れたかと言われると全部ではないにせよ、我慢し切れたので秋田のペースで試合を進めれたという印象を持っています。そういう外国籍選手はこれから対戦するチームにも増えてきていて、どういう風に自分たちがアプローチしていくのかっていうひとつのサンプルになるのかなと思ったんですけど。
前田 どういうチームであれ、あまり僕たちの色は変えたくないので、そこを突っ切りたいというところとそのスタイルを全面に出すためにはどのようなアジャストをしなくてはいけないかというのは考えないといけないと思います。ただ、このセットがこういうプレーとか、こういうスクリーンが来るとか。そういうことを考え始めると足が止まったしまうので、とにかく自分たちのコンセプトのところを前面に出してやりたいと思っています。

秋田ノーザンハピネッツ 小栗瑛哉選手会見

宮本 はっきりと言ってしまうと、昨日の試合は小栗選手自身もあまりいいパフォーマンスではなかったと思います。前田ヘッドコーチは序盤に選手を回していって、後半はいい選手に託していくというスタイルだと僕は認識しています。その中で、昨日のベンチメンバーはいいパフォーマンスができずに試合を苦しくしてしまった。秋田というチームはディフェンスでトーンセットして主導権を奪っていきます。その中心に中山選手がいますが、昨シーズンまでは長谷川暢選手がいました。中山選手と誰かっていうときに、僕は小栗選手がやるべきというか、やる仕事だと感じています。秋田の色を出すっていうところに対する思い入れというか、できるできないではなくて、小栗選手が何をやるかっていうところは重要だと思うんですけど、その辺りの考えを聞かせてください。
小栗 そうですね。秋田のディフェンスの自覚っていうのは、僕も特別指定を入れると3シーズン目なので、何をしないといけないのかっていうのはわかっています。それを表現するのはもちろんですけど、それを今シーズンに入ってきた新加入の5人にも伝えていかないといけないと思っています。もちろん伝えすぎて、「じゃあ、お前はどうなんだ」ってなるのは本末転倒なので、まずは僕がコートで表現することが1番だと思います。宮本さんが言われたように、中山選手、昨シーズンだったら長谷川選手。キーとなる古川選手、長谷川選手、保岡選手が抜けた中で、誰が「秋田らしさ」を持ってこないといけないかっていうのは、自覚を持ってプレーしています。もっともっと秋田らしさを僕自身も出していきたいと思っています。
宮本 プラスして、今シーズンはオフェンスのところも問題を解決しないといけなくて、ガードのところがより速くボールをプッシュしないといけません。出せるならどんどん前に出していく。今日もターンオーバーはありましたけど、赤穂選手とかに出せていたなかで、ガードとしてもっとスピーディーにボールを運んでいく、ゲームを作っていくという観点では、今日はどれぐらいできたと評価していますか?
小栗 うーん、そうですね。僕の中では(赤穂)雷太さんへの1本だけだったと思っています。もちろんパスアヘッドする時はしないといけないですし、自分が持っていく時は持っていかなくてはいけない。僕の中ではまだまだテンポが遅いと思っていて、それは僕の責任だと思っているので、もっともっと激しいディフェンスから速い展開でバスケットをしていく。僕としてはそういうバスケットを作っていきたいと思っています。そのためにはもっと共通認識を作っていかないといけないと思うので、練習の中から詰めていって試合でいいパフォーマンスができるようにしていきたいと思っています。

川崎ブレイブサンダース ネノHC会見

宮本 前半は苦しい展開が続きました。その中で、後半は秋田のヘルプサイドのディフェンスがかなり寄ってくるので、エルボーに預けてからコーナーに飛ばしたり、ペイントタッチ、そこからペイントスルーして逆サイドに展開しようっていうアジャストが入ったと思います。そこがうまくいったシーンもあったし、うまくいかなかったシーンもあったと思います。そのあたりはヘッドコーチはどのようなアジャストを入れてどれぐらい遂行できたのか。その上でうまくいかなかった点はどのような改善が必要なのかを聞かせていただきたいです。
ネノ 秋田さんがやってきたことは昨日と変わりなかったと感じています。その中で自分たちの遂行力が課題として出ました。昨日の試合と変わってしまったことは、自分たちのボールムーブができていなかったこと。そこに関しては秋田さんに激しいプレッシャーをかけられたことによって、自分たちがボールを持ちたい位置でボールを持てないという状況を作られてしまいました。その結果、自分たちのオフェンスセットが遂行できませんでした。先ほども話しましたが、秋田さんが何かを変えてきたわけではなくて、昨日よりも強くなったプレッシャーに対して、自分たちが受け身になってしまい、自分たちがやりたいことができなかった。そこに関しては選手たちと共に映像で確認して、しっかりと学びを得て次に向かいたいと考えています。
宮本 川崎さんのオフェンスにおいて、やはりガード陣のプレッシャーリリースがキーポイントになるんでしょうか?それとも違う方法論も含めて組み立てていくのでしょうか?
ネノ そうですね。篠山選手と小針選手のところでアタックする場面もありました。ただそれが機能しなかったので、おっしゃっていただいたようにアリゼ選手のところを使って、プレッシャーリリースをしてみたんですけど、それでも機能しなかったところがありました。そこに関しては相手のプレッシャーが強かったからなのか、自分たちの疲労なのか。そこはこれからしっかりと振り返らなくてはいけません。昨日できていたボールムーブが今日はできなかったという事実があるので、そこをしっかりと考えていかないといけないと思いますし、そこにしっかりと向き合ってひとつずつ前に進んでいきたいと思います。

川崎ブレイブサンダース 小針幸也選手個別インタビュー

宮本 昨日、今日の試合、小針選手のペイントタッチの質がかなり高かったなと思いました。いいペイントタッチから展開を作れていたと思います。昨日と今日だと得られた結果は違うものではありましたけど、長崎でも速いバスケットボールをやっていた中で、川崎に移籍してきました。割とすんなりチームにアジャストすることはできたんでしょうか?
小針 そうですね。長崎での役割と今の川崎での役割は、僕の中ではあまり変わっていないと感じています。もちろん持ち味のスピードをどれだけ活かせるのかっていうことを考えていて、それは結果的にペイントタッチしかないので、やるべきことは一緒だったので、そこまで難しさは感じませんでした。
宮本 その中で、昨日と今日の違い。秋田のディフェンス強度が変わったというところはあると思いますが、今日に関しては、プレッシャーリリースがうまくいかなくて、いいエントリーからアタックができませんでした。
小針 はいはい。
宮本 後半はそこの修正を図って、インサイドにヒットさせてから逆サイドに飛ばすとか。そういうところからエントリーし始めて、ペイントタッチ自体はできるようになりましたけど、その後の秋田もしぼってくるのとクローズアウトが昨日よりも速かったじゃないですか。
小針 うんうん。
宮本 なかなか2つ目のドライブがうまくいかないとか、オープンができないとか。あそこの解消ができれば、今後もかなり効果的にオフェンスを作れると感じました。そのあたりはコートの中での感覚論を伺ってみたくて、もうちょっとこうすればとか、自分がこういうタイミングでアタックすればこじ開けられたみたいなところは何かありますか?
小針 もちろん戦術以前のところで負けていたっいうのはあるんですけど、戦術のところで言えば、もうちょっと違うセットで組み立てればよかったなとは感じています。プレッシャーリリースをするためのセットがいくつかあったので、それを使い分けていけば、もっといい流れ、フローでオフェンスを作れたのかなっていう反省はありますね。その中でオフェンスがうまくいかなかった原因としてはもちろんディフェンスからスタートしていて、ほとんどがインバウンズからのオフェンス(点数を決められてしまった)になってしまったので、まずディフェンスでしっかりとストップして、そこから速い展開に持ち込めればよかったと思いますね。
宮本 開幕ゲームという難しさのひとつだと思うですが、うまくいかなかったときになかなか共通意識を作り出せないみたいなシーンも見受けられたように思いました。小針選手もかなり声掛けをしていましたけど、なかなかメンタリティーを自分たちに向けられなかった時間帯もあった中で、リーダーとしてゲームを作っていくために、この試合からの学びってありましたか?
小針 やっぱりそうなってしまう原因としては、自分たちから仕掛けていけていないっていうのがあると感じています。自分たちのやるべきことにフォーカスしきれていないというか。今日も「フィジカルにやろう」って声掛けはしたんですけど、日本が初めての選手もいる中で、ロスコだったり、マシューだったり、僕とか。日本での経験が長い選手がどれだけ声をかけていけるか。あとは彼らもこれがBリーグだよっていうことをしっかりと体感できたと思うので、ここからに繋げてほしいなと思います。
宮本 地元でBリーグ開幕を迎えました。結果は1勝1敗でしたが、小針選手のパフォーマンスは本当に素晴らしかったと思います。これから地元のチームでプレーしていく、素晴らしいアリーナでプレーしていくっていうところはどうでしょうか?
小針 やっぱり地元でプレーできる喜びはすごくて、高校の頃から見ていたクラブですし、そのチームでコートに立てることはすごく嬉しいです。今後はその中でチームを勝たせられるポイントガードになっていかなくてはいけないし、勝っていかなくていけないチームにいるので、ガードとしての覚悟と責任を持って今シーズン戦っていきたいと思います。


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