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エンドラインからの景色 vol.63 B1 第9節 広島 vs 北海道 GAME1 両ヘッドコーチ、盛實海翔選手、ドウェイン・エバンス選手、山崎稜選手会見

エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.63はB1第9節の広島vs北海道 GAME1の試合を写真で振り返っていく。最後に会見の様子を掲載する。(写真・文 = 宮本將廣)


レバンガ北海道 小野寺龍太郎ヘッドコーチ会見

宮本 僕はそのように感じたんですが、広島さんの怪我人が復帰してきたことによって、スカウティングが難しい試合だったと思います。そもそもサンプルが抽出できていない状況での対戦で、かつバイウィーク明け。ある意味想定外が起こる可能性のある試合だったと。その中で、タイムアウトやクォータータイム、ハーフタイム明けのファーストプレーがほとんどうまくいっていなかったように見えました。コーナーでボールが落ちればいいんだろうなというシーンでも、そこにボールが行かずにウイングでぼんやりしてしまってオフェンスが停滞してしまったり、うまくポストヒットもできずにクロックを使ってしまって、ギリギリでシュートを打つとか。この試合に限らず、バスケットボールには想定外だったり、試合の序盤でゲームが崩れることはあると思うのですが、ヘッドコーチとしては、そこをどのように変えようとしたのかを聞きたいなと思って。
小野寺 そうですね。タイムアウト後などのファーストプレーはおっしゃる通りで、うまくいきませんでした。そこにはいろんな要因があると思います。相手のディフェンスが自分たちが想定していたものではなかったり、そもそも動き方が間違っていたり。いろんな要因があるんですけど、例えば相手のディフェンスがハードショーだからこのカウンターをやろうとか。スイッチだからこれをやろうとか。そういったプレーを定められた中で、広島さんは昨シーズンのように3-2のゾーンアップであったりを基本的には使いません。ゾーンアップをしても、そこからマンツーマンに移行します。ただ、その後のディフェンスが定めにくかったので、選手を混乱……そうですね。混乱させてしまったという言い方が正しいと思います。その場合は僕らの原則として、わからなかったら次に行こうという約束でした。次のアクションに移ろうと。それが正しいポジションを取れていなかったり、アライメントが崩れてスタートしてしまったり。それが故に今日のファーストプレーやATOは遂行レベルも低かったし、僕らのプランニングも良くなかったなと反省しています。
宮本 それ故なのかわからないですが、動きが重いというか。特に外国籍選手ですね。コンディションなのか、違う理由なのかもしれない。そこはわからないことがたくさんあるので的外れかもしれませんが、オフェンスからディフェンスに移行したときのライン設定が、どうもズルズルと下がってしまった印象を持ちました。特に前半ですね。そこはもうちょっと高いところで捉えたいはずだと思うんですが、いいショットに行ければ、逆サイドから1人がリバウンドに入って、いいディフェンスに移行するというチームルールが遂行できたのかなと。ただ、なんとなくハーフコートまでズルズルいってしまったように感じたんですけど、そこは何か問題があってアプローチをしたんですか?
小野寺 えーと、そこまで細かくは伝えていません。いずれにせよ、自分たちのウィークサイドのリバウンドっていうのは必ず1人が入っていくんですけど、その辺りもあまり。うーん、今日のゲームでは……。オフェンスリバウンドの数でいったら、かなり取れているんですけど、自分たちのルールの中で取れたものではありませんでした。最初にトランジションでやられてしまって、そこの意識も含めて、ピックアップがすごく低くなってしまったのかなと。ただ、前半の僕らのディフェンスの出来、エバンス選手を中心とした広島さんのオフェンスは僕らが想定よりも速かったです。それに対して、僕らは最初から引いていてもやられるシチュエーションもありました。そういう意味では、このバイウィークで自分たちがやってきたものというのが高いレベルではできなかったです。だから、外国籍選手のコンディションの問題ではないと思います。ただ、このゲームに関しては外国籍選手の遂行レベルに個人差が出てしまったことは事実だと思います。今の質問にこれが答えになっているのかわかりませんが、まずは自分たちの原則で何をやられてはいけないのか。結論はここに行き着くのですが、どのショットを許容してどこを守るのか。オフェンスでは、どこでアドバンテージを作るのか。そこを全員がしっかりと理解していないといけない。特に今日は外国籍選手のところが足りなかったです。スイッチのところのカウンターも含めて、リバウンドもフィニッシュも。何点取りましたではなく、求めているパフォーマンスではありませんでしたし、広島さんの外国籍選手に対してタレントレベルは関係なく、アドバンテージを作れてはいました。そこがよりスコアにつながったところ、失点につながったところを整理して、明日に向かいたいと思います。

広島ドラゴンフライズ 朝山正悟ヘッドコーチ会見

宮本 今、会見の中で怪我人とか3ビッグの話がいろいろありましたが、状況どうあれ根本的に勝つことが選手やチームの自信になると思うんですね。だからこそ、このゲームへの向き合い方はすごく大事だったんじゃないかと想像しています。試合序盤にはベンチメンバーにかなりメッセージを送ったり、カッティングの話なのか、ちょっと入っていけみたいな。
朝山 あー、はいはい。
宮本 日本人選手に話していたのが印象的だったんですけど、バイウィークはどのような準備をしていて、ベンチではどのような話をしていたんでしょうか?
朝山 自分はできる限り全員にチャンスを与えたいと思っています。なので、今回も前半からベンチの雰囲気を作る。ベンチから出ていく選手の雰囲気で試合は変わっていくし、その分難しさもあります。スタートはスタートの難しさもある中で、1人1人の役割を遂行しなければいけないゲームだったと思います。そういった意味で、今日のゲームの入りはかなりいい感じでやれたと思います……。うーん、まあ、本当のことを言うとゲームの本当のスタートのところは自分たちがやりたいところを少し崩された部分がありました。
宮本 はいはい。
朝山 なので、そこの確認とおっしゃっていただいたところの確認をして、ベンチメンバーがスムーズにゲームに入っていけるようには意識していました。
宮本 その中で、今日の勝利はバイウィーク明けで、寺嶋選手以外の怪我人が戻ってきて、チームに勢いをもたらすものだと思います。ここからどうやってチームの成長をより加速させていきたいと考えていますか?
朝山 ここからは成功体験を積み上げていきたい。もちろんうまく行かないことが多くあると思います。その中で自分たちがしっかりとコミュニケーションをとって、現状と向き合いながら。周りの人間、そして自分自身をしっかりと信じられるということ。それはチームのコンセプトとしてあるので、そこをもう一度積み上げていく。自分たちは1クール目でかなりのマイナスの貯金を作ってしまっているので、しっかりとここから這い上がっていく。それをみんなで体現していきたいと思います。それと合わせて、EASLと天皇杯という今シーズンの目標に掲げているものがありますので、そこにもしっかりと目を向けながら、1試合1試合を大切に戦っていきたいと思います。本当にその積み重ねを大切にしていきたいと思います。

レバンガ北海道 盛實海翔選手会見

宮本 ヘッドコーチも少し言っていたんですが、ちょっと準備しすぎてチームを停滞させてしまったと。準備自体は間違ってなかったと思うのですが、実際にコートでやったときの誤差ってあると思うんですね。盛實選手もベンチで「スイッチのところからトリプルスイッチするから、逆サイドのコーナーが……」って話をしていましたけど。
盛實 はいはい。
宮本 その辺はどうやったらもっと遂行できたのか。5人でうまくプレーするための感覚を聞きたいなと思ったんですけど。
盛實 はいはいはい。多分龍さん(小野寺HC)も言っていたと思うんですけど、バイウィークでは広島さんのビッグラインナップ、あとはスイッチのディフェンスに対しての準備をしていました。そこがちょっと受け身というか。自分たちは後からそれを見て対応するという動きになってしまっていたので、そこをもっと先に先に動く必要があるなと思いますし、相手のローテーションよりも1つ速く、1つ速くって。今日の試合でもそういうところがうまくいっていたときは、ドワイトのコーナースリーとか、テリーのポップアウトのスリーとか。
宮本 うんうん。
盛實 やっぱり、そういった外からの視点とコートの中からの視点は、おっしゃってもらったように少し違うと思います。ただチームとしてやっていることは正しいと思うので、一瞬の判断ですよね。5人が同じところを見て、より速くプレーしないとディフェンスには対応されちゃうなっていうのは今日感じたところですね。

広島ドラゴンフライズ ドウェイン・エバンス選手会見

宮本 エバンス選手はやっぱりゲームをドミネイトできる存在で、エバンス選手が入ることで周りの選手がいいショットを打てる展開を作り出せると感じました。自分の得点と周りを生かすバランスはどのような考えでプレーしていたんでしょうか?
エバンス もちろんミスマッチを使って自分でスコアを重ねていくこともありますし、周りを生かしてというバランスは常に考えています。大事なことはチームの勝利なので、そこに一番つながる方法を常に考えています。

広島ドラゴンフライズ 山崎稜選手会見

宮本 両ヘッドコーチに話を聞いて感じたのが、北海道の小野寺さんは対広島の意識が強かった印象があって、朝山さんは自分たちのことにフォーカスしていた印象が強かったんですけど、山﨑選手の感覚では、バイウィークで代表活動で抜けた時間もあった中で、戻ってきてからチームがいい方向に向いてるなって感じたところは何かあったりしましたか?
山﨑 そうですね。僕と拓人は戻ってきて、練習は2回ぐらいしかやっていないんですね。チームとして変えた部分とか、バイウィーク明けはこういう風にやっていきたいっていうことをコーチ陣から聞いて、ビデオも見たりしたんですね。それを練習ですごくいい感じで表現できていたし、みんなの意識の変化は確かに感じたので、合流した僕ら2人はそこに追いつけという感じて、自分たちも負けないようにっていうのはありました。代表で離れていたことを言い訳にしたくないので、みんながいい準備をしていて、自分たちもそこに乗っかっていけたという感触はありますね。

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