『ダブドリ Vol.18』インタビュー02 渡邉裕規(宇都宮ブレックス)
2023年10月27日刊行の『ダブドリ Vol.18』(株式会社ダブドリ)より、渡邉裕規選手のインタビュー冒頭を無料公開します。
昨シーズンはチャンピオンシップに出られなかったから、オフシーズンが長かった。
兄 改めまして、上鈴木兄弟のタカヒロです。
伯周 伯周です!
渡邉 わかってますよ。
一同 ハハハハハ。
伯周 2人はよくつるんでるんでしょ?
渡邉 最近はまあまあつるんでますね。
伯周 そういう時はバスケの話をするの?
兄 僕は結構聞くね。好きだから、バスケが!
渡邉 ハハハ。でも、答えるのはある程度ですよ。
伯周 ナベさん(渡邉選手)はあんまり答えたくない感じ?
渡邉 そういうわけではないけど、早く終わらせて違う話をしたい!
一同 アハハハハ!
宮本 チームやバスケの話をこういう形で聞くことはなかなかないですか?
伯周 今日は特別ですよね? だって、兄は緊張してるでしょ?
兄 ハハハハハ。
渡邉 本当にバスケが大好きだよね! 俺はいつもと変わらないかな。
兄 早速だけど、今シーズンはどうですか?
渡邉 やっと外国籍選手の3人が揃ったから、バスケットをやっているなって感じになってきましたね。外国籍選手が来るまでは7人とかで練習をしていて、できても3対3だった。しかも、それをオールコートでやってたから(笑)。
上鈴木兄弟 ハハハハハ。
渡邉 俺が35歳、(竹内)公輔さんが38歳、そして43歳の田臥(勇太)さんに、21歳(四家魁人)もいるから、若手にとっては物足りないだろうし、俺らは結構いっぱいいっぱいだし(笑)。しかも、昨シーズンはチャンピオンシップに出られなかったから、オフシーズンが長かった。
兄 僕はチームのYouTubeをお手伝いさせてもらっているから、こないだも練習を見せてもらったんだけど、これまでで一番ぐらいの激しさじゃないですか?
渡邉 そうですね。ワークアウト系が終わって、今はオールコートで流れの中での練習が増えてきたところですね。やっぱりギャビン(・エドワーズ)は走りますね。単純に足が速い!
上鈴木兄弟 へー!
渡邉 走る体力に関してはライアン・ロシター(アルバルク東京)もあったんですよ。ギャビンはそうじゃなくて、スプリントが速いですね。練習を見てたと思いますけど、5対0の練習とかでリムランするじゃないですか。その時も速い!
伯周 それこそ、フリースローで負けたチームが往復してたじゃん?
渡邉 速かったでしょ?
伯周 速かった! ギャビン選手は1位だった!
渡邉 速いし、走れる。プレッシャーをかけて、スティールから速攻っていうスタイルに合うのがギャビン。Ⅾ. J. ニュービルはバスケットIQが高くて、バランスがいいと思いますね。DJは速く見えないと思うけど、1個のフェイクがグッて入ってくるからプレッシャーをかけられても常に逆を抜く感じがあります。あとはシュートもうまいし、みんなとコミュニケーションも取ってくれるから、すごくいいと思う。
上鈴木兄弟 へー!
渡邉 昔だと日本人のことを馬鹿にして、何も言わない外国籍選手とかもいたんですよ。もうそんな選手はB.LEAGUEにいないですけど。実際に対戦もしていたから、もちろん俺らはDJをリスペクトしているけど、DJも俺らをリスペクトしてくれていると思う。それは来た時から感じましたね。本人は楽しみにしてるんじゃないかな、彼らにとっても新しい挑戦だと思うから、早くフィットしていいバスケットをしたいって思ってくれているんじゃないですかね。
昨シーズンチャンピオンシップに出られなかったチームだということ。
伯周 僕は今日初めて練習を見させてもらったんですよ。
兄 そうだっけ?
伯周 うん。めちゃくちゃ楽しかったし、当たり前なんだけど、みんなバスケが上手い!
一同 ハハハハハ。
伯周 本当に雰囲気も良くて、すごく楽しそうにバスケをしていたね。
兄 今シーズンはすでにハードに練習しているけど、優勝した後のシーズンは始動が遅かったですよね?
渡邉 遅かったですね。ちょうど今頃始まったんじゃないですか? そこからすぐにプレシーズンだったので、ぶっつけ本番の開幕みたいな感じはありましたね。だから去年は仕上がりも遅かった。メンバーが変わらなければよかったんですけど、結構メンバーが変わったから、正直ちょっときつかったですよね。
伯周 そういう意味だと、今年も結構ロスターが変わりましたよね? ブレックスはあまり変わらないイメージがあるけど。
渡邉 いい補強をしたという感じはありますね。帰化選手がいるからいいとかじゃなくて、どんな選手を獲得するかがすごく大事だと思う。その中で、日本でもキャリアが長くて、運動能力のあるギャビンが来てくれた。他にも昨シーズンのブレックスにはなかったものを持っている選手が来てくれたから、補強としてすごくいいですよね。
兄 ナベさんは今シーズンも副キャプテンですけど、どうですか?
渡邉 一番は勝って当たり前なんて1ミリも思ってない。やってみないとわからないけど、俺の根底にあるのは、昨シーズンチャンピオンシップに出られなかったチームだということ。これを一瞬も忘れることなく、今シーズンは戦わないといけない。
上鈴木兄弟 うんうん。
渡邉 今年から来た選手からすると、「知らんがな」って話でもあると思うんですよ。だけど、昨シーズンからいるメンバーは、このチームをチャンピオンシップに連れていけなかったという償いがあるから。
伯周 事実としてね。
渡邉 そう。今シーズンはギャビンやDJが来て、もちろん比江島(慎)もいる。だけど昨シーズンがなかったかのように、「今シーズン頑張ろう」ではないと俺は思う。いくら勝ってても最後の最後に自分達の結果が出るまでは昨シーズンのことを忘れずにやる方が、強くなれると思うし、成長できるんじゃないかなって思います。
伯周 めっちゃいい副キャプテンじゃないですか。
兄 めっちゃいい副キャプテンだよ!
渡邉 そうでしょ?
一同 ハハハハハ。
兄 話を聞くと、スポーツって残酷だなって思うわけ。前の年に優勝して、その前の年に準優勝して、みんな頑張って練習して。でも、勝てなかったり、何なら、決勝で負けて怒られたりするからね。それを毎年リセットしてやるのは、本当にすごいと思う。
伯周 それは推せますよね。
兄 推せるのよ。
渡邉 一番恥ずかしいことは、調子に乗って最後に負けることじゃないですか。そこは経験もあるから、みんな忘れてない。やっぱり、2年連続で千葉に負けて、その次の年は優勝した。でも、昨シーズンはB.LEAGUEになって、初めてチャンピオンシップに出れなかったわけで。
兄 そうだね。
渡邉 それは俺らに責任がある。そこにギャビンとDJが来て、急に優勝候補みたいな取り上げられ方をしたりするけど、だから調子に乗るようなことがこのメンバーであってはならない。まあ、そんなことにはならないですけどね。
兄 ずっしりくる言葉だね。
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