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エンドラインからの景色 vol.68 B1 第18節 北海道 vs A東京 GAME1 両ヘッドコーチ、ドワイト・ラモス選手、寺園脩斗選手会見

エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.68はB1第18節の北海道vsA東京 GAME1の試合を写真で振り返っていく。最後に会見の様子を掲載する。(写真・文 = 宮本將廣)

アルバルク東京  デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ会見
宮本
 おっしゃっていただいた通り、2Qと3Qがソフトだったという印象を私も持っています。まず伺いたいのは、ハーフタイムにどのような指示をされたのでしょうか?
デイニアス 2Qがソフトになってしまって、3Qの出たしは同じことは繰り返さないようにしようと伝えたつもりだったんですが、フィジカルのところもエフォートのところもうまく入れませんでした。それを示すひとつとして、ファウルの使い方ですね。それがうまくいきませんでした。3Qの出だしもアグレッシブにやって欲しかったのですが、シューターにスリーを決められたり、簡単にシュートを決められるシーンがありました。結果的に3Qは24失点してしまいました。
宮本 印象論ですが、ボールマンプレッシャー、ピックアンドロールのディフェンス。様々なカバレッジを用意している中で、レバンガ北海道さんも特に後半はいいオフェンスをしてきました。その攻防がこの試合のキーになったと感じています。そこに対するアジャストはどのように考えていたのでしょうか?
デイニアス そうですね。アジャストメントに関しては、正直に言うと、我々の前半のカバレッジもうまくいっていなかったところがあります。そういうところも含めて後半に変える必要がありました。さらに言うと、うまくいっていない状況でカバレッジを変えることは個人的に好きではないんです。ただ、今日に関してはプレッシャーだったり、ヘルプサイドのポジションとかがうまくできていなかったので、変えざるをえなかったところがありました。でも、実際変えてもうまくエクスキューズできなかったところがありました。ただミーティングでも選手たちに伝えたのですが、レバンガ北海道さんはすごくいいバスケットボールをしているチームなので、ゲームの状況を読んだり、相手に合わせてゲームを作ってきた。そんな北海道さんが素晴らしかった。そこは讃えたいと思います。

レバンガ北海道 小野寺龍太郎ヘッドコーチ会見

宮本 今、総括でお話しいただいたセカンドポイントとショートロールのところがすごく強調されていた試合だったと思います。その中で、前半にメインデル選手に松下選手をマッチアップさせました。これはつけざるえないと思うんですね。でも、彼には守れる要素があったし、そこにダブルチームをいっていないことを見ると、メインデル選手に決められるよりも逆サイドのリバウンドを確実に取り切る。要するにセカンドポイントを与えないことを強調されているんだと思いました。リバウンドを取れれば、ゲームをコントロールできると考えたんだと思うのですが、序盤に何本か取られましたよね? そこから加点されて、1Qはよくない終わり方になりました。そこはやりながら修正を入れていったのか、それともある程度は想定していたんですか?
小野寺 スタートでドワイトと関野を僕は選びました。その中でバックアップメンバーの誰がメインデル選手にマッチアップするのかは工夫しないといけないところでした。中野というプランもある中で、自分はフィジカルレベルやコミュニケーション能力を期待して松下という選択肢を先に持ってきました。彼はすごくいい働きをしてくれましたね。イヤースリーというアルバルクのポイントガードと3番の選手のフレックスのアクションがあるんですけど、それもしっかりとペイントエリアでは持たせないようにしてくれました。ファウルになったシーンもありましたが、フィジカルレベルで負けなかったことは非常に評価しています。その中で懸念としてあったリバウンドの部分はウィークサイドのショートリバウンドですよね。それを取られるというケースが……もちろんまだ映像を確認していないので、確実な答えではないんですけど、自分たちの中でウィークサイドのリバウンド。そこがウィークポイントになっていたので、そういう意味ではサイズアップも含めて、メインデル選手が出ている時間帯はドワイトがプレーする。これが最も効果的だと考えて、プレータイムのマネジメントはディフェンスを優先して考えました。ドワイトはオフェンスはもちろんですが、ディフェンスのオフボールのスクリーンやボックスアウトもしっかりとやってくれていたので、今名前を出した2人のディフェンスは良かったと思います。
宮本 あとは後半ですね。僕が個人的にキーになったと思っているのが、相手のピックアンドロールディフェンスに対して、ガード陣がすごくいい判断をできるようになったなと。もちろん準備したと思うのですが、何かハーフタイムに指示をしたのか。それとも選手たちの感覚と準備してきたものがピッタリとハマったんでしょうか?
小野寺 準備してきたものは正直いうとうまくいかなかったです。ショーに対しての自分たちのカウンターだったり、スイッチに対してのカウンターだったり。それ以外のディフェンスが今日に関しては出てこなかったので、クイックショーかハードショー。カウンターを自分たちは準備していたんですけど……ここではちょっと詳しくはアレですが……うまくいかなったです。特に前半ですね。前半の途中からですけど、ピックアンドロールの考え方としてショーやスイッチを引き出すことを最初のコンセプトとして考えていました。
宮本 はいはいはい。
小野寺 ショーだったり、スイッチをさせていいよ。そこからのカウンター。ただ、前半の途中からは少し方法を変えました。あのー……はい(笑)。
宮本 はいはい(笑)。
小野寺 その中で彼らがどうリアクションをするのか。そうするとシンプルになっていくので。それを踏まえて、トップのピックアンドロールからサイドのピックアンドロールに移行していく。そのトランファーという自分たちのテーマをポイントガードやドワイト、盛實の判断がすごく良かったと思います。
宮本 ありがとうございます。あと最後にひとつ。ショートロールでロシター選手などのビッグマンのところに……おそらくあれが一番期待値の低いシュートですよね。そこに導くことによって、相手のビッグの脅威性、特にリバウンドですね。それが無くなってくると思うですけど、そこもある程度コントロールできたのは、ビッグマンのバックペダルだったり、スイッチのタイミングが良かったと見えました。その感覚であっていますかね?
小野寺 はい、良かったと思います。自分たちはショートピックアンドロールとスプレットのピックアンドロールで守り方は同じなんですけど、どのような役割があるのか。特にアルバルクさんはピックアンドロールをする2人の選手とバスケットのパトロールをする選手がビッグマンで1人います。そういった基本的な形を今週はずっと練習してきました。彼らに打たせるショットの中で一番ダメなのはレイアップです。今日は何本かロシター選手にやられたんですけど、その途中で打つミッドレンジ。ロシター選手であればフローター、サイズ選手であればジャンプシュート。グダイティス選手はその2つを打たずにリングに向かってくるので、ロシター選手のフローターとサイズ選手のミッドレンジであれば、ある程度許容しますよと。ロールマンのフィニッシュ、それが今日の試合で何点だったかはまだ計算していませんが、かなり取られたとは思います。ただそれは僕らのプランの中では許容されるものでした。サイズ選手もミッドレンジを決めましたけど、あれは統計的に見ると28%ぐらいしか入らないシュートです。そうすると期待値もかなり低い。そこは打たせていいと。こういう話をして、明日アルバルクさんがどうするのかを僕はわからないですけど、基本的に僕としては打たせていいので、あとはもうちょっと減らせるポイントとしてはレイトパスからスイッチをして簡単にレイアップにいかれたシーン。そういう部分は減らしていけるので、改善できると思いますが、ショートロールに関しては非常に良かった。あとはコーナーもオープンにさせなかった。僕らは本来もう少しコーナーの選手がよるんですけど。
宮本 はいはいはい。
小野寺 そこは寄らなくていいよと。そういう意味では準備してきたことが非常によくできていたので、4Qが終わって71点は僕らのディフェンスのプランとして悪くなかったと感じています。

レバンガ北海道 ドワイト・ラモス選手会見

宮本 ヘッドコーチもメインデル選手に対してはラモス選手をぶつけるという組み合わせを考えていたと話していました。メインデル選手から始まるアクションが結構ありますよね。オフェンスでの活躍はもちろん、ディフェンスでの活躍も光ったと思うんですが、自分ではどのように振り返りますか?
ラモス 前半にフレックスのアクションから彼に持たせたくない場所で持たせてしまったのが2、3回ありました。それが自分の中では一番印象に残っています。彼は素晴らしい選手なので、難しいシュートを決められたりもしましたけど、簡単なシュートは打たせないように意識はしていました。
宮本 その中で彼の得意な形に持ち込ませなかったように思うのですが、ハーフタイムのアジャストなのか。それともこれまでの経験。代表での試合だったり、昨シーズンのマッチアップで彼にはこうやって対応する必要があるみたいなものは何かあったんですか?
ラモス 後半に関しては自分どうこうよりもアルバルクさんのオフェンスが変わったところが大きかったと思います。メインデル選手を中心にアタックするよりは、他の場所を起点にしてきたので、そこが大きかったと思います。

レバンガ北海道 寺園脩斗選手会見

宮本 僕の印象として試合を追うごとに、ガード陣のピックの引っ張り方がすごく良くなったと感じました。そこはこの試合のキーになったと思うですね。アルバルクがショーで出てくるのもすごく見えていたなって。そこはやっていく中で手応えがあったんですか?
寺園 ショーに出てくる時はピックが来た後ろにビッグマンが待ち構えているので、そこでしっかりと見極めて早めにワンドリブルで引きつけてパスを出せばいいとチームで準備していました。島谷選手とも話しながら最初はクイックショーで来ていたんですけど、そこで大きくリトリートせずにしっかりと引きつけて縦にアタックすれば絶対にチャンスがくるねって。それが1Qだったんですけど、2Qは相手がハードショーに変えてきた中で、そこもチームで準備していたので迷うことなくプレーできていましたね。
宮本 4Qだったと思いますが、左のアタックでショーに対してファウルをもらった時も、おそらく自分のショットが来てないからかなりスレスレを狙いましたよね?
寺園 はいはい。
宮本 そこから次の展開をよりはやく作ろうとしたんだと思うんですけど、やっぱりあそこは狙ってですよね?
寺園 そうですね。あそこは出てくるとわかっていたので、最悪ファウルをもらえればオッケーでした。むしろあそこでドリブルついて攻め気を見せないとピックのディフェンスがすぐに戻っていたので、アタックして最悪ファウルを貰えればいいかなと思っていたので、うまくファウルをもらえたので良かったと思います。

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