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商品そのものよりも、その先にある「時間」や「体験」(ライフスタイル)を提案することがこれからの時代は大事という話

最近ではネットで簡単に、様々な商品を「検索・比較・購入」できるようになり、少し前のように商品のクオリティや価格で他ブランドと差別化することは難しくなってきました。

ミニマリズムという言葉も一時期流行りましたが、「モノを持つこと=幸せ」ではなく、自分でモノや情報を取捨選択するシンプルな暮らしに憧れる人も増えてきています。そんな背景もあってか、私たち若者世代はモノを所有すること自体に価値を見出さない人も少なくありません。

では、どうしたらそんな人たちにも商品を買ってもらえるのでしょうか。

いろいろ方法はありますが、そのうちの一つは、
商品よりも、商品を使うことで過ごすことができる「時間」や「体験」(ライフスタイル)を提案することです。

ライフスタイルを提案することで商品にストーリー性や独自性が生まれ、それにユーザーが共感し、好き(ファン)になってもらえれば、商品のクオリティや価格といった他ブランドとの差別化競争から抜け出すこともできます。(この話はまた別のnoteで話しますね。)

商品よりもその先の時間や体験を提供する例は、

・ただのコーヒーではなく、コーヒーを飲んでリラックスする時間を提供する
・ただのランタンではなく、大切な人と食事をしたり、一人でのんびり読書をする癒しの時間を提供する
・ただの洋服ではなく、自分に自信を持って街を歩くという体験を提供する

といった感じです。

もっと詳しく説明すると、

ランタン-before

という見せ方よりも、

ランタン-after

というように、

ただランタンの性能について説明するのではなく、ランタンが演出する上質なライフスタイルを提供するような見せ方の方が、

「ランタンを買う予定はなかったけど、こんな素敵な時間すごしてみたいな。ランタンがあったらQOLあがるだろうな。」

という風に使用イメージができるので購入というアクションに繋がりやすいです。

つまり、単なる「モノ」にはあまり関心がないけれど、自分がいいなと思うライフスタイルを実現するためのツール(手段)としてなら「モノ」を買いたいと思う人が多いのではないかと思います。

ちなみに上記のランタンの例は、人気ブランドBALMUDA(バルミューダ)ものです。

バルミューダ

言葉だけでなく、サイトに掲載している写真からも、ランタンのあるワンランク上の暮らしが想像できるし、商品自体よりも、商品が日常のシーンに溶け込んだ様子を売りにしてるのが見てわかると思います。

私もこれを見たら、
ランタンをテーブルに置いてディナーを食べたらもっと料理が美味しく感じるだろうし、キャンプにも持っていったら役に立つだろうし、使わない時に棚に置いておいてもお洒落だから欲しい…!!!ってなって、実際に買うか迷っております。笑

みなさんも欲しくなりませんか??


せっかくなので今回はもう一つ、SNSを活用した例をご紹介します。

以下に2つの革製品のブランドのInstagramを載せたので、どちらの見せ方が良いか、それはなぜかを考えてみてください。

 1. HERZ(ヘルツ)

1973年創業。「丈夫で長く使える」をテーマに、流行に流されない味わいのある革製品を作り続けています。

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2. Laluce(ラルーチェ )

「今日よりも、未来の自分が愛せるものを」

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さて、どちらのブランドの方が良さそうだと感じましたか??

一つ目のHERZ(ヘルツ)は、昔からあって安心感抜群なブランド。
二つ目のLaluce(ラルーチェ )は、数年前にできた新しいブランドです。

それぞれターゲットにしている層が違いますが、それを抜きにしたとして、二つのブランドの大きな違いは、なんでしょうか?


正解は、
「商品自体にフォーカスを当てているか、商品を使っているシチュエーションにフォーカスを当てているか」です。

先ほどのバルミューダの例を写真で表現したようなものなんですが、気付きましたか??


HERZ(ヘルツ)
商品自体にフォーカスを当てた写真が多く、モノの良さやクオリティの高さは伝わるけれど、それ以上でも以下でもないような印象です。他に同じくらいクオリティが高くて丈夫なブランドがあれば、そっちに乗り換えられてしまうかもしれません。

一方Laluce(ラルーチェ )
商品よりも、全体的に統一されたやわらかい世界観や、商品を使っている場面が想像できるような写真を使用しているため、

「こんな暮らしをしてみたい」
「Laluce(ラルーチェ )のバッグを買ったら、こんな雰囲気の洋服も似合うんじゃないか」
「恋人とお揃いにしてデートするのもいいな」
「このバッグを持っていってピクニックしたいな〜」


などなど、先ほどのバルミューダの例と同じように、商品を手に入れた後のことを思い浮かべやすいような見せ方をしています。これは単に商品だけを売り出しているのではなく、商品の先にあるライフスタイルを提案している、と言えると思います。

ライフスタイル(体験や時間)をメインで提案し、商品をそのライフスタイルを実現するためのツールとして売り出すことで、モノを所有することにあまり関心のない人にも刺さるし、なによりそのライフスタイル(世界観)が好きなファンの獲得や、商品の購入にもつながりやすいので、この見せ方はSNSマーケやブランディングにも通じることだと思います。


私はUIデザイナーですが、いつもプロダクトを作る時に「プロダクトの先にある体験」をデザインするように心がけています。

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ただ単なる動画配信サービスではなく、
いつも忙しいお父さんが家族と週末映画を見て過ごす幸せな時間を。

単なるSNSではなく、
上京して間もない社会人の孤独を癒やす人とのつながりを。

単なるメディアではなく、
内気な大学生が初めてのともだちを作るきっかけを。

このような考え方は、デジタルプロダクトでなくても、サービス業であっても、あらゆることに通じていると思っています。


この世界には、商品はすごく良いのに、見せ方が惜しいモノたちがたくさんあります。見せ方次第で、伝わり方や反応が全然異なるので、ぜひこの考え方を参考にしてみてください〜🙌

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