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部分合流と完全合流
いよいよ今週末からJリーグが開幕ですね⚽️
今年も過密日程でコロナ禍もまだまだ続いており、選手、スタッフ、クラブ関係者の皆様はめちゃくちゃ大変だと思いますが、是非全力を出して貰いたいと願っています!
1人でも怪我人が少なく終わるシーズンになって欲しいと願っています。
僕は高校を卒業してトレーナーを目指してトレーナーの専門学校に通い
サッカーの現場に立ち
選手が怪我をするシーンに何度となく立ち会ってきました。
めちゃくちゃ辛いです
そして、それと同じ数だけ
選手が怪我から復帰するシーンにも何度となく立ち会ってきました。
めちゃくちゃ嬉しいです
アスレティックトレーナーとして、1番に考える事は『安全』という事です。
そんな中で
私の大切にしている事は
スムーズに合流させる(背景に馴染ませる)事である
スムーズとは
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『病院の先生からサッカーやっていいと言われたので、今日からやります!』と意気揚々と練習に入り
『やっぱり痛かったです…』
と練習途中で抜ける。
なんていうのは、スムーズではありませんね…
選手本人もチームメイトもスタッフも悲しい気持ちになります
場合によっては、その際に重症度が増してしまうなんて事も…
ですので、私は復帰に向けて
2つの段階を設けています。
・部分合流
・完全合流
怪我をした後
出来る事からドンドン実施し、その甲斐あって、そろそろ軽くなら行けそうだとなった場合に、まず第一段階の部分合流という段階を踏んでもらいます。
【部分合流基準】
前提条件:病院で、パス等のボールを蹴る動きを許可されたり、接触がない所までを許可されている。
期間:基本的には1週間
※長期リハビリテーションの選手は、要相談で2週間〜『適切な持久力がなければ、パフォーマンスは次第に低下し、傷害のリスクも増加する。』
-NASMより
という理由から持久力の回復等、完全合流向けての総仕上げになります。
最低でも1週間あった方が安全だと感じます。
備考:完全合流の前までに、もう少し様子を見たい場合(メディカルサイドから、選手サイドから両方のパターンがあります)は、ゲーム前までとかで区切っての部分合流もあります。
また、この時期にサッカーとは違う身体の刺激も重要となってきます。
前庭器官への刺激は特に与えたい所です!
そして以下の基準を満たせば、晴れて念願の完全合流となる。
【完全合流基準】
✅強く蹴る(シュート、カーブ、ロングボール等)
✅長く走れる
✅100%ダッシュ出来る
✅減速〜止まる
✅ターン
✅高く跳べる
✅強く身体当てる
✅守備時の動き
✅攻撃時の動き
✅受傷機転を克服出来てる
✅個人的に不安な事を克服出来てる
✅自分の長所
✅自分の短所
これらを単純な所から複雑性を持たせ、要素が相互に絡み合うような所へと発展しながらチェックしていきます。
どんなにやっても合流したら不確定要素は増える
どんなにやっても『リハビリとは全然違う!!』となる
だからリハビリの内にサッカーの、どの場面でも『もう大丈夫だ!』と本人が自信を持てる様にチェックする
病院から運動を許可された=即復帰は、リハビリテーション期間が長かった選手程危険だと感じます
怪我前の動きとのギャップ、仲間から遅れをとってる焦り等々で、無理矢理動いて、再発やまた違う部位の怪我をする可能性が高い
部分合流1日とかでいきなり試合に出るのは更に危険性が増します。
チーム内での紅白戦とかであれば、対戦相手もチームメイトなので、怪我をしてた事はわかってくれていますが、対外試合ともなると対戦相手は貴方が復帰明けとか知りません。
更に天気が悪かったりすると、、、
という事から考えると、リハビリテーション期間が長ければ長い程、患部のみならず、その競技をやる上で必要なモノを全て鍛えなければならない必要性が高くなる。
よって即復帰は、やはり危険極まりない。
必ず段階を踏んで、ある一定期間をかけて復帰した方が安全であると思います。
怪我をしてしまったら、元の身体に戻るというよりは、新しい身体に適応する期間だと思っています。
そもそも組織が回復するまでにも一定期間必要です。
監督やスタッフは早く選手に戻ってきて欲しいでしょうし、選手本人も早く戻りたいでしょうが、そこは受け入れて取り組んでもらいたいなと思います。
今回、ご紹介したのはあくまでも私はこの様にやらせて頂いてるというのを紹介したまでなので、必ずこうしろ!という物ではありません。
怪我を繰り返してしまうとか、どのタイミングで合流して行ったら良いか分からない!
とかそういう事でお悩みの誰かの何かの参考になっていれば幸いです。
最後までご覧頂き誠に有難うございます。
髙田
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