ノートを書くのは何のため?
学校が再開され、授業も徐々に始まってきましたね。そんな中、ノートを書くことについて少し考える機会がありました。
考えるきっかけとなった出来事は、学校で「ノートのスキル」という冊子が配られたことです。パソコンできれいに編集されていて、子どもに「このようなノートを目指しましょう」と指導するために作られた冊子でした。すごく見やすくまとめられていて、驚くと共に「ノートってもっと子どもが自由に書いていいのではないのかな?」と疑問も感じました。
その際、以前読んだことのある瀧ケ平先生の「「対話」で学ぶ算数授業」の本にノートについて記述があったことを思い出し、読みなおしました。
そこには、次のように書かれていました。
私は、子どもにとっての「書く」活動の目的を大きく以下の3つで捉えています。 ①考えるため ②整理するため ③伝えるため
これを見て、私は特に「①考えるため」のノートを子どもにさせるべきだと感じました。黒板をただ写すノートは①がないノートです。
さらに、次のようなことも書かれていました。
はじめから全体を見通したような美しいノートを要求してはいけません。子どもが考えることにノートを使うことを恐れるようになってしまうからです。
この考えにすごく共感しました。子どもにきれいなノートを求めるのではなく、考えた結果が表れているノートを求めるべきだと感じました。
後日、子ども達にノートを書く目的を伝え、考えるためにノートを書くということを共有しました。そして「分かったこと、分からなかったことなどその時の自分の気持ちもノートに書いてみよう!」と伝えました。
するとある日の算数で次のようなノートを子どもが書いていました。
赤い字で自分のそのときの気持ちをノートに表していて、考えながらノートに書いたことがとても伝わりました。すぐにこのノートをコピーし、子ども達に良さを伝えた後、「ノートのスキル」に綴じさせました。
このような子どものノートをどんどんためていく形で、学級のノートのスキルを向上させていきたいと思っています。
大切なのは目的。なぜノートを書く必要があるのかを子ども達と共にこれからも考えていきたいです。
【参考文献】
瀧ケ平 悠史(2018).「「対話」で学ぶ算数授業」,明治図書.
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