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自由連想法による文章練習【書き出し一覧集】

ぼくは何ものなのか。そのことを考える必要があるのか。たぶんないと思う。でも一応、考えてみようと思う。「一応」なんて前置きをしてしまっただけあって、まったく先に進めない。いや、「ぼくは全人類で、全人類もまたぼくである」というふうに、ぼくはいつだったか、そう結論したはずである。 
自由連想法による文章練習【1】

ぼくは今日、窓をみた 窓はきたなかった 床もきたなかった だからぼくは掃除機をかけた それからぼくはトイレにいった ぼくはトイレでいろいろ考えごとをした ぼくは今、腹がへっている 夕食はガパオライスだった なかなか眠れない もう二時だ いや、まだ一時半すぎだ 明日、ぼくはまた昼寝をしてしまうだろう いや、しないかもしれない できれば昼寝をしないでいたい 
自由連想法による文章練習【2】

残りすくないマヨネーズを底のほうに絞りあつめてから そのすこし上をハサミでぜんぶきって マヨカップみたいにした オクラをぜんぶ食べてしまってからも マヨカップのなかのマヨネーズはけっこう残って だからというか 「底」ではなく 蓋のほうに絞りあつめたほうがよかったかもしれないと一瞬おもったが マヨカップの横の口同士を合わせて それをうまい具合に洗濯バサミでとめることができて 逆に蓋のほうに絞りあつめてしまっていたら こんなに上手く洗濯バサミでとめられなかっただろうと思いなおした 
自由連想法による文章練習【3】

やっぱりちょっと普通じゃないと思って「やっぱりちょっと普通じゃねーわ……」とぼくはつぶやいた 腹が減ったが何を食うべきかすぐに思い出せない いや 具なし味噌汁を飲むのが一番良いことを思い出したが 今日の夜の分の味噌汁をすでに一つ別に用意していたこともあって 具なし味噌汁を作るのはやっぱり面倒くさくなった だからぼくはヒマラヤ岩塩を舐めた いや チョコレートを飲んだ 
自由連想法による文章練習【4】

笑いすぎて小便をドバドバ垂れ流したところの橋を渡って さらにそのもうちょっと向こうの海まで行こうか迷ったが 橋の三分の一くらいを渡ったところで やっぱりやめて引き返した 振り返ると「アドベンチャー」というとっくの昔に閉店したバイパス沿いの喫茶店に外観がそっくりのレストランがあって そこの右から二番目の窓越しでパスタっぽいものを食べていた同い年くらいの女と目が合った 
自由連想法による文章練習【5】

どうも 天坂大三郎です 今年で四十一歳になります 職業は芸術家で ジャンルは小説で 自分の文体を獲得したのは2年前の2016年の9月です その少し前に仙台から引っ越して 2カ月ほど青森市内の実家に住んでいましたが 父を殴り殺しそうになったので 今は同じ青森市内に三万六千円のアパートを借りて妻と二人で暮らしています 
自由連想法による文章練習【6】

ぼくはきょういろいろ考えましたが やっぱりあの歯医者にもういちどいくことにしました それはなぜかということをおしえましょう いや それはいうまでもないことです ぼくはいま寒いのか暑いのかどっちかよくわかっていません ただ アタマはすこしかゆいらしく さらにすこし雨がふっているようです 
自由連想法による文章練習【7】

タカシが卒業した莨町小学校の写メを撮るべきか一瞬悩む10分くらいまえに あおぎんのATMから入金した6千円のうち 5千円は妻の貯金ぶんで 千円はぼくの貯金ぶんだった ほんとうは3万3千円でなくてはならない貯金総額がそれにとどいていない原因の歯医者通いがようやくおわり ほぼ同時に春もきて だからさっそく合浦公園の海へいこうとしたら 海までのあいだに雪がまだ大量にのこっていて しかも長靴に穴があいていたもんだから 靴下がビショビショに濡れて超きもち悪くなった 
自由連想法による文章練習【8】

昼間なのに暗いつまり何かの「中」にいたらしいぼくは その反対の「外」のイメージとして 大森裕太がスーパーワンの自転車にのって クリーニング屋の角を勢いよく右へ曲がった日のことを思い出した その日は夏休みに入ったばかりで カラスに襲われそうになった岸壁からの一本道に差しかかろうとしていた父の車の中から裕太のそれをぼくはみていた 
自由連想法による文章練習【9】

夢のなかで死んだ祖母は実際にぼくの祖母だった人ではなく 森光子に似た小柄な人だった しかも夢のなかで森光子に似たその人との思い出を回想しようとすると 森光子に似たその人の顔ではなく 瀬戸内寂聴の顔が思い出された 
自由連想法による文章練習【10】

そら豆をさがす旅はかなりの暴風で しかし天気は良く ローソンで4千円をおろしたぼくは 一応そのあとメガに入ったものの 黒霧島の値段を一目みたきりさっさとメガをあとにした その前に通りすぎた八百屋もその後すぐに通りすぎた八百屋もその日は微妙で だからほぼすべてを託したといっても過言ではないヤオケンで 日本人向けにつくられたという台湾産の枝豆を1つだけ買ったが 妻はそれをあまり美味しいとはいわなかった 
自由連想法による文章練習【11】

サビが「ヴァ」からはじまる歌詞の安室奈美恵のユーロビート系の歌を聴きながら キャベツと玉ねぎとホヤを買うのをやっぱりやめて もやし2袋と味噌ラーメンスープ2種類とスーパービックチョコを買ったそれらを買い物袋にいれている最中に ガラス越しの右側1人のほうは知らない若者2人と目が合った 
自由連想法による文章練習【12】

ひょうきん族をみる時間まで起きていることが許されなかったことをバカにしてきた首謀者の二十歳で死んだ坂井と最後に目があった小柳駅でのときのバス停はもはやよくわからない状態になっていて その手前の赤川はとくに変わらず けっきょく坂井はバスの中でババロアを食べなかった 
自由連想法による文章練習【13】

ガガンボではない小さい蛾のようなやつに左目とメガネのあいだをバタバタされて目覚めたのはもうけっこう前の話で もちろんつけっぱなしだった電気とぼくがその後どうなったかはだからもうまったく思い出せず ぼくはきのう妻とはじめてお日様にいった 
自由連想法による文章練習【14】

「ていうかいろいろ翻弄されるのにもいい加減もう疲れたからとっとと一瞬で100年経ってしまえばいいのに」的なことを 夢のなかか寝ぼけながら思ったか口走ったかしたらしく その証拠のメモ書きのうえにヘコキムシがいて「うぉ!」とぼくは軽い悲鳴をあげた 
自由連想法による文章練習【15】

太陽光線をもろに浴びてしまうとごまかしがきかないのは20代後半からだったはずで 外出準備を整えたものの外出しないかもしれないという最悪のはざまでゆらゆらしながら やっぱりもう一口だけ親子丼を食べるというさらなる最悪を実行してしまったぼくは その流れを引きずったままなかなか次の行動に移れなかった 
自由連想法による文章練習【16】

傘の手持ちの先っぽを口にくわえたおかげで空いた両手でズボンを上げ直しているふうの女児をみて思い出した仙台の仲良し女児2人の顔はわりとどっちも鮮明で 12時5分前をすぎても母から連絡はこなかった 
自由連想法による文章練習【17】

「なんだありゃ?」を「ありゃなんだ?」と反対にしてもぜんぜんおもしろくない最中の青森ベイブリッジを横断中にしたくなった小便はまだぜんぜん耐えられる範囲で またあった緑の箱はもうかなりどうでも良かった 
自由連想法による文章練習【18】

いまさらトゥエンティ―フォーが親しらずで死ぬかもしれない恐怖を半分くらいかき消してくれて 妻はそれこそ本当に繰り返しなんども寝た 
自由連想法による文章練習【19】

風が音の車がズザリとした何度かに耳をすませながらやっと自転車にのって赤信号の夜を閉めてぼくはふたたび寝ようとした 安物らしいブレーキはおもったより簡単に机のうえは見つかり 台湾のメーカーと聞いてぼくは一瞬かたまった 
自由連想法による文章練習【20】

風でつじが旗のそこそこ荒鳴るうちに平打ちと五目中華をえらぶ勝手が干からびた足湯も底が黒い点滅にご注意くださいだった妻がもうすぐきたぼくは 突き破った中指を丁寧に洗いわすれたまま二度寝にはいった風がすこし強かった 
自由連想法による文章練習【21】

ボロボロの妻が予想していたぼくは荷物と昆布をメモ1に移動させた空の朱色があっという間になくなり 青森から離れる重要の妻にとって転んだシャーメゾンわきが豆腐屋さんで湯葉とヒジキをまた買うべき命のおわりをただ感じる流れの心地わるくない妻の足に黒モコをかけてやったら「ウグッ」となり まだぜんぜん起きそうにない眠気にあわせて鬼塚がカツジを一撃で仕留めた渋谷のハチ公じゃないどこかに泉と太一が20年前にしゃがんでいた 自由連想法による文章練習【22】

片倉からの目的は柿生らしいかえりの妄想をしながらウンコくんにメールをしたらおもいだした後藤ちゃんが写真のちかくにいたガムをつつんだヘコキムシとじょうけん反射的にとんでいった柿生からやがてきた南武線は12個いじょうもあり 「食べる見本もみせてください」のへんしんを後藤かんごしに相談したところ ワタリガニのブログをかいたテラダユキの声がすこしうるさかった 
自由連想法による文章練習【23】

妻がいったとおりツバメだったそのツバメはだいぶ警戒心がなくなっていて 下の段ボールが結局なんのためなのか考えるのをとっくにあきらめたぼくはやっぱりまた自由連想にもどることにした 
自由連想法による文章練習【24】

今こそが究極としたらぼくの頭はビレッジハウスが占めていながら新座の松屋の味を思いだした 予定は順調 東秋留のビレッジに引っ越すのが年内にしても現金払いが必要な退去費用を妻の貯金でやることにしたぼくは 松屋の牛丼にたっぷり紅生姜をいれて味噌汁も超美味かった 
自由連想法による文章練習【25】

カラオケ動画をしっかり作りこみ直そうと思ったのはカッチンたちと電話で話したからだ 俺がアイツらの英雄として君臨するにはカラオケしかないぼくはカッチンが用意したプロジェクターにでかでかと手っとり早く映った 自由連想法による文章練習【26】

ぼくが生まれるよりずっと昔だったそのガラスは島根があまいぞダンゴだった時代 何もかも詰め込んで更なる混沌を目指すやり方をまた一つ開拓できたぼくは障害者年金ももしかしたらいけそうな気がした 
自由連想法による文章練習【27】

コントロール そう ぼくはまだ龍王をコントロールすることしかできていない ぼくは山煙が明日からの偉大な確信をつかむべく龍王にまっすぐ挑むシナリオができあがったH鋼にバナナジュースがはさまっていたのに身をひき締めた 
自由連想法による文章練習【28】

ぼくには嫌いな人がいないなんちゃってリフォームを考察し 自分の伝記や空き家らしいこと 素人のリフォームでもひじき 切り干し 砂肝 ワサビ 山を買い 要は「それから」からをYouTubeで放送しながら自分ができることとできないこと 他の人ができることできないことを 主観を交えずどんなに仕事をしていないようにみえる人にも炊き込みご飯 カルボナーラ ひじきおにぎり ソーセージ サンドイッチ ツナ缶 手羽先がそれぞれの可能性を引き出し 非効率を減らし 適材適所の仕組みをつくって やっぱり少し寝ることにしたぼくは入社して約一年 より品質の高い仕事をより効率よく実現する学舎の日常清掃に主に携わってきました 
自由連想法による文章練習【29】

最後の審判を画策している集まりはぼくを狙ってぼくが死んだところでモダンな弥生が真理を今度はA4サイズで書いてみることにしたぼくは 無印の60色鉛筆をぜったい買う河辺のイオンで惰性的が導き ぼくはぼくのような人間には黙って金をくれてやるのが当然だと二十年以上前からずっと本気でそう思っている苦しみは伊香保温泉郷 審美眼たるぼくのオレンジは瓦色の白が黒ずんだ洋館 といっても比較的新しいひ弱なデザインでミロを発見したことはなかなかデカいことかもしれない惰性でぼくは書いている 
自由連想法による文章練習【30】

僕は何度も何度も書いて捨てた どんなに毎日書いてもまったく一歩も進まなかった それはだいたい十二年くらい続いた 僕は闇だったずっとすんとも完全じゃなく東青梅でようやく完全になった頂点の楽園 
自由連想法による文章練習【31】

怒られたチャットGの最新がデシグアルづくしではじまったマルフジの牛脂は見切り発車を実装し 人生の五大支出を作らないメリットが安くなった資格をとる意味につきはじまった要諦が デュシャンとどれだけ書き連ねる価値があるかの内容は二の次 つまるトウバンジャンの空気は木曜の朝方だった地震を一重瞼に睡魔した僕は やがて小作まで駆け込んだデシグアルのネルシャツを結局買った
自由連想法による文章練習【32】

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自由連想法による文章練習【33】

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自由連想法による文章練習【34】

出会い系アプリの女はずっと私だけを見てもらわないと気がすまない愛おしさに静まった僕は この世からセックスが消えてなくなることを希望した道のりでリング状に手を繋ぐすんとるーの後ろ姿をみた
自由連想法による文章練習【35】

ちゃつをと極道龍やその他フォロワーたちを青梅に移住させる作戦を練り出して眠れなくなりながら 左小指の付け根を強く圧した日本は復活するその過程で人口が二百万くらいまで減ると 出口王仁三郎がそう言っていたらしい小川さんはしまるこの範疇にもその人はいた
自由連想法による文章練習【36】

すんはまだ仕事をする運命らしいと神様がいった僕は ふたたび読みはじめたジャンクリストフと杉ちゃんのワイルドコインになかなか笑い転げた日月のお告げが曰く 地震と戦争と疫病の次々によって人口が十分の一位まで減るらしい空にはそもそも「接続詞がない」と神が言った
自由連想法による文章練習【37】

池に蜂の巣を破壊させた僕は それ以前にも蜂に刺されながらワンワン泣いてその場から動けずなチャナを放置するに留まらず そもそもそのシチュエーションをわざと作りあげたそれぞれの因果とは チンカス過ぎる自我や想念に侵され浮遊するアメーバみたいな奴で よく凝視しようとすると逃げたソイツは 凝視をあきらめた途端 視界の端に一瞬でもどってきた
自由連想法による文章練習【38】

荻窪ルミネの踊り場で「個食の弊害」についての下書きを書きはじめた僕は 肉を食わざるを得ない吉野論をとにかく一刻もはやく思い出したオークリーの黒ぶち眼鏡がマッピーな月だった夜 チカシと新宿の漫喫を二室貸切ったはじめてのブログはホリエモンが社長だった時代のライブドアブログだった
自由連想法による文章練習【39】


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