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エンタメが多すぎる
片時もスマホの画面から目を離せなくなった現代の日本人。
もはや電車の中で(紙の)本を読んでいる人なんてどれほどいるやら。
スマホゲームにSNS。
ネトフリHuluアマプラAbema、長いのダメならYouTube。
アニメにドラマにお笑いに。何でもござれの動画配信。
スマホの外にも楽しさ満載。
国も企業も国民あおりアフターコロナでもう安心。
旅行・外食・フェス・ライブ。東京→北京の五輪リレー。
サムライブルーに感動もらい、もうすぐ始まるWBC。
騒ぎ喜び泣き怒り。次のイベント待ち遠しい。
…日本人、いくら何でもこんなんじゃマズいんじゃなかろうか?
いくら自分たちが気にしても、ウクライナをどうすることもできないというのは分かるし、いくら不満を口にしても統一自民党教会による増税を阻止できないからしょうがないじゃん、と言いたくなるのもわかる。
しかし、その結果起きることは、必ず自分たちの生活や将来に影響が出ること。どこかで真剣に議論して、声を上げなければならない。
だけど、毎日洪水のように溢れる大量のエンタメコンテンツは、日本人からものを考える力、リアルな社会に目を向ける力を、徹底的に奪っているとしか思えない。
流しそうめんのように、止めどなく流れる大量のエンタメを消化する日々で、抵抗なくつるりと喉に入るだけのものばかりをひたすら摂取する人生に、何の疑問も感じない状態でいいのだろうか。
別に、本を読んでいるからエライとか、頭が良いとかいうつもりもない。
本だって玉石混交、しょうもないものだってあるし、そもそも読書だってエンタメの一種だ。
ただ、現代の人々を虜にしているエンタメコンテンツは、読書や音楽といった従来型のコンテンツと違い、人間の思考力を衰退させるのに十分な機能を有しているのではないかと感じる。
子どもの頃よく、「テレビばかり観ているとバカになる」などと大人に言われたことがある人もいるだろう。今ならその言葉の意味がよくわかる。
もっとも、今いちばんテレビを観ている層はその当人たちだったりするのだが。
もちろん、人生に娯楽やエンタメは必要だ。
僕にも、サイクルロードレースというエンタメコンテンツがある。
読みたい本も、行きたい場所も、知りたいこともたくさんある。
もっと世界を知り、脳みその限界まで使って、この世の中や自分自身のことについて考えてみたい。
だけど、独断と偏見を承知で言えば、この国には国民から考える力を奪うエンタメが多すぎる。
今のエンタメが我々の「考える力」を奪っているのはなぜなのか。
そこにはどんな作用があり、どんな危険性があるのか。
そのことを自覚しなければ、熱狂して日の丸を振っている場所が渋谷ではなく、戦場になっている日が来ないとも限らないのだから。