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よなよな35 時期、時代、場
ばな子
時期と時代
まみちゃんのその「お助け期」は、きっと今になって思うと違うけど、そのときは自然にしていてもそうでなくてはいけなかった、人生のある時期だったんだと思うんですよ。
今となっては決してその気分も空気も再現できない、それが当然のことであったときというか。
私にもありました。近所の友だちが夜中の3時に泣きながら、カップルで住んでる私の家に平気でひんぱんに転がり込んできた頃。迷惑とか決して思わなかった。腹減った?なんか食う?あ、ラーメン行く?みたいな。自分も泣きながら電話したら、友だちが明け方に鍋とおかゆを持って来てくれたことも。
若さだけではなく、全体的にそういうのんきな時代だったんです。
まみちゃんのお友だちの亡くなった方も「高度成長期」からの「バブルさん」でした。もちろん私もそうです。ちょっと歳は下だけどまみちゃんだってその空気を味わってる。そういう時代があったんです。みんなが経済的にうるおっていて、だからこそはみだす豊かな感情にかかわるひまがあった。
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よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…