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よなよな48 よなよな夜話

ばな子

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どんなにがんばっても、人が誰かと出会う範囲ってすごく少ないように思います。
SAに行くと、よく思うんです。
この人たちの中のだれとも、きっと私は一生個人的に出会わない。私が人のゲロを踏んだらなぜか私のために泣いてくれたこの小さな女の子とも、もう一生会わないんだ。そんなことを。
自分の知っている世界の範囲で起きることって、ランダムなようで実はわりと選ばれているんですよね。だから当然くりかえし似たようなことが起きる。
これはもう、宿命と運命の、甲野善紀先生の、井上雄彦先生のおっしゃることに近くなってくるような話題だけれど、私には起きがちなことがまみちゃんに起きないとか、夫によく起きることが私には決して起きないとか、そういうのってほんとうに不思議じゃないですか?
まあ、ある意味全く不思議じゃないんだけれど。
だからその人の現実はその人が作ってる説、その人のちょっとした表情や対応のあり方で構築されてるっていうの、ホドロフスキーもよく言ってますが、あながちうそじゃないと思うんですよ。
そのくらい、人生って夢みたいなものなんだと思うんです。

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よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…