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よなよな61 よなよな無為

ばな子

「自分」を抜く

安藤忠雄さんはもちろん「先生」と呼ばれるにふさわしい人物で、そういう経歴で、立派な大人で、国に関係のあるプロジェクトをいくつもやっている。
大胆なことをやれば「大胆だ、鬼才だ」とほめられ、病気をしても動いていれば「あの人だからだ、すごい」と言われ、もはや飼い殺しというか、真綿にくるまれて死亡、みたいな環境だと想像できます。

私が安藤さん関連のフランス大使館からの講演会、パーティに出ただけでも、社会的地位にあふれていそうな人たちが炸裂してて、むちゃくちゃ建前だけの会話をしてて、「いい人たちだけれど、こんな感じの人たちと毎日いっしょにいたらハゲて死ぬ」と思うような感じでした。それが毎日の全てだったら安藤さんももうとっくにどうにかなっていたでしょうか、彼には心に自由な空間があり、それを実際作っちゃうという、壮大な楽しみがあるから、いつまでもあんなふうにいられるんだと思います。
「60年代の日本人には勢いがあった!今は全くない。だから子どもにかける」ってバリの兄貴もまったく同じことをおっしゃっていたので、ほんとうにそれしかないんだろうな、と思います。

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よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばなな…